もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:世界の軍隊 > 英軍

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The Squadrons of the Fleet Air Arm

Ray Sturtivant Air-Britain publication

英海軍航空隊(FAA)を飛行中隊(Squadron)毎にその開隊から活躍を個別に記した著作である。FAAが運用したすべての飛行中隊がピックアップされているので、かなりのボリュームである。日本ではあまり知られていない英海軍航空隊。その飛行中隊について辞書的に調べるには手頃な内容である。その割に値段は少し高い。

お奨め度★★★★

Squadrons of the Fleet Air Arm

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The War at Sea Vol.3-2 "The Offensive"

Stephen Roskill

The War at Sea 3-1 -  The Offensive The War at Seaの最終巻はノルマンディー上陸作戦から沖縄戦、日本本土攻撃といった戦争末期における英海軍の戦いを描く。概要レベルの記述だが、交換戦史並みに詳細な内容なので、資料性は高い。そのような書籍が218円(Kindle版)で入手できることが驚異だ。
圧倒的勝利の感が強い戦争末期の連合国海軍だが、本書を読めば必ずしも「楽勝」ではなかったことが伺える。例えば英国全体における人的資源の枯渇は深刻で、本書によれば戦争後期に旧式戦艦4隻、小型巡洋艦5隻、駆逐艦40隻の乗組員を他の重要なポストに振り向けざるを得なかったという。またドイツ軍の敷設する磁気機雷の脅威も深刻であり、その掃海は殆ど不可能に近い状態だったという。本書を読めば「機雷」という一見地味な兵器が、英本土周辺や北海では最も有効な兵器だったことがわかる。
他にはノルマンディー近海での英独駆逐艦同士の戦い、ドイツの新型潜水艦XXI型の出撃、知らざれる英太平洋艦隊の戦いなど、興味深い記述が多い。
コスパを考えれば、WW2の海戦に興味がある方であれば、万人にお奨めしたい作品である。

お奨め度★★★★★

The War at Sea 1 - The Deffensive The War at Sea 2 - The Period of Balance The War at Sea 3-1 -  The Offensive The War at Sea 3-1 -  The Offensive
大西洋、地中海の戦い 恐るべきUボート戦 Uボート戦場写真集 イギリス海軍の護衛空母

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英国軍艦勇者列伝

岡部いさく 大日本絵画

英国軍艦勇者列伝 「世界の駄っ作機」や「蛇の目の花園」といった作品で英国軍用機に対する溢れるばかりの愛を発露している筆者が今度は海軍に挑戦だ。ロイヤルネイビーの様々な軍艦をネタにして、溢れる愛情を注いでいる。本書で取り扱っている主な艦は、ダイドー級防空軽巡、アーチャー級護衛空母、ロイヤル・ソヴァレン級戦艦、トライバル級駆逐艦、アブデエル級敷設巡洋艦、リアンダー級フリゲート等計13種類。いずれも技術的な特徴や戦歴について「面白おかしく」記されている。例によってデータ指向の著作ではなく資料性には乏しいが、軽い読み物として短時間で楽しむ分には良い。

お奨め度★★★

英国軍艦勇者列伝

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世界の駄っ作機:番外編-蛇の目の花園

岡部いさく 大日本絵画

とある友人(とお呼びしても良いかな?)から譲って頂いた著作。タダで頂いた本なので悪口は書けないな(笑)。というのは半分冗談です。
本書はタイトル通り英軍機の実用機は実用に至らなかった機体を筆者の好みで集めてきて、随筆風に書き記したものである。取り上げられている機体は計32機種で、F-111KやTSRのように実際には配備・量産されなかった機体、マートレット、ホークH75のように普通に配備されて普通に運用された機体等、様々な機体が取り上げられている。言ってみれば、敢て「名機、傑作機」を外した英軍機本で、スピットファイア、ハリケーン、ランカスター、モスキート、ハリアーのような機体以外なら全て取り上げられる可能性のある範疇に入る。いや、ハリケーンは採用される可能性があるか・・・。データ指向の著作ではないので資料性にはやや乏しいが、飛行機好きの随筆として軽い気持ちで読める本と言える。

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The War at Sea Vol.3-1 "The Offensive"

Stephen Roskill

The War at Sea 3-1 -  The Offensive "The War at Sea"シリーズの第3弾。アマゾンのKindle版で入手したが、前作Vol.1が102円、Vol.2が510円だった。それに対し、この第3巻は510円になっており、全く何を基準に価格設定しているのか、よくわからない。いずれにしても内容の割に格安だとは言えよう。
本書は1943年後半から1944年半ばまでの期間における英海軍の戦いを描いている。この時期、大西洋における戦いは連合軍有利に態勢を決した時期である。それを確立したのはB-24/PB4Yやサンダーランド、ハリファックス等の長距離哨戒機と米国製の護衛空母群。そして航空機による対潜哨戒能力を強化するレーダーや音響追尾魚雷などである。ドイツ海軍も護衛艦艇撃破用の音響追尾魚雷や水中でのバッテリー充電を可能とするスノーケル、そしてHe177等の長距離哨戒機とそれに搭載される無線誘導ミサイル等で大西洋船団に対する攻撃を強化するが、全般的な劣勢は否めない。デーニッツ提督は水中高速潜であるXXI型や無酸素エンジンであるワルター機関に起死回生を期するが・・・、
他には地中海方面でのシシリー及びイタリア本土に対する上陸作戦。ここでもドイツ軍のラジコンミサイルが猛威を奮い、連合軍は多大な出血を強いられる。またノルウェー方面では、ドイツ戦艦「テルピッツ」に対する再三にわたる攻撃(豆潜水艦、空母艦載機等)と巡洋戦艦「シャルンホルスト」の最期(北岬沖海戦)等の激闘が繰り広げられた。またあまり語られることがないが、英潜水艦によるノルウェー近海におけるドイツ軍海上交通路攻撃や対水上艦攻撃(ポケット潜水艦「リュッツォー」を撃破している)等についても触れられており、興味深い。本土水域の戦闘では、英海軍沿岸航空隊によるドイツ船団に対する海上阻止任務や機雷敷設による海上妨害について触れられている。特に機雷は通常の攻撃よりも攻撃効率が良く(単位ソーティ当たりの撃沈戦果や被害機数が直接攻撃の場合よりも有利)、機雷及び対機雷戦が同方面での主要な戦闘手段になっていたことがわかる。
さあ、次はいよいよ最終巻。ノルマンディ上陸戦や沖縄戦といった戦争末期の戦いに入っていく。

お奨め度★★★



The War at Sea 1 - The Deffensive The War at Sea 2 - The Period of Balance The War at Sea 3-1 -  The Offensive The War at Sea 3-1 -  The Offensive
大西洋、地中海の戦い Struggle For the Middle Sea The Gaeman Fleet At War, 1939-1945 イギリス海軍の護衛空母

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