Pic_HMS_Janus


欧州海域戦 「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)に「フランス海軍」を登場させたい。

と常々思っていた。

今回シナリオ化に選んだのは、中近東における英仏最初の対決となったシドン沖海戦である。中近東での英連邦とヴィシー・フランスとの対決。そのサイドショー的に戦われた海戦だ。詳細は 前回の記事 を参照されたい。

今回はテストの状況について報告する。

Turn00


1Turn

CW_DD11a1941年6月9日正午過ぎ。英海軍駆逐艦「ジェイナス」は、僚艦3隻を従えてシリア沖の海上をパトロールしていた。その前日より始まった「エクスプローラ作戦=英連邦軍による中近東方面への軍事介入」に参加していた「ジェイナス」は、付近で行動中と思われるヴィシーフランス海軍の大型駆逐艦を捜索中なのであった。
午後1時を少し回った頃、「ジェイナス」は前方に駆逐艦のマストらしいものを発見した。どうやら駆逐艦の艦影らしい。さらに接近して調べようとした所、怪しい艦影は俄かに速度を上げて右へ120度旋回。遁走の素振りを見せたのである。

Turn01


2Turn

FR_DD31a「艦影はフランス海軍のゲパール級駆逐艦です」

見張員の声が飛ぶ。
「ジェイナス」は最大戦速まで増速。僚艦3隻もそれに従う。距離約12km。敵艦に発砲の閃光煙が上がった。敵が射撃を開始したのだ。急行列車のような、と、表現される砲弾の飛翔音と共に「ジェイナス」に周辺に水柱が上がる。2発の中口径砲弾が「ジェイナス」に命中する。最初の1発は幸運にも不発弾であったが、もう1発が艦橋付近に命中して炸裂。射撃指揮所の一部を破壊する。

Turn02


3Turn

FR_DD32a敵はさらに右へ旋回。英艦隊から「ケツを見せる」ような機動を行う。この位置では魚雷攻撃は無理だ。

「敵2番艦を狙え」

「ジェイナス」艦上から各艦に命令が飛ぶ。敵艦の放つ主砲弾の水柱に囲まれながらも、「ジェイナス」が初弾を放った。続いて僚艦も発砲。目標は敵の2番艦。1隻でも命中弾を与えて脱落させれば、兵力に勝る英艦隊がそれをなぶり殺しにできるという算段だ。しかし距離12kmは駆逐艦の主砲にとってはやや遠すぎた。発砲できたのは「ジェイナス」と2番艦の「ジャッカル」のみ。後の2艦は射程距離や射角の関係で発砲できないでいる。

Turn03


4Turn

CW_DD12a「面舵一杯」

「ジェイナス」は右へ舵を切った。僚艦もそれにならう。敵から見ると離れていく方向になる。追撃を企図する英艦隊が離れるのは意外だが、このままでは口径に勝るフランス駆逐艦にアウトレンジされてしまう。それを嫌っての回頭だ。さらに言えば、散開している英艦隊の隊形を一旦緊縮し、火力集中できる態勢にすることも狙いに含まれている。それを見たフランス駆逐艦は右へ舵を取って英艦隊の頭を押さえるような運動を行う。
さすがに鍛え抜かれた英艦隊である。複雑な艦隊運動を見事にやりこなして密集隊形を取ることに成功した。フランス駆逐艦は英艦隊へ砲撃を行うが、距離が開いたことと、変針直後の射撃のため、命中弾は得られない。

Turn04


5Turn

態勢を立て直した英艦隊は、単縦陣でフランス駆逐艦を追う。接近戦を嫌うフランス駆逐艦であったが、ここはチャンスと見て敢えて英艦隊の挑戦を受けることとした。138mm砲弾1発が「ジェイナス」に命中する。ボイラー付近で炸裂した炸裂弾によって「ジェイナス」は最大速度が20ktにまで低下。事実上戦闘力を失う。

Turn05


6Turn

FR_DD32b戦闘力を失った「ジェイナス」が列外に逃れていく。代わって英艦隊の先頭に立ったのは「ジェイナス」と同型艦である英海軍駆逐艦「ジャッカル」である。いずれも頭文字が"J"から始まる艦で、J級又はジャベリン級と呼ばれている。
フランス艦隊は左へ120度一斉回頭を行い、英艦隊を左後方へ見る位置に占位する。そして「ジャッカル」に向けて主砲を斉射する。しかし命中しなかった。
英艦隊は敵2番艦に向けて集中砲火を浴びせる。手ごたえあり。目標に命中の閃光が走った。後にこの時命中弾を受けたのは、フランス駆逐艦「ヴァルミィ」であることが判明する。

Turn06


7Turn

被弾した敵艦だが、その速度は落ちない。その刹那、俄かに右へ転じた敵艦隊は非敵側へ舳先をむける。「ジャッカル」と僚艦2隻は慌てて右へ転舵するが、一歩出遅れた。S字移動で再びこちらに舷側を向けてきた敵艦が発砲する。しかし敵の射撃も正確さに欠き、徒に「ジャッカル」の周囲に水柱を上げるだけであった。

Turn07


8Turn

Torp23DTGb「右前方より雷跡、複数!」

「ジャッカル」の艦上で見張員が叫ぶ。斜め前方から近づく魚雷。下手に舵を切ったら魚雷に横腹を見せることになる。ここは運頼みで魚雷群に突っ込むしかない。
この魚雷は、先に被弾したフランス駆逐艦「ヴァルミィ」が放った6本の魚雷である。23DTと呼ばれるフランス製魚雷は、直径約55xmで、一般的な魚雷の直径である53cmよりも一回り大きい。駆逐艦クラスに命中すれば、良くて大破、下手をすれば1発轟沈である。
果せるかな、6本の魚雷のうち、1番左側を走っていた魚雷が「ジャッカル」の艦首付近に命中した。魚雷の爆発により「ジャッカル」の艦首部は船体から脱落し、「ジャッカル」は首なしの状態になってしまう。これでは速度が出せずはずもない。「ジャッカル」は戦闘力を失った。

Turn08


9Turn

その後、2隻に減った英駆逐艦は、なおも執拗にフランス艦隊を追うが、砲力に勝るフランス艦隊の反撃に抗すべくもなかった。3隻目の駆逐艦「アイシス」が被弾により戦闘力を失った時、この戦いは事実上終わりを告げた。

Turn09


両軍の損害

英艦隊

中破;駆逐艦「ジェイナス」「ジャッカル」「アイシス」

ヴィシーフランス艦隊

小破:駆逐艦「ヴァルミィ」

結果:ヴィシーフランス海軍の勝利。

感想

以前から感じていたことだが、小型艦艇同士の戦いが些か「地味」である。特殊損傷を除くと結果が"0"か"1"しかなく、損害が徐々に増えていく感じの戦いになる。さらに特殊損傷も確率1/10の弾薬庫命中以外は一気に大破・轟沈するような結果が乏しい。今回の結果もそうだが、やたらと「中破」の結果が増える要因としては、損害の出方が「少しずつ増えていく」スタイルであることによる影響が大きい。さらに言えば、相手が小型艦の場合に複数の砲弾が同時に命中する可能性が小さいことも要因として挙げられよう。
これを解消するため、いくつかの改善策を盛り込みたい。詳細は 次回 報告の予定である。

欧州海域戦 ソロモン夜襲戦 海空戦南太平洋1942 Atlantic Sentinels
大西洋、地中海の戦い イギリス海軍の護衛空母 Struggle For the Middle Sea The Gaeman Fleet At War, 1939-1945