もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:世界の軍隊 > 自衛隊

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J Ground No,14 2021秋

Kindle Unlimitedで無料で読んだ。特集は「陸上自衛隊の火力戦闘」。10式戦車、90式戦車、16式機動戦闘車、各種火砲等、陸上自衛隊の火力部隊を特集している。また第2特集はUH-1J多目的ヘリ。いわゆる「ヒューイ」と呼ばれたころから運用されている機体で、ベトナム戦争の頃から数えると50年以上も運用されていることになる。このような旧式機がより新型・高性能であるUH-60JAやCH-47を押しのけて陸自の主力機としての役割を発揮しているのか。そういった点を読んでみても楽しい。

お奨め度★★★

高尾山に登った後、横須賀港に立ち寄りました。港には砕氷艦「しらせ」が入泊しており、他に空母「ドナルド・レーガン」、イージス駆逐艦等も停泊していました。

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先任士官物語

渡邉直 光人社NF文庫

架空の護衛艦「しののめ」を舞台にした新任砲雷長、結城武。本書は結城武と「しののめ」を主人公とした小説である。小説という形態を取っているが、本書で描かれているのは生の海上自衛官の姿で、遠洋航海、未知の人々との出会い、戦闘訓練、事故、司令との確執、同僚との絆、そして海上自衛官達を背後で支えている家族達が描かれている。
護衛艦「しののめ」は「くも」クラスの護衛艦とされているが、これは1960年代から2000年前後まで活躍した「やまぐも」「みねぐも」クラスの護衛艦である。主兵装はアスロックとボフォース対潜ロケットで、現在の汎用護衛艦のようにSSMやCIWS、短SAM等は装備していない。あくまでも対潜戦に特化した護衛艦である。ちなみに「くも」クラスが遠洋航海に出たのは1970年~85年なので、本書の扱っている時期は1970年代であろう。ただし本書では「しののめ」が「くも」クラスだろうが、「ゆき」クラスだろうが、あまり関係ない。護衛艦は脇役で主役は海上自衛官達である。従ってメカニックな側面に期待する向きにとっては期待を裏切られるかもしれない。しかしその一方で海上自衛官達の生の生活を「わかったような気にさせてくれる」作品である。

お奨め度★★★

詳しくは-->こちら

主題の映画が「日本映画チャンネル」で放映していました。

「どうして自衛隊が出てくる映画はあんなにダサいんだろ」

約20年前に織田裕二主演で「ベストガイ」という自衛隊の映画がありましたが、この「空へ~」は「ベストガイ」と甲乙付け難い作品ではないかと思います。
実機や実艦が沢山登場してくる点は評価したいのですが・・・・。

ちなみにアニメ版レスキューウィング「よみがえる空」は本作とは似ても似つかない傑作です。

詳しくは-->こちら

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F-35「ライトニング2」。かつてはJSF(Joint Strike Fighter)と呼ばれていた機体です。
従来のF-16,F-18,AV-8,A-10,F-111といった機体の代替となる機体で、高度なステルス性と電子戦能力、そして機動性が売りの第5世代型戦闘攻撃機です。

このF-35が航空自衛隊の次期主力戦闘機の候補の一つとして挙げられています。空自としては「最強」の呼び声高いF-22ラプターが欲しい所なのでしょうが、ラプターがどうやら米国外への輸出が認められないようなので、「2番目に強い」というF-35に白羽の矢が立った、ということでしょう。

しかしこのF-35は、どうも次期主力戦闘機とするには不安があります。というのもかつてのF-4やF-15といった機材が持っていた「強い戦闘機」という印象が、このF-35からは伝わってこないのです。
(らっきーどF-104もちょっと怪しかったですが・・・・)
勿論イメージで戦闘機を決める訳ではないのですが、実際の性能面から見てもこのF-35はいくつか不安材料があります。

1つは武装です。
F-35には合計11箇所の兵器搭載個所があり、その総搭載能力は6~7トンと言われています。これだけを見れば十分な搭載能力を持っていると言えそうなのですが、ここには一つ落とし穴があります。それは「F-35が通常ミッションを行う際、使用できる兵装架は胴体内の4箇所だけ」ということです。いわゆるステルス機の宿命とも言うべき問題で、F-35は各種の兵器を計4個までしか通常は搭載できないことになります。
米軍におけるF-35の主要な任務は空対地攻撃になるので、この場合4箇所の兵装架には自衛用の空対空ミサイル(AIM-120又はAIM-9)を2発と最大2000ポンドまでの精密誘導兵器を最大2発まで搭載することになります。これは現有のF-16やF-18の実戦環境下での装備とほぼ同じなので(F-16やF-18の場合、これ以外に増加タンクや自衛電子戦用装備を搭載する)、攻撃能力としては不足しているとはいえません。
ただ、空自要撃戦闘機の主要な任務は空対空戦闘です。空対空戦闘を想定した場合、F-35は4箇所の兵装架に計4発の空対空ミサイルを搭載することになるでしょうが、ミサイル4発というのはいかにも少ないという印象を持ちます(経験則から言えば、ミサイルの命中率は大抵の場合戦前の予想を下回ります)。F-15やF-4の8発とは言わないまでも、せめて6発は欲しい所。4発だったらBVR(視認距離外)から2発撃ち込んで、残り2発でドッグファイトということになります。あるいはF-35はステルス機だから、最初から4発全部をBVRで撃っておいて、あとは見つかる前に逃げようという魂胆なのかもしれません。その辺りの運用形態は色々考えられますが、いずれにしても最大4発の空対空ミサイルというのは、対戦闘機戦闘を考えた場合に不足を感じる数値ではあります。



もう1点は速度です。
F-35の最大速度はマッハ1.6と言われています。これはマッハ2.2のF-4やマッハ2.5のF-15と比較した場合、いかにも少ない値です。無論現在戦闘機にとって最大速度というものはあくまでも目安に過ぎません。実際には加速性能等の方が重要になってくるのですが、それでも最大速度が不要なものではないはず。仮想敵国の爆撃機がマッハ2を超える速度で飛来してきた場合、これを邀撃する迎撃戦闘機の速度がマッハ1.6というのは、いかにも辛い感じがあります。

F-22の入手が困難になった今、F-35は航空自衛隊にとって魅力的な選択肢の1つであることは間違いないと思います。またステルス性がF-Xにとって重要な要素であるならば、F-35が最有力候補の1つになってくることも予想できます。
しかしステルス性は重要ですが、全てではありません。ステルス性を重視するあまり、その他戦闘機として必要とされる機能が弱体化されても良いのか、と疑問に感じます。ステルス性では多少見劣りする面があるかもしれませんが、兵装搭載能力や速度性能が十分な機体、例えばF-15の改造型やユーロファイターといった選択肢が実は現実的で最良の選択肢なのではないかな、と思ったりします。

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米空軍、海軍、海兵隊の他、英、カナダ、オーストラリアといった旧西側陣営における主力戦闘攻撃機として整備されつつあるF-35「ライトニング2」。同一の機体から、空軍用、海軍用、海兵隊用SVTOL機の3種類の異なる機材が生み出されつつある。

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2009年に入って発表されたF-15の新バージョン。いわゆる「サイレント・イーグル」。基本はF-15だが、コンフォーマルタンクを使って兵装を全て機内搭載とし、さらに形状も変化させてステルス性を向上させた機体である。速度や搭載能力はF-15譲りなのでF-35を凌駕しているが、ステルス性についてはF-35に比べて劣ると見られている

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英国やドイツを中心に配備が進められているユーロファイター「タイフーン」。4.5世代戦闘機に区分され、F-15やF-16よりも向上したステルス性とF-35を上回る搭載能力を持っている。一時は「Su-27に劣る」とまで酷評されていた機体だが、現在順調に配備が進められている所を見ると、それほど酷い機体ではなかったのかも知れない。本命F-22はダメ、F-35では役不足と「消去法」で行けば、本機がF-X候補に残る可能性はあるが、欧州機であることが最大のネックかもしれない。
(個人的にはスタイル面での「ダサさ」が気になります)

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