現在開発中の戦術級ゲーム「植民惑星の解放」(仮称)についてのテストプレイ結果を報告する。
「植民惑星の解放」は、かつて「コンバットアーマー」というタイトルで開発していた作品で、当初は戦闘車両1両単位のゲーム(世間でいう所の戦闘級)を予定していた。しかしシナリオのストーリー性を考えると、1両単位だとユニット数が多くなり過ぎてプレイの爽快感が失われる。そこで小隊規模の戦術級ゲームにスケール変更することにした。
具体的なスケールは、1ユニットが戦闘車両1個小隊(1~5両程度)、歩兵1個中隊(100~150名)、1Hex=250m、1Turn=5~10分とした。また各シナリオは、スタンレー高原の戦いやカルナック山脈の戦いといった完結した1つの戦いとし、それらの戦いを専用マップで再現する方式とした。
今回、その中からスタンレー高原の戦いをテストしてみた。この戦いは、パルミナ大陸の首都ドガに迫る解放軍に対し、連邦軍がスタンレー高原で反転攻勢を実施。これの撃破を試みたものである。兵力に劣る解放軍は、スタンレー高原に陣を張り、友軍の増援部隊が到着するまでスタンレー高地を死守しなければならない。
果たして連邦軍は解放軍を殲滅し、パルミナ大陸におけるゲリラ勢力を一掃することができるのか?。あるいは解放軍は連邦軍の攻勢を阻止し、ドガへ向けた進撃を再開できるのか?
まずゲームの手順は、プレイヤーTurn方式で、いわゆるI Go You Goシステムである。シーケンスは、回復フェイズ、活動フェイズ、終了フェイズの3段階。システムの中核は活動フェイズで、ユニット単位で活動を行う。活動には射撃、移動、移動射撃、白兵戦、偵察の5種類があり、相手の移動に対して行う機会射撃を加えて計6種類の活動がある。活動を行うと原則として疲労レベルが1レベル上昇し、疲労2以上になれば活動禁止、疲労4以上なら除去となる。また回復フェイズにHQの指揮範囲内にいるユニットは疲労レベルが1レベル回復する。逆に言えば、疲労するのを厭わなければ、1Turnに2回の活動を行うことも可能である。疲労レベルはユニットの裏表とマーカーで表し、疲労レベル1なら裏面、疲労レベル2~3はマーカーを使う。
移動は移動力を消費する標準的なもの。射撃戦は対装甲射撃と対非装甲射撃の2種類があり、いずれも1ユニット対1ユニットで解決する。対装甲射撃は火力-防御力をCRTに当てはめて2d6で結果を判定。対非装甲射撃も同様だが、非装甲目標の場合は防御力がユニット固有ではなく地形に依存する。
ユニットの「向き」はないが、上級ルールを使えば側面射撃が可能になる(相手を包囲している状況で行った場合は防御力にマイナスの修正がつく)。
とまあこんな感じである。
ちなみにこのシナリオの勝利条件は、相手司令部の除去。司令部はシナリオ特別ルールによって道路上しか移動できないものとする。また指揮統制ルールの関係上、司令部の指揮範囲(12Hex)から外れると、疲労回復出来ないので不利である。もし司令部の除去に失敗した場合、解放軍側の司令部の位置で勝敗を判定しようと思っている(敵に近い所に布陣していれば勝利)が、具体的な内容は未定である。
解放軍の最前線を守るのは、最新鋭のヘイスティ隊。待ち伏せ攻撃により連邦軍のコンバットアーマー4ユニット(ラウンドフェイサー3、クラブガンナー1)を撃破したものの、ヘイスティ3隊も連邦軍の攻撃で疲労レベルが2レベルまで上昇してしまう。
解放軍は最前線に歩兵部隊を残して時間稼ぎをする一方、疲労したヘイスティ隊は後方に一旦後退させることにした。
一方、このTurnより解放軍の増援部隊が登場し始める。毎Turn4ユニットランダムに登場する。しかし期待したヘイスティはわずか1ユニット。その他は歩兵2個、バギー1個だ。
一方の解放軍は増援で現れたヘイスティ4個小隊を中心に最終防衛ラインを固める。
一方で白兵戦を行うチャンスが殆どなかったのはどうしたものか。車両と歩兵の白兵戦値を差別化し、歩兵の「特技」として白兵戦を位置づけるのも良いかもしれない。
バランス的には今回解放軍の惨敗となったが、解放軍側の作戦に改善の余地がありそう。今回、最前線にコンバットアーマー隊を置いたけど、これは愚策だったようだ。それよりも第一線は歩兵部隊で時間稼ぎをしつつ、主力は第2線に配備し、主力同士の激突が始まる前にある程度増援部隊を受け取っておく。これなら解放軍も数的劣勢をある程度緩和できるので、勝機を見出せるかもしれない。まあバランスが悪いようなら、勝利条件と増援兵力を調整しよう。
増援ルールも少し見直したい。バリエーションを増やしたくて撃破された駒は「アバオアクー」方式で復活できるようにしてみたが、この方式だと解放軍はカスみたいなゲリラ部隊が復活してきて全然嬉しくない。何といっても今回、主役機であるダグラムが登場しなかったのは致命的だ。
まあ、基本的なシステムは概ね上手く流れたので、今後は細部調整してみたい。
「植民惑星の解放」は、かつて「コンバットアーマー」というタイトルで開発していた作品で、当初は戦闘車両1両単位のゲーム(世間でいう所の戦闘級)を予定していた。しかしシナリオのストーリー性を考えると、1両単位だとユニット数が多くなり過ぎてプレイの爽快感が失われる。そこで小隊規模の戦術級ゲームにスケール変更することにした。
具体的なスケールは、1ユニットが戦闘車両1個小隊(1~5両程度)、歩兵1個中隊(100~150名)、1Hex=250m、1Turn=5~10分とした。また各シナリオは、スタンレー高原の戦いやカルナック山脈の戦いといった完結した1つの戦いとし、それらの戦いを専用マップで再現する方式とした。
今回、その中からスタンレー高原の戦いをテストしてみた。この戦いは、パルミナ大陸の首都ドガに迫る解放軍に対し、連邦軍がスタンレー高原で反転攻勢を実施。これの撃破を試みたものである。兵力に劣る解放軍は、スタンレー高原に陣を張り、友軍の増援部隊が到着するまでスタンレー高地を死守しなければならない。
果たして連邦軍は解放軍を殲滅し、パルミナ大陸におけるゲリラ勢力を一掃することができるのか?。あるいは解放軍は連邦軍の攻勢を阻止し、ドガへ向けた進撃を再開できるのか?
基本システム
ゲーム自体、現時点で開発中なので、以下はあくまでも現時点での案である。まずゲームの手順は、プレイヤーTurn方式で、いわゆるI Go You Goシステムである。シーケンスは、回復フェイズ、活動フェイズ、終了フェイズの3段階。システムの中核は活動フェイズで、ユニット単位で活動を行う。活動には射撃、移動、移動射撃、白兵戦、偵察の5種類があり、相手の移動に対して行う機会射撃を加えて計6種類の活動がある。活動を行うと原則として疲労レベルが1レベル上昇し、疲労2以上になれば活動禁止、疲労4以上なら除去となる。また回復フェイズにHQの指揮範囲内にいるユニットは疲労レベルが1レベル回復する。逆に言えば、疲労するのを厭わなければ、1Turnに2回の活動を行うことも可能である。疲労レベルはユニットの裏表とマーカーで表し、疲労レベル1なら裏面、疲労レベル2~3はマーカーを使う。
移動は移動力を消費する標準的なもの。射撃戦は対装甲射撃と対非装甲射撃の2種類があり、いずれも1ユニット対1ユニットで解決する。対装甲射撃は火力-防御力をCRTに当てはめて2d6で結果を判定。対非装甲射撃も同様だが、非装甲目標の場合は防御力がユニット固有ではなく地形に依存する。
ユニットの「向き」はないが、上級ルールを使えば側面射撃が可能になる(相手を包囲している状況で行った場合は防御力にマイナスの修正がつく)。
とまあこんな感じである。
初期配置
このシナリオは、解放軍がスタンレー高地の要域に予め待ち伏せのための配備についている。初期配置の兵力は、コンバットアーマー数では連邦軍が5倍以上、戦闘車両で約2倍、歩兵兵力はほぼ互角と言った状況。しかし第3Turnから解放軍の増援部隊が登場し始めるので、兵力のバランスが徐々に解放軍有利に傾いてくる。さらに解放軍は数こそ少ないものの、ダグラムやヘイスティと言った強力なコンバットアーマーを装備している。連邦軍は兵力の優位を生かし、短期決戦で解放軍の戦線を突破した所だ。ちなみにこのシナリオの勝利条件は、相手司令部の除去。司令部はシナリオ特別ルールによって道路上しか移動できないものとする。また指揮統制ルールの関係上、司令部の指揮範囲(12Hex)から外れると、疲労回復出来ないので不利である。もし司令部の除去に失敗した場合、解放軍側の司令部の位置で勝敗を判定しようと思っている(敵に近い所に布陣していれば勝利)が、具体的な内容は未定である。
1Turn
兵力に勝る連邦軍は、歩兵を前に立てて前進する。最強の24部隊とブロックヘッド隊は出血を避けるため後方からの支援射撃に徹し、連邦軍陣地に接敵する役割は、歩兵、戦闘車両、そしてラウンドフェイサー隊に担わせた。解放軍の最前線を守るのは、最新鋭のヘイスティ隊。待ち伏せ攻撃により連邦軍のコンバットアーマー4ユニット(ラウンドフェイサー3、クラブガンナー1)を撃破したものの、ヘイスティ3隊も連邦軍の攻撃で疲労レベルが2レベルまで上昇してしまう。
解放軍は最前線に歩兵部隊を残して時間稼ぎをする一方、疲労したヘイスティ隊は後方に一旦後退させることにした。
2Turn
連邦軍はなおも前進し、解放軍の主防衛ラインに接触した。24部隊が解放軍ヘイスティ隊1個を撃破し、連邦軍の初戦果を上げる。3Turn
連邦軍はさらに前進し、解放軍の主防衛線の一部を突破した。ヘイスティ隊がさらに1ユニット撃破されている。一方、このTurnより解放軍の増援部隊が登場し始める。毎Turn4ユニットランダムに登場する。しかし期待したヘイスティはわずか1ユニット。その他は歩兵2個、バギー1個だ。
4Turn
連邦軍は、解放軍の主防衛ラインを突破し、さらに予備の防衛ラインにも接敵した、一方の解放軍は、司令部を後方の村落まで後退させ、増援で現れたヘイスティ隊を展開させて最終防衛ラインを敷く。5Turn
連邦軍は解放軍の主防衛ラインを完全に殲滅した。そして次の第2防衛ラインに差し掛かる。しかし第2防衛ラインの解放軍は歩兵中心の部隊なので、大きな抵抗は期待できない。連邦軍は解放軍の第2防衛ラインを包囲しつつ、主力はさらに後方の解放軍最終防衛ラインに向かう。一方の解放軍は増援で現れたヘイスティ4個小隊を中心に最終防衛ラインを固める。
6Turn
連邦軍のブロックヘッド1個中隊が最終防衛ラインを守る解放軍ヘイスティ1個中隊と交戦状態に入った。両軍共砲火を交えるものの、今の所、両者とも大きな損害は出ていない。7Turn
最終防衛ラインで両軍のコンバットアーマー同士が激しく激突する。連邦軍最精鋭24部隊の1個小隊が解放軍の攻撃で撃破されてしまう。8Turn
最終防衛ラインでの一進一退の攻防は続く。9Turn
遂に解放軍の最終防衛線が破られた。一気に後方に雪崩れ込む連邦軍諸隊。生き残った解放軍は連邦軍の包囲下に陥った。10Turn
最終Turnである。サマリン博士とザルツェフ少佐の司令部を捕捉した連邦軍は、これに猛攻を加えた。守る戦力を持たない博士たちはこれに抗すべくもなく、博士たちは24部隊の捕虜となってしまう。結果
スタンレー高地の戦いによって解放軍は首脳部失って事実上骨抜きとなり、地球連邦軍の大勝利で終わった。感想
まずシステムについて。比較的サクサク進めたのは良かった。射撃戦の際のDRMがちょっと面倒かな、とも思えたけど、まあゲーマーなら許容範囲かと思う。プラスマイナスは逆にしても良いかもしれない。現在はマイナスDRMが攻撃側有利だけど、プラスDRMを攻撃側有利にした方が、CRTとも整合性が取れてよいかも。一方で白兵戦を行うチャンスが殆どなかったのはどうしたものか。車両と歩兵の白兵戦値を差別化し、歩兵の「特技」として白兵戦を位置づけるのも良いかもしれない。
バランス的には今回解放軍の惨敗となったが、解放軍側の作戦に改善の余地がありそう。今回、最前線にコンバットアーマー隊を置いたけど、これは愚策だったようだ。それよりも第一線は歩兵部隊で時間稼ぎをしつつ、主力は第2線に配備し、主力同士の激突が始まる前にある程度増援部隊を受け取っておく。これなら解放軍も数的劣勢をある程度緩和できるので、勝機を見出せるかもしれない。まあバランスが悪いようなら、勝利条件と増援兵力を調整しよう。
増援ルールも少し見直したい。バリエーションを増やしたくて撃破された駒は「アバオアクー」方式で復活できるようにしてみたが、この方式だと解放軍はカスみたいなゲリラ部隊が復活してきて全然嬉しくない。何といっても今回、主役機であるダグラムが登場しなかったのは致命的だ。
まあ、基本的なシステムは概ね上手く流れたので、今後は細部調整してみたい。