M4(76mm)シャーマン中戦車1943-1965
スティーヴン・ザロガ/三貴雅智訳 大日本絵画
本書は、76mm砲搭載型シャーマンの開発経緯から戦場での実際の運用までを、コンパクトに整理した一冊である。米軍が75mm砲への過信から火力強化を後回しにし、ノルマンディでパンターに直面して初めてその判断が揺らいだという歴史的経緯は、短いながらも要点が明確に示されている。現地部隊が施した応急的な防御強化策や、戦後の朝鮮戦争・イスラエル軍での運用まで触れられており、76mmシャーマンの「実際の姿」を手早く把握できる点は魅力だ。
写真やイラストも多く、視覚的に理解しやすい構成になっている。ただしページ数は51と少なく、内容の密度よりも「概要をつかむための入門書」という印象が強い。オスプレイのシリーズらしくまとまりは良いものの、ボリュームの割に価格が高めである点は否めず、資料性を重視する読者には物足りなさが残るかもしれない。
総じて、76mmシャーマンの歴史的背景と戦場での実像を短時間で把握したい読者には有用な一冊だが、深い研究や詳細なデータを求める向きにはやや軽量級の内容と言える。
お奨め度★★★





























