
The Philippine Sea 1944

Mark Stille Osprey

マリアナ沖海戦について日米双方の視点から総括した著作である。筆者のMark Stille氏はゲームデザイナーとしても知られており、レイテ沖海戦のゲームやハンガリー戦、スターリングラード戦のゲーム等を手掛けている。
本書はマリアナ沖海戦について、戦闘開始から終了までを時系列に示した内容になっている。本書は両軍の指揮官、編成、作戦方針を説明する所から始まり、ビアク島攻略戦とそれに対する渾作戦、米軍のマリアナ攻撃、基地航空部隊と米機動部隊の戦い、小沢艦隊の出撃、小沢艦隊の攻撃と米機動部隊の迎撃、米軍による追撃といった一連の流れが手際よくまとめられている。この海戦はとかく「マリアナの七面鳥撃ち」といった特定の場面のみが注目される傾向にあるが、本書は海戦場面に留まらずその前の戦い(第1航空艦隊とTF58の戦い等)をキッチリ描くことで、マリアナ沖海戦の全体像を分かりやすく示すことに成功している。
写真や図表が数多く掲載されていて読みやすいので、英文だからといって敬遠せずに是非読んでいただきたい1作である。
お奨め度★★★★







