もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 戦略級ゲーム

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「英国海軍」(以下、本作)は、1990年代に発売されていた同人ゲームである。テーマはWW2の海戦で、全世界における海戦を1ユニット=重巡以上の大型艦1隻のスケールで再現する。

本作の基本的となるシステムは、かつての名作ゲームWar at Sea(WaS)及びVictory in the Pacific(VitP)である。実際、カウンターデザインやレーティング、さらにマップデザインやレイアウトはWaS、VitPに酷似している。
今回は本作の中から太平洋戦争シナリオをプレイしてみた。筆者は日本軍を担当する。

前回までの展開は --> こちら

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8Turn(1943年前半)

米海軍にエセックス級新鋭空母4隻とインデペンデンス級軽空母5隻が就役してきた。ちょっと早すぎるんじゃないの、と、思えてくるが、まあ仕方がない。新鋭空母群は早速マーシャル諸島方面に来航してきた。これに対して陸攻2個戦隊が反撃を実施。エセックス級空母2隻に命中魚雷を見舞ったが、装甲防御に優れたエセックス級はいずれも命中魚雷に耐えた。空母群の猛反撃を受けて陸攻隊は壊滅。米軍が上陸部隊を伴っていなかったのでマーシャル諸島の日本軍守備隊は無事だったが、周囲の制海権を失った日本軍守備隊の運命は最早風前の灯火だった。

このTurn、日本軍はマーシャル諸島の支配を失い、獲得したVPは11VPとなる。対する米軍は12VPを得た。現在の総VPは連合軍3VPである。この時点で戦争の潮目は変わった。

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そして

この時点で最早攻勢を続ける能力を喪失した日本軍は負けを認めてゲーム終了となった。なお、シナリオ自体はこの後4Turn続くことになるが、米軍はさらに正規空母11隻、軽空母4隻、新型戦艦5隻その他を受け取ることになる。対する日本軍は各種空母7隻が登場するが、搭乗員の練度不足と艦載機不足のおまけつき。この状況では、最早日本軍プレイヤーは単に連合軍のサンドバックにしかならないだろう。

あまり悪口は書きたくないのだが、太平洋シナリオについてはまともなテストプレイしていないとしか思えない。まず勝利条件があまりに非現実的である。ゲーム開始時点で既に日本軍にペナルティがあるので、それを取り戻すだけで精一杯だ。VitPの場合は序盤に日本軍が貯金し、後半に米軍の反攻を貯金で凌ぐという展開で(少なくともゲーム上では)日本軍が勝利する可能性があるのだが、本作の場合はそもそも貯金自体が難しい(借金返済で精一杯)なので、頼るべき貯金がない状態で米海軍の猛反攻を受けることになってしまう。しかもVitPの場合、米軍の総反攻は全8Turnのうち後半の3Turnのみ。従ってゲーム前半から中盤までは日本軍プレイヤーもある程度楽しめるようになっている。しかし本作では何故か米軍の反攻が全8Turn中中盤以降の5Turnと長くなっている。1943年前半にエセックス級空母が大量投入されてくるなんて、日本軍プレイヤーにとっては悪夢以外の何物でもない。まあ史実自体も悪夢といえば悪夢だが、そんな史実と比べても米軍の反攻が強力過ぎる。このままプレイしたら1944年の半ばで連合艦隊は全て海の藻屑と化し、日本本土を含めた太平洋全域は米軍の支配下に落ちるだろう。

という訳で、この時点でゲーム終了とした。ちなみにプレイ時間は途中の休憩時間を除いて5時間強であった。

感想

まずは1990年代というウォーゲームの「氷河期」にあって、これだけの大作を、しかも個人レベルで出版にこぎつけたデザイナーの行動力を称賛したい。現在では個人レベルでウォーゲームやカードゲームを出版する環境がかなり整備されてきて、個人でウォーゲームを出版するための敷居は1990年代当時に比べてかなり下がってきている。実際、筆者も個人レベルでいくつかウォーゲームを出版している。
しかし今から30年前、ネット環境も一般ではなく、未だ電話、手紙、そして直接対話が主要な連絡手段の位置を占めていた当時において、これだけの大作を出版するのは容易ではなかっただろう。そういった意味で、以下に述べるいくつかの「欠点」も、当時の状況を考えれば無理なからぬことに思える。

まず気になったのはルールの書き方である。ナンバーシステムを採用していないのでルールの把握が容易ではなく、また曖昧な記述が多くてルールの把握が困難な面が多かった。例えば陣形ルール等は対戦相手共々頭を抱えて、「これ、本当に使うルールなの?」と議論した上、途中でWaS/VitPルールに置き換えてプレイしていた。さらにルールの記載漏れと思われる個所も多く、例えば戦闘中の飛行場の支配変更に伴う基地航空隊の扱いや基地航空隊の撤退方法等は関連ルールを見つけることができず、VitPのルールで代用した。

元々が全世界でのキャンペーンゲームを指向したゲームなので仕方がないかもしれないが、シナリオの内容に曖昧な点が多い。一応、戦闘序列は記載されているものの、オプションユニットが点線で記載されたりして
「このユニット、使って良いの?、ダメなの?」
と、迷うこと再三であった。

シナリオのバランスについては本文中にも触れたが、どうみても日本軍に勝ち目がない。これはひょっとしたらデザイナーの狙いで、
「VPではどうせ勝てないのだから、一か八かハワイ攻略した後の「アメリカ本土決戦」をやりなさい」
ということなのかもしれない。
(個人的には、日本軍のアメリカ本土上陸戦なんてファンタジーとしか思えないのだが・・・)

ということで、今回のプレイではあまり良い印象がなかったが、ひょっとしたらキャンペーンゲームをプレイしてみたら印象が変わるかもしれない。機会があれば、キャンペーンゲームをプレイしてみたいと思っている。なんやかんやでギリシャ海軍やトルコ海軍の艦船が登場するゲーム自体が珍しいのだから。


ニミッツの太平洋戦史 帝国海軍の最後 大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争 なぜ日本軍は敗れるのか敗因21ヶ条
米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 米軍提督と太平洋戦争 パシフィックストーム 征途


250410_アドミラルズウォー


「アドミラルズ・ウォー」は、2024年に日本のBonsai Gamesから出版されたSLGです。テーマは1939~44年の第2次世界大戦で、第2次世界大戦における海上の戦いを全世界規模で再現しています。

今回「アドミラルズ・ウォー」の紹介動画を作成しました。
以前に紹介した「アドミラルズ・ウォー」紹介動画のリメイク動画ですが、今回は実際のプレイの実例を合わせて紹介しています。





大西洋、地中海の戦い 空母瑞鶴戦史:機動部隊出撃 ニミッツの太平洋戦史 帝国海軍の最後

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「英国海軍」(以下、本作)は、1990年代に発売されていた同人ゲームである。テーマはWW2の海戦で、全世界における海戦を1ユニット=重巡以上の大型艦1隻のスケールで再現する。

本作の基本的となるシステムは、かつての名作ゲームWar at Sea(WaS)及びVictory in the Pacific(VitP)である。実際、カウンターデザインやレーティング、さらにマップデザインやレイアウトはWaS、VitPに酷似している。

ゲームシステムもWaSやVitPのものを踏襲しているが、WaS/VitPではゲームの複雑化を避けるために簡略した部分を、本作ではあえてゲームシステムに組み込んでいる。やや推測を交えて評するなら「WaS/VitPのシンプルなシステムに満足できなかったウォーゲーマーが欲望に任せてルールを追加したゲーム」と言えるかもしれない。

余談だが、筆者が生まれて初めて購入したウォーゲームはVitPであった。箱を空けてルールを読んだ時の「失望感」は今でも忘れることができない。

「嗚呼、筆者が夢にまで見た"うぉーげーむ"なるものは、こんな「玩具」じみたゲエムだったのか・・・」

と。
だから筆者も本作ゲームデザイナーの気持ちは痛いほど理解できる。かくいう筆者もVitPの簡単すぎるルールに満足できず、自作で戦術マップを作成し、さらに1ユニット3機単位の空母戦ルールのようなものまで自作したぐらいであったのだから・・・・


閑話休題。
本作で導入されたルールは多岐に渡る。戦闘システムでは重巡vs戦艦における重巡の不利(WaS/VitPでは、重巡を複数隻集めれば戦艦を比較的容易に撃破できた)、重巡の短い航続距離、空母戦でのCAPや対空砲火、海戦における任務群の編制、東京急行、未成艦の建造と既存艦修理との関係、ドイツ仮装巡洋艦、日本軍航空部隊の練度低下とパイロット教育、航空戦艦伊勢/日向、水上偵察機、米旧式戦艦の近代化改装、隼鷹/飛鷹の機関故障等等。他にも中小国のルールや大国別の特別ルール等が多数あり、ルールを読んでいても「くらくらする」感があった。

なお、本作は元々は全世界での海戦をテーマとしたゲームであり、そのため基本的には米英独日の4人プレイが基本スタイルとなっている。ただし現実問題として4人プレイはプレイスペースやプレイ人数の関係でなかなか実現が難しい。そこで今回は太平洋戦争シナリオをプレイしてみた。筆者は日本軍を担当する。

5Turn(1942年前半)

太平洋戦争シナリオは真珠湾攻撃直後から開始される。つまり真珠湾攻撃の結果はOBに反映済ということだ。余談だが、この「真珠湾攻撃直後からのスタート」というアイデアは秀逸と思う。というのも、真珠湾攻撃自体は太平洋戦争開始時の重大イベントだが、まともにプレイすると時間がかかるのみならず、結果が極端な方に触れるとその後のゲーム展開そのものを破壊しかねないからだ。

ただしインドネシアに対する奇襲攻撃ルールは適用される。なお、本作では英軍がシンガポールにプリンスオブウェールズ、レパルスを派遣する必要はない。ただし戦艦を派遣しないといきなりセイロンに日本軍が侵攻してくる恐れがある。それが嫌なら2隻ぐらいの「かませ犬」戦艦を派遣するしかない。

今回のプレイでは連合軍プレイヤーは史実通り2隻の新型戦艦、巡洋戦艦を派遣し、そして共に陸攻隊の餌食となった。

写真01_1941年12月マレー沖海戦


その他、日本軍はミッドウェー、南太平洋に進出し、インドネシアと合わせて合計6つの海域を支配した。日本軍は13VPを獲得し、連合軍は10VPを獲得した。ちなみに太平洋シナリオでは連合軍の11VPからスタートするので、現時点で連合軍の8VPである。このペースで果たして日本側に勝ち目があるのだろうか・・・?

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6Turn(1942年中盤)

セイロン島に英軍の大規模増援が到着したので、英東洋艦隊がインドネシアに反攻戦を仕掛けてきた。日本軍は就役したばかりの最新鋭戦艦「大和」を筆頭に艦隊をインドネシアに派遣して英海軍を迎え撃つ。海戦は日本海軍の勝利に終わり、日本軍はインドネシアを守り切った。

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またもや余談だが、このゲームではVitPとは異なって英海軍の行動能力に制約を設けていない。VitPの場合、英海軍は長距離行動できないように足枷をしているのだが、本作ではそのような制約がないので英海軍がかなり積極的な活動が可能となっている。日本軍としてはちょっと納得できない部分ではある。

さらに日本軍は珊瑚海に進出し、米豪連絡線の遮断を図る。一方の米軍はミッドウェーに反攻作戦を仕掛けてきた。VitPでもそうだったが、連合軍は常に日本軍の移動を見た後で移動できるので、日本軍の弱い所突いて攻撃することができる。慌てて空母「瑞鶴」「翔鶴」「飛龍」「蒼龍」等の高速空母を中心とする部隊をミッドウェー近海に派遣し、ミッドウェー沖で日米の空母戦が起こった。練度に勝る日本空母群は米空母に大きな損害を与え、米空母3隻を撃沈したが、日本軍も「飛龍」「瑞鶴」「翔鶴」の3艦を失い、大きな損害を被った。

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このTurn、日本軍は珊瑚海の支配を確保したものの、ミッドウェーの支配を失う。日本軍は14VPを得て、米軍は9VPを得た。現在の総VPは連合軍3VPである。おっと、なんだか調子良いんじゃないかな、日本軍。

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7Turn(1942年後半)

連合軍の基地航空兵力が巨大化してきたので、最早珊瑚海を占領し続ける事は難しい。オーストラリアは巨大な航空基地と化しており、珊瑚海はその航空威力圏内にあるからだ。最早珊瑚海に主力艦や空母を派遣するのは自殺行為に等しい。
日本軍はマーシャル諸島から南太平洋、インドネシアに至るラインに絶対防衛ラインを構築し、来航する米艦隊を迎え撃つ布陣とした。
一方の米軍は残存空母部隊の大部を以て再びミッドウェー近海に来航してきた。ミッドウェー近海で再び日米の空母部隊同士が激突する。この戦いでも日本空母は練度の冴えをみせて米空母3隻を撃沈、これで開戦以来第1線で戦ってきた米空母は全て失われたことになる。対する日本軍も空母「蒼龍」と軽空母2隻を失う。

このTurn、日本軍は珊瑚海の支配を失い、獲得したVPは12VPとなる。対する米軍は11VPを得た。現在の総VPは連合軍2VPである。1942年終了段階でも米軍の方がVPで勝っているので、最早日本側に勝ち目はないだろう。

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つづく


ニミッツの太平洋戦史 帝国海軍の最後 大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争 なぜ日本軍は敗れるのか敗因21ヶ条
米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 米軍提督と太平洋戦争 パシフィックストーム 征途

FtP表紙


For the People(以下、本作)は、米国GMT社が2000年に発売したSLGだ。テーマはアメリカ南北戦争で、プレイヤーは、リンカーン大統領又はデイヴィス大統領の役割を演じる。
今回、本作をVASSALでソロプレイしてみた。今回は1862年シナリオからスタートしてみることにした。1862年といえば、南軍にリー将軍が登場し、半島戦役やアンティータムの戦い等があった年で、南軍がまだまだ快調だった時期である。

前回までのあらすじ-->こちら

8Turn(1863年夏)

CSA_Beauregard政治的に苦しくなってきた南軍は、ミシシッピ戦線で反攻に転じた。南軍ジャクソン将軍麾下のテネシー軍改めミシシッピ軍は、同じく北軍グラント将軍麾下のミシシッピ軍とCanton Cityで交戦する。兵力に劣る南軍であったが、優れた指揮によって北軍を撃破し、南軍は西部戦線での大勝利に沸いた。しかし南軍の名将ボーリガードがこの戦いで戦死した。なお、この戦いは両軍合わせて24SPという空前の規模の戦いであった。

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USA_Curtis戦いに勝利した南軍であったが、兵力を著しく損じた南軍は、兵力に勝る北軍の猛反攻を受けることになる。ジャクソン将軍麾下の南軍部隊は兵力に勝る北軍部隊の攻撃を支えきれずズルズルと後退。勢いに乗る北軍部隊は重要な鉄道結節点であるジャクソンを支配し、さらにミシシッピ川に残った南軍最後の要塞であったヴィックスバーグ要塞も陥落した。一連の戦いで北軍のカーティス将軍と南軍スミス将軍が戦死する。なお、一連の戦いでミシシッピ州を北軍が支配することとなった。

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Z_Destroyed著しく弱体化した南軍ミシシッピ軍を強化するため、テネシー州とジョージア州の州境を守っていた南軍部隊から2SPが引き抜かれ、A.ジョンストン将軍が率いてミシシッピ軍に急派された。これにより何とか兵力を回復したミシシッピ軍は、ミシシッピ州とアラバマ州の州境に防衛ラインを築いた。しかしそのために弱体化したジョージア北部の南軍部隊を、ビューエル将軍麾下の北軍カンバーランド軍が襲いかかった。これまでは辛うじて互角の兵力を維持していた南軍部隊だが、ミシシッピ軍への増兵によってその兵力が4SPまで減らされていた。この兵力では北軍カンバーランド軍の猛攻を支えきれない。州境は破られ北軍が州都アトランタに突入した。アトランタの市街地は焼き払われ、南部連合は政治的に大きな打撃を受けることになる。

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CSA_J_Johnstonジョージア戦線の危機を救うべく、首都防衛の任に当たっていた南軍北ヴァージニア軍からシェナンドー渓谷を経由してテネシー州への反攻作戦が実施された。作戦を指揮するのはJ.ジョンストン将軍。マナサスを発したジョンストン将軍は、シェナンドー渓谷からアパラチア山脈のふもとテネシー川沿いに南下し、テネシー州の入口というべきRodgersvilleを守備する北軍守備隊を撃破した。しかし北軍はその南西Knoxvilleに2SPの守備隊を送り込んでジョンストン将軍の南下を阻止し、さらに後方Wythevilleにバンクス将軍麾下の2SPを派遣してジョンストン将軍の後方遮断を図る。慌てた南軍は北ヴァージニア軍の主力部隊を以てバンクス軍を撃破、なんとかジョンストン将軍の後方を守り切った。またジョンストン将軍も北ヴァージニア軍本隊の合流し、テネシー州への反攻作戦は失敗に終わった。

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なお、この時北軍に直面しているマナサスには僅か2SPの兵しかおらず、北軍が全力攻撃を仕掛けてきた場合には甚だ危険な状況にはあったのだが、例によって北軍司令官マクレランの優柔不断さにより、南軍は九死に一生を得た。

Turn終了時のSW値:北軍=111/南軍30

9Turn(1863年秋)

CSS_Jackson再編成された南軍ジョンストン麾下のミシシッピ軍は、廃墟となったアトランタに突入する。アトランタで暴虐の限りを行っていた北軍カンバーランド軍に対して、怒りに燃えた南軍部隊が猛撃を加えた。北軍部隊は予想外の大反撃を受けて壊走し、テネシー州との州境へ向けて後退していく。

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南軍はさらに北軍を牽制すべく、東部戦線で機動作戦を行う。2SPからなる独立歩兵軍団を編制し、シェナンドー渓谷を横切ってペンシルバニア州に雪崩れ込む。同方面に有力な北軍部隊はいなかったので、南軍部隊は大都市ピッツバーグまで進撃してきた。慌てた北軍は、ポトマック軍からフッカー将軍が5SPを率いて討伐に向かう。フッカー軍は南軍の巧みな抵抗にあって苦戦を強いられたが、なんとか南軍部隊を排除した。

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西部戦線ではアラバマ州に侵攻してきたグラント将軍麾下の北軍ミシシッピ軍がセーラム、コロンビアを経てメーコンにに迫る。ジャクソン将軍麾下の南軍ミシシッピ軍はこれを迎え撃ち、激しい戦いの後、これを打ち破った。度重なる敗戦の報に意気消沈していた南部連合の民衆たちは、ジャクソン将軍の見事な勝利に歓喜した。

このTURNにアラバマ州が北軍の手中に落ち、今や南部連合に残るのは、ヴァージニア、ノースカロライナ、サウスカロライナ、ジョージア、フロリダ、ルイジアナ、テキサス、アーカンソーの8州のみ。しかも主要な州であるジョージア州に今や北軍主力が殺到しつつあった。

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Turn終了時のSW値:北軍=103/南軍12

10Turn(1864年春)

CSA_Army_of_N_Virginia兵力不足著しい南軍は、既に全戦線で崩壊を来していた。最早防御は不可能である。かくなる上は反撃しかない。リー将軍麾下の北ヴァージニア軍8SPが北上を開始し、フレデリックを守る北軍ポトマック軍13SPと交戦する。兵力ではポトマック軍の方が優勢であったが、指揮に勝る南軍が北軍を撃破した。首都ワシントンに後退したマクレラン将軍麾下のポトマック軍に対し、リー将軍麾下の北ヴァージニア軍は猛攻を加える。一度は北軍部隊が南軍部隊を撃退したが(第1次ワシントン攻防戦)、その戦いで北軍騎兵指揮官プレソントン将軍が戦死してしまう。これが北軍にとっては痛かった。

北軍は慌てて増援部隊をワシントンDCに送り込み防備を固める。さらにリーが去った後のマナサス要塞に対して北軍部隊が攻撃を仕掛けてリーの背後を遮断しようとする。しかしいち早く迎撃に現れたリーの待ち伏せにあって北軍は大損害を受けて撃退されてしまう。

USA_CaptitalそしてリーによるワシントンDCに対する2度目の攻撃が始まった。マクレラン麾下のポトマック軍の方が兵力面では優越していたし、ワシントンには北軍の要塞もあった。しかしこの戦いでは騎兵の有無が勝敗を分けた。騎兵を失い偵察能力を失った北軍は南軍の攻撃に対して適切に対処できなかった。北軍の前線が突破されて遂に戦線崩壊。北軍部隊は総崩れとなってバルチモア方面へ撤退していった。リンカーン大統領も慌てて首都を離れていき、南部連合は遂に合衆国首都ワシントンDCを陥落させたのである。

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しかし・・・

時すでに遅かった。
Z_BlockadeワシントンDCでの状況に関係なく南部戦線での北軍は、ジョージア州全域に対して侵攻を開始していた。北軍のカンバーランド軍とミシシッピ軍で合わせて24SP。対する南軍ミシシッピ軍は9SPで兵力は3倍近い違いがあった。ジャクソン将軍麾下の南軍部隊は果敢に交戦し、北軍を苦しめるも、圧倒的兵力差により遂に壊滅するに至った。さらにジョージア州全域が北軍の支配下に落ちたことで南部連合は戦争の継続が困難と判断し、ここに合衆国に対して降伏するに至ったのである。

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Turn終了時のSW値:北軍=73/南軍0

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感想

USA_5SP正直難しかったです。南軍が難しいので正直どうやって良いかわかりませんでした。しかし最終Turnに試みにチャレンジしてみたワシントン攻撃が成功したことで、ある程度南部の作戦が見えてきました。南部は兵力面で北部に劣っているので、広域戦略になれば勝ち目がありません。だから局所集中で東部戦線で攻勢を加えて北部に脅威を与えるのが得策と思えます。ワシントンDCを落とすことができれば御の字ですが、仮に落ちなくても北軍に脅威を与えることで西部戦線での敵の攻勢を鈍らせることが期待できます。今回のプレイでは、東部戦線の南軍が退嬰的だったので、北軍のペースに巻き込まれてしまいました。ジャクソン将軍も敢えてミシシッピ軍の指揮官として登用せず、史実通りリーの右腕として戦わせるのが得策でした。その方がSWのロスが小さいですし・・・。

CSA_3SP今回、久しぶりにキャンペーンシナリオをプレイしてみましたが、やはり面白いですね。戦線を作るタイプのゲームではないのでどう戦って良いのか結構迷いますが、主導権をいかに敵に渡さないのかがポイントになりそうですね。研究すればするほど味が出てきそうなゲームなので、色々と試してみたいと思います。



ブルー&グレー

南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦 南北戦争記 戦争指揮官リンカーン 南北戦争-49の作戦図で読む詳細戦記

GJ92_表紙

官渡の戦い前夜から赤壁までの曹操の戦いを完全ソロプレイゲームで再現するSLGです。
プレイヤーがデッキから1枚づつカードを引き、引かれたカードに該当する武将が行動するだけのシンプルなシステムですが、登場する武将やエリア数が整理された結果、「孤高の信長」「孤高のモントゴメリー」よりさらに短い時間でプレイ可能な作品に仕上がっています。

ゲームは兵力では侮りがたい袁術軍と武勇値で圧倒的な呂布軍に加え、プレイが進むにつれ巨大な兵力を誇る袁紹軍、劉備軍の後ろ盾となる劉表軍、行動カードが「孫権」「周瑜」の2枚ありバランスの取れた孫権軍、そして行動カードが「劉備」「関羽」「張飛」と3枚あり敏捷性と「関羽」「張飛」の攻撃力が脅威となる劉備軍など、個性的な敵群雄が続々と参戦してきます。

特に「ラスボス」諸葛亮が登場すれば、劉備軍の弱点が解消し一気に対処至難な強敵と化すため、プレイヤーは圧倒的に不利となる多正面作戦を回避するために、次の敵が参戦する前に現在の敵を次々撃破し続けなければならないプレッシャーにさらされます。

これに対してプレイヤーは攻撃に秀でた猛将「夏侯惇」、騎兵の運用に優れ電撃戦が得意な「夏侯淵」、補充力が大きく防衛戦に長けた「曹仁」、堅実な用兵で損害を減じる「曹洪」、そして全軍を指揮可能で知略に優れた「曹操」などの各将軍の個性を生かさなければなりません。

果たして曹操は「そうそう勝てない」のか、それとも・・・・

貴方自身の目で確かめてみて下さい




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