もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ: ゲーム

250705_Midwayの嘘を暴く

「空母が沈んだのは雷爆換装のせい」──本当にそうだったのか?

この動画では、アメリカ発の歴史研究書『Shattered Sword』『Midway Inquest』をもとに、これまでの日本的な通説を根本から再検証します。

● Shattered Swordが暴いた“換装神話”のウソ
● 何が主要原因だったのか--CAP運用と攻撃隊未発進の現実
● 誘爆だけが原因ではなかった、日本空母の損失要因
● 南雲忠一は“愚将”だったのか?実は選択肢がなかった構造的理由
● 山口少将の進言と運用思想の壁
● 軍令部と聯合艦隊のいびつな関係
● ウォーゲーム界に残る旧史観

歴史を再構築することで、私たちは何を学ぶべきか。
神話ではなく“構造”を見る視点で、ミッドウェーをもう一度捉え直します

<<参考文献>>
・Jonathan Parshall & Anthony Tully『Shattered Sword』
・Dallas Isom『Midway Inquest』

コメントでご意見やご感想、ぜひお聞かせください!




Shattered Sword Midway Inquest ミッドウェー ミッドウェー海戦第1部:知略と驕慢
海空戦南太平洋1942

VITP表紙


Victory in the Pacific(以下、VITP)は、太平洋戦争をテーマとしたSLGで、私が生まれて最初に購入したウォーゲームだ。このゲームは太平洋戦争をある程度抽象的に再現している。
例えばVITPでは重巡以上の大型艦はほぼ全て1隻1ユニット単位で登場する。しかし軽巡以下の艦艇はほぼ全無視(一部例外あり)で、駆逐艦や護衛艦艇も一切登場しない。基地航空隊の役割や陸上戦闘も抽象的に表現されていて、VITPがあくまでも「艦と艦の戦い」をベースにした戦略ゲームであることが伺える。

マップは複数のエリアに分割されていて、ゲームの勝敗はエリア支配によるPOC(制海ポイント)の獲得によって決まる。戦争全体で見れば、終盤に圧倒的な海軍力が登場してくる米軍の勝利は揺るがない。しかしPOCは毎Turn獲得していくシステムになっているので、終盤に米軍が追い上げても、序盤の失点が多いと「戦争に勝ってゲームに負ける」という状況になる。逆に日本軍の勝ちパターンは、序盤POCレースでリードしておき、終盤に貯金を吐き出しつつ何とかギリギリで勝つという形になる。

今回、VITPを久しぶりに対戦することになった。今回はVASSALを使った通信対戦とし、うp主は連合軍を担当した。
なお、今回の対戦相手はVITPをかなりやりこんだプレイヤーである。従って今回は勝ち負けよりもまずは「最後までゲームを続ける」ことを目標とした。

VITP_Map


1Turn

IJN_CV_赤城第1Turnは奇襲ルールが適用される。これは日本軍による真珠湾攻撃とインドシナ侵攻を再現するためのルールだ。
まず真珠湾。日本軍は史実の空母6隻に加えて「龍驤」「瑞鳳」の2隻を加えた計8隻を真珠湾攻撃に投入してきた。

写真01


最初の2度に渡る攻撃で戦艦「アリゾナ」「ネヴァダ」「ペンシルバニア」「メリーランド」と重巡「サンフランシスコ」の計5隻が完全損失。戦艦「オクラホマ」が大破着底。戦艦「テネシー」「ウェストバージニア」が大破した。さらに在ハワイの第7空軍も壊滅。無傷で残ったのは、戦艦「カリフォルニア」と重巡「ニューオーリンズ」のみだ。

第7空軍が壊滅したので日本軍は一瞬追加攻撃の誘惑を感じたみたいだが、熟考の後南雲空母部隊はトラック基地へ引き上げていった。

インドシナでは、日本機の攻撃で英巡洋戦艦「レパルス」が沈没、しかし「プリンスオブウェールズ」は日本機の攻撃を躱してセイロン島へ撤退していった。

他にミッドウェー近海では、ミッドウェー海域の支配を目指す日本軍が、突如として現れた米空母部隊と交戦する。米空母「エンタープライズ」の攻撃で世界初の空母として知られている「鳳翔」が沈没。米機動部隊はその後速やかに撤退した。

このTurn、日本軍は新たにインドネシア、南太平洋、中部太平洋、アリューシャン列島を支配下におき、支配海域は7海域とななった。日本軍は12POCを獲得。対する連合軍は、ベンガル湾、インド洋、珊瑚海、サモア沖、ハワイ海域の計5海域を支配し、8POCを獲得した。その差4POCが新たに加わる。

写真02


2Turn

USN_CV_EnterpriseこのTurnに日本軍に2隻の空母が加わり、日本艦隊の保有する空母の隻数が10隻となった。それに対して連合軍は、米空母5隻、英空母3隻の計8隻である。加えて英空母には命中ボーナスがないので日本空母との対決はかなり不利である。このTurnが連合軍にとって最も苦しい時期といっても過言ではない。

日本軍は空母群を3グループに分けて、それぞれミッドウェー、珊瑚海、インド洋に送り込んできた。米軍は友軍の基地航空兵力の援護が得られる珊瑚海で決戦を戦うことを決意し、稼働空母5隻を全て珊瑚海に送り込んだ。珊瑚海海戦の始まりである。

写真03


珊瑚海に投入してきた日本空母は「赤城」「瑞鳳」「龍驤」の3隻であった。それに対する米空母は5隻。さらに米軍には基地航空隊も投入していた。

「ふふふ、この戦力なら必ず勝てる」

と米軍プレイヤーはうそぶいたが・・・

しかし戦闘結果は米軍にとって悪夢の様であった。航空戦で米軍は「赤城」を撃沈したもの、ヨークタウン級空母3隻が枕を並べて沈められた。小型の「龍驤」「瑞鳳」は沈まずにトラック基地へ強制帰還させられただけ・・・。さらに空母戦終了直後に空母「レキシントン」が日本潜水艦の雷撃を受けて轟沈してしまう。

「そんな、ばかなぁ・・・・」

空母の損失数が4:1。まるで「逆ミッドウェー海戦」のような結果に唖然とするうp主であったが、

「悲しいけど、これ戦争なのよね」

というどこかで聞いたセリフを聞き流すしかないうp主なのであった。
それでも珊瑚海海戦の最終結果は兵力に勝る米軍の勝利となり、珊瑚海の制海権を守り切った。

このTurn、日本軍は新たにインド洋を支配下におき、支配海域は8海域とななった。日本軍は14POCを獲得。対する連合軍は、新たに北太平洋を支配し、これにベンガル湾、珊瑚海、サモア沖、ハワイ海域を合わせた計5海域を支配した。連合軍は9POCを獲得。日本軍との差は5POCで、累積POCが日本軍の9POCとなった。

写真04


つづく




ニミッツの太平洋戦史 大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争 なぜ日本軍は敗れるのか敗因21ヶ条 空母エンタープライズ上巻
帝国海軍の最後 太平洋の試練(上)-真珠湾からミッドウェーまで 太平洋の試練(上)-ガダルカナルからサイパン陥落まで 太平洋の試練(上)-レイテから終戦まで

250531_2025年上半期ベストゲーム

2025年上半期にプレイしたウォーゲームの中から、特に印象深かった10作品をランキング形式で紹介!

・斬新なゲームシステム
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など、様々な観点から「これは面白い!」と思えた作品を厳選しました。

・うp主の主観全開!でも後悔はさせません。
・ぜひコメントで、みなさんの「推しウォーゲーム」も教えてください!

【紹介タイトル例】
・欧州戦線の傑作級作戦級
・ミニマルな太平洋キャンペーンゲーム
・まさかのカードドリブンで白熱したアレ
・あのクラシックタイトルがリメイクで蘇る!

・チャンネル登録&高評価もよろしくお願いします!

#ウォーゲーム #ボードゲーム #wargame #ランキング #軍事シミュレーション





Blue Water Navy コマンドマガジン Vol.177『ヴュルツブルク』
Carrier Battle - Philippine Sea
マレー電撃戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第5号)

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Air & Armor(以下、本作)は、米国Compass Games社が2024年に発表したSLGで、テーマは1980年代における西ドイツでの地上戦だ。元々は米国West End社が1985年に発売したゲームで、今回の作品はオリジナルから約40年後に発売されたリメイク版になる。

基本システムについては、以下の動画で既に紹介済なので、ご覧頂きたい。



今回プレイしたシナリオは、シナリオ11.Forward Deffenceである。このシナリオは、開戦当日前進防御でソ連軍の阻止を図る米第3歩兵師団に対してソ連軍の自動車化狙撃兵師団2個が突破を図るというものだ。ソ連軍が米軍の第1線を突破すると、予備として控置されていたソ連軍第79親衛戦車戦車師団が登場する。これが登場すると彼我の戦力比が3:1になり、米軍としては甚だ不利な状況になる。従って米軍としては万難を排してソ連軍の第1波を前線で阻止する必要がある。

今回のプレイはVASSALでのソロプレイとした。



前回までの展開は --> こちら

6Turn

RU_MiG27ソ連の偵察部隊が米軍の砲兵陣地を発見した。直ちにMiG-27の1個中隊が攻撃の為に飛来したが、激しい対空砲火によってソ連側攻撃編隊は撃退されてしまう。

先に敵中に降下したソ連第900空中突撃大隊はシュヴァインフルト市街地に向けて突撃を開始し、市街地の一角を占領した。
これに対して米第3旅団はブレッドレーの3個中隊をシュヴァインフルトに派遣し、第900空中突撃大隊のこれ以上の進撃を阻止せんとする。

写真11


US_2-14_72_6161ソ連軍戦線右翼を担当するソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団は、米第2,3旅団に対してさらなる突撃を敢行するも、例によって米軍の激しい防御砲撃を受けてその攻撃を阻止されてしまう。彼らの任務は米軍砲兵部隊の砲火を引き付けるのが任務だったが、そのために大損害を被り、第57師団はその攻撃力をほぼ失った。

ソ連軍戦線左翼からは予備兵力のソ連第79親衛戦車師団がついに戦線に登場した。米第1旅団のエイブラムス戦車大隊をソ連軍は戦車1個連隊で攻撃するも、米軍の長距離砲による反撃を受けてソ連戦車連隊は半数近くの兵力を失ってしまう。
それでもソ連軍は残存戦車と砲兵火力でエイブラムスを攻撃するが、エイブラムスは後退によって損害を回避した。さらにソ連軍の自走砲部隊は米軍の対砲兵射撃を受けて壊滅してしまう。

写真12


7Turn

夜になった。夜間になるとヘリを含めた航空機が一切使えなくなる。また夜間にはNATOの戦車、歩兵戦闘車の火力が2倍になる。NATOとしては夜間に反撃して戦果を拡張したい。

US_1_3_9_9先手を取ったNATO側は、米第1旅団が活性化し、M1エイブラムス2個大隊(6ステップ)でソ連第79親衛戦車師団所属のT-80戦車連隊を攻撃する。ソ連側の先制射撃によってM1エイブラムス2ステップを失ったが、M1側の反撃によってT-80戦車5ステップが撃破され、1個戦車連隊が事実上壊滅した。

写真13


RU_307_34_16221一方、西側の戦線では、ソ連第57親衛自動車化師団が偵察によって米第2旅団の司令部を探知した。BM-27重ロケット砲の集中砲撃で米第2旅団司令部が壊滅。第2旅団は一時的に麻痺状態となった。
とはいえ、そのチャンスを生かすはずのソ連第57親衛自動車化師団もほぼ壊滅状態であり、戦果を拡張することができなかった。

勝利条件に関わりがあるソ連第79親衛戦車師団はマップの南半分に布陣した。これによりソ連軍はギリギリで勝利条件を満たす可能性が出てきた。

写真14


8Turn

最終Turnである。この時点で勝利条件を確認する。
RU_247G_79G_54サドンデス勝利条件は、ソ連側はマップの南端からの突破、米軍はソ連軍をマップの北半分に押しとどめること。現時点では両方とも達成できそうにない。
サドンデス以外の条件としては、ソ連側はゲーム終了時点で第79親衛戦車師団の1個連隊が崩壊せずにマップの南半分に位置するごとに5VP。米軍はゲーム終了時点で崩壊状態ではない旅団1個につき5VPとなる。なお、このシナリオでは敵ステップ除去によるVPはない。

現時点では、ソ連軍は第79親衛戦車師団の4個連隊のうち1個連隊が崩壊状態で、残り3個連隊がマップの南半分に進入している。従って獲得したのは15VPである。一方の米軍は3個旅団が全て崩壊していないので15VPである。従ってこのまま終了すれば引き分けになる。

今回先手を取ったのは米軍である。
US_1_3_9_9米軍の狙いは、ソ連第79親衛戦車師団のいずれかの連隊を崩壊状態にして勝ち逃げするパターンである。しかし何たることか。偵察に全て失敗。事前砲撃で弱らせた後、戦車部隊を突進させる計画はこの時点で破綻してしまった。夜戦能力の高い米戦車であったが、さすがに無傷のソ連軍連隊に対して1個大隊程度の兵力で攻撃をするのは無謀である。電子戦に期待する手もあったが、失敗した時のダメージが大きいので諦めた。

勝敗には直接は関係ないが、ソ連第39親衛自動車化狙撃兵師団の1個連隊を米第1旅団のM1エイブラムス部隊が攻撃し、これを撃破した。

写真15


ソ連軍も虎の子第79親衛戦車師団を温存し、第39親衛自動車狙撃兵師団の残存部隊で米第2旅団のエイブラムス部隊を攻撃する。米第2旅団は司令部が撃破されていたので砲兵支援や予備移動を使えない。米第2旅団を崩壊させればソ連軍がシナリオに勝利できる。
しかしソ連軍の攻撃はあと一歩及ばず。米第2旅団は崩壊を免れた。

最終的にはソ連軍15VP、米軍15VPで引き分けとなった。

写真16


感想

RU_128G_57G_6_12_2このシナリオ、個人的にはかなり米軍側に肩入れしてプレイしてみたが、結果は引き分けであった。もしソ連第79親衛戦車師団の到着がもう少し早く、さらに第900空中突撃大隊を厭らしく投入してれば、米軍はもっと難儀しただろう。そういった意味でこのシナリオはソ連側がかなり有利なシナリオではないかと思う。

US_3_3_4_3米軍側としては、とにかくソ連軍をマップ北半分に押しとどめること。部隊の温存よりも土地の確保を重視すべきということか。あと航空兵力をもっと積極的に利用すべきであった。これはソ連側も同じだが、航空戦力をかなり余らせた状態でゲームを終えてしまった。夜間に航空兵力を使えることを途中まで失念していたのも痛かった。第4Turnぐらいから航空兵力の積極利用を考えるべきであった。

それにしてもAir & Armorは奥が深いゲームである。ルール量は多いものの基本概念はそれほど複雑なゲームではないので、プレイは十分に可能だ。とはいってもルールが多いのは確かなので、慣れと準備が必要なゲームであることは確かだ。個々のシナリオも良く練られていて、どのシナリオをプレイしても十分に楽しめる。冷戦時代の機械化戦闘を作戦戦術級でプレイできる稀有な作品なので、まだまだプレイしてみたいゲームだ。

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コマンドマガジン Vol.177『ヴュルツブルク』 NATO Designer Signature Edition
幻の東部戦線 機動の理論 Duel Book 18-M1 Abrams vs T-72 Ural Duel Book 75-Bradley vs BMP

a_a_cover_1200


Air & Armor(以下、本作)は、米国Compass Games社が2024年に発表したSLGで、テーマは1980年代における西ドイツでの地上戦だ。元々は米国West End社が1985年に発売したゲームで、今回の作品はオリジナルから約40年後に発売されたリメイク版になる。

基本システムについては、以下の動画で既に紹介済なので、ご覧頂きたい。



今回プレイしたシナリオは、シナリオ11.Forward Deffenceである。このシナリオは、開戦当日前進防御でソ連軍の阻止を図る米第3歩兵師団に対してソ連軍の自動車化狙撃兵師団2個が突破を図るというものだ。ソ連軍が米軍の第1線を突破すると、予備として控置されていたソ連軍第79親衛戦車戦車師団が登場する。これが登場すると彼我の戦力比が3:1になり、米軍としては甚だ不利な状況になる。従って米軍としては万難を排してソ連軍の第1波を前線で阻止する必要がある。

今回のプレイはVASSALでのソロプレイとした。



状況

先にも述べた通り兵力比は序盤でも2:1とソ連軍有利である。しかし米軍に有利な点もある。1つは固有の質的有利。同じ兵力なら米軍の方が(特に戦車性能で)有利なのだ。従って米ソの1個師団同士が戦えば、米軍の勝利は揺るがない。
もう1点は防御側である点である。これによって米軍は予め塹壕を掘って待ち構えることができた。

写真00


一方でソ連軍の有利な点は特別予備として登場してくる第79親衛戦車師団である。この師団が登場してくれば、兵力比でソ連側が圧倒的に有利となる。第79親衛戦車師団を登場させるためには、ソ連軍の部隊をマップ2に侵入させなければならない。マップ2というのは、今回のシナリオで使用するエリアの南側半分である。そのことは米軍もわかっているので、主力を前線に配備してソ連軍を遠くで迎え撃とうと布陣していた。

それでもソ連軍は進まなければならない。増援部隊を早く登場させるため・・・。

1Turn

マップ北端からソ連軍2個師団が登場する。彼らは米軍最前線の手前で一旦停止し、攻撃の機会を伺う。米軍は偵察活動で敵の動きを探るが、霧のせいもあり、ソ連軍の主力を捉えることはできなかった。


写真01


2Turn

RU_390G_8GA_6111ソ連第39親衛自動車化狙撃兵師団がホーフハイム(Hofheim 2004)の周辺で準備攻撃を開始する。米軍の最右翼を守る機械化歩兵中隊を砲撃で撃破。米軍の側面を突破した。しかし米軍は偵察と対砲兵射撃によって155mm砲兵大隊の半数と第39師団のBM-21ロケット砲大隊を撃破した。

写真02


戦線右翼ではソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団も準備攻撃を実施。第174親衛自動車化狙撃兵連隊を用いて偵察攻撃を行うも、米軍の砲兵部隊による集中砲撃で第174連隊は壊滅的な損害を受けて戦力を失う。

写真03


3Turn

RU_15G_39G_5_4兵力の個別投入の愚を悟ったソ連軍は、2個師団による同時攻撃を企図して大規模な攻撃を行わない。戦線東翼の第39親衛自動車化狙撃兵師団は米軍が後退したホーフハイムを無血占領した。しかし米軍の偵察によって位置を察知された第15親衛戦車連隊が米砲兵隊の集中射撃を受けて戦力の1/3を失うという大損害を被ってしまう。

写真04


RU_Su17西側を進む第57親衛自動車狙撃兵師団は航空支援を要請し、米第2旅団の機械化歩兵部隊を攻撃する。Su-17戦闘爆撃機の編隊が飛来し、米機械化歩兵1個中隊が壊滅した。米軍も反撃を試みるが、ここでは偵察に失敗した。仕方がないので、先ほど大損害を被っていたソ連第174連隊を砲撃によって壊滅させた。

写真05


4Turn

RU_Mi24全戦線に渡ってソ連軍が総攻撃を開始した。東側の第39親衛自動車化狙撃兵師団は広範な偵察を実施した後、米第1旅団の中心部に位置する機械化歩兵中隊を発見した。Mi-24ハインドの1個旅団が飛来し、激しい対空砲火を冒して攻撃を敢行。損害を被りながらも米機械化歩兵に損害を与える。そこにソ連第39師団の3個連隊が集中攻撃を浴びせる。米軍の防御砲火は1個自動車化狙撃兵連隊を撃破し、別の連隊のも損害を与えたが、やはり衆寡敵せず。米軍の機械化歩兵大隊も撃破されて戦線に突破口が形成される。

写真06


RU_DTB_39G_44ソ連第39師団の予備兵力である戦車大隊が友軍を超越して後方の米第1旅団司令部を急襲する。司令部を撃破されると厄介なことになるので、米軍は予備として控置していたM110 203mm砲の1個大隊で猛烈な砲撃を浴びせた。これによりなんとかソ連軍の攻撃を撃退することに成功したものの、予備の砲兵火力を使い果たしてしまう。

US_2_3_9_9戦線中央部から西側にかけた戦区では、総攻撃を準備しているソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団の裏をかき、米第2旅団が最前線の陣地を放棄して後方に下がっていく。これにより米軍部隊は大きな損害を受けることなく後退することに成功。ソ連軍は労せずして前線を押し上げる。

写真07


特に戦線東側で大きく戦線を抜かれた米軍は、第1旅団を後退させて防御ラインを再構築する。しかし十分に準備されていた第1線に比べると、予備の防御ラインはまだ陣地構築が十分ではなく、脆弱な感は否めない。

5Turn

RU_17G_79G_66ソ連軍が米軍の第1線を突破したので、ソ連側の突破予備である第79親衛戦車師団が登場してきた。彼らが突破できるか否かがシナリオの勝敗を左右する。

最前線では、戦線西側を担当する第57親衛自動車化狙撃兵師団が米第2旅団の前線になおも苛烈な攻撃を仕掛けてきた。一方の米軍は砲兵火力を集中してこれを撃退。それに対してソ連軍も激しい対砲兵射撃を浴びせて米軍砲兵陣地を制圧せんとする。
[RU_170G_57G_5_4]戦闘の結果、ソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団のうち2個連隊が損害過多のため事実上戦闘不能状態となってしまう。同師団は既に1個自動車化狙撃兵連隊が事実上壊滅しているので、同師団で作戦可能なものは自動車化狙撃兵連隊が1個と予備の戦車大隊が1個のみ。すなわち第57親衛自動車化狙撃兵師団は戦力の半分以上が事実上攻勢能力を失った。

写真08


US_4-24_72_8_20_1戦線東側ではソ連第39親衛自動車化狙撃兵師団が攻撃を継続している。こちらは米軍の砲兵火力があまり投入されなかったので、戦車vs戦車の激しい戦闘が繰り広げられた。しかし性能に勝る米戦車が優位に戦いを進め。同師団の2個連隊が攻勢能力を失ってしまう。さらに米軍のロケット砲部隊がソ連第39師団の前線司令部を捕捉し、ロケット砲の集中射撃を浴びせた。司令部は大損害を被り、一時的に戦闘能力を失う。

写真09


RU_900_8GA_22ソ連軍はさらに切り札を投入する。第900空中突撃大隊だ。輸送ヘリによって空中機動する部隊で、戦線後方のシュヴァインフルト付近へ降下し、ただちにシュヴァインフルトに向けて前進した。同市には米軍の司令部と砲兵部隊が集まっている。米軍はただちに彼らを守るべく第3旅団から予備兵力を抽出する。

写真10


ソ連の空中突撃部隊による後方地帯への急襲は手を抜いていると意外な脅威となる。ただし空中突撃部隊は敵ユニットに隣接する際に特殊な制限があり、いきなり後方地区へ襲撃を仕掛けることが難しくなっている。だから都市に籠っている限りはいきなり襲撃される危険は左程高くはない。

なお、米軍は第3旅団の一部を後方に回して前線を薄くしたので、主要な河川橋梁について一部を除いて爆破した。これにより後方地帯に向けたソ連軍の突破を防ぐというのが狙いである。

つづく

コマンドマガジン Vol.177『ヴュルツブルク』 NATO Designer Signature Edition
幻の東部戦線 機動の理論 Duel Book 18-M1 Abrams vs T-72 Ural Duel Book 75-Bradley vs BMP

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