もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ: 読書

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歴史群像2024年12月号

学研

2024年12月号:特集-トラック空襲
特集はトラック島空襲。大きな艦隊戦闘がなかったので戦記では軽く扱われることの多い戦いだが太平洋の戦局に多大な影響を与えたこの戦い。本書では作戦の背景から作戦実施、作戦後の状況とその後の分析について、日米両軍の視点からこの戦いを描いたいている。さらに巻末で紹介されている関連書籍紹介も一見の価値ありだった。
第2特集はチャンネルダッシュ。いわゆるドイツ軍大型艦3隻によるドーバー海峡突破作戦である。この戦いの背景となった戦略状況やその評価について、両軍の陸海空の視点から分析している点が興味深い。
さらには厳島の戦いの記事では、長南政義氏による戦国戦史分析で、史の冴えわたる分析力が光る記事であった。
他には勝目純也氏による日本潜水艦艦長の分析記事も面白かった。艦長の年齢やハンモックナンバーと、実際の戦績や被害との分析記事である。潜水艦艦長の余りに多い損害に愕然としつつも、彼らの奮闘が生に伝わってくるようでもあった。
今回も読む所が多かった。

お奨め度★★★★

2024年12月号:特集-トラック空襲 2024年10月号:特集-北部ソロモンの相殺 2024年8月号:特集-中部ソロモンの攻防 2024年6月号:特集-日本海海戦
2024年4月号:特集-戦艦武蔵建造 2024年2月号:特集-中東戦争航空戦 2023年12月号:特集-日本海軍機動部隊の誕生 2023年10月号:特集-ドイツ空軍の東部戦線
2023年8月号:特集-マリアナ沖海戦 2023年6月号:特集-日本海軍駆逐艦全史 2023年4月号:特集-海上護衛戦 2023年2月号:特集-日本巡洋艦

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MC87

Military Classics Vol.87

イカロス出版

-Vol87:特集-ティーガーI
特集はティーガーI型。無印ティーガーだ。「無敵の重戦車」というイメージが強い本車だが、戦術級ゲームをプレイすると意外と弱かったりする。本書ではティーガーI型の技術的特徴や編成、運用、その戦歴を記し、さらにライバルとなった戦車たちと比較していく。その中でティーガー伝説の真相と、ティーガー伝説を支えたのはハードウェアの優越よりも運用や練度といったソフトウェアに依存する部分が多かったとしている。納得できる内容だった。
第2特集はフランス空軍。WW2ではドイツ空軍の前に成すすべもなく敗れ去ったイメージが強いフランス空軍であったが、実際には純粋な航空戦ではフランス空軍はほぼ勝利していた、という本書の指摘は興味深い。真偽のほどはとにかくとしても、これまでのフランス空軍像とは別の視点でフランス空軍を見直してみるのも面白い。
今回も読む所が多く、興味深い内容であった。

お奨め度★★★


-Vol87:特集-ティーガーI -Vol86:特集-メッサーシュミットBf109 -Vol85:特集-空母「蒼龍」「飛龍」「雲龍」 -Vol84:特集-IV号戦車
-Vol83:特集-三式戦闘機・五式戦闘機 -Vol82:特集-丙型・丁型海防艦 -Vol81:特集-ドイツ突撃砲・突撃戦車 -Vol80:特集-フォッケウルフFw190/Ta152
-Vol79:特集-高雄型重巡洋艦 -Vol78:特集-自走榴弾砲フンメル/ヴェスペ -Vol77:特集-艦上爆撃機彗星 -Vol76:特集-金剛型高速戦艦

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240917_空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ

池井戸潤 講談社文庫

空飛ぶタイヤ
面白い。とにかく面白い。テーマは2004年に実際に起こった三菱ふそうによるリコール隠しをテーマとした社会派小説だが、単なる社会派小説の枠を超えて、エンターテインメントとしても一級品だ。逆にストーリーが面白すぎるだけに、現実の話とはある程度線を引いて理解した方が良いかもしれない。なお、評者は会社員時代に品質保証を担当していたので、他人事とは思えない部分があった。
「俺たちの箱根駅伝」に比べるとやや勧善懲悪がハッキリしていて、その分読後感の爽快感では「箱根駅伝」の方が良かったかも・・・。

お奨め度★★★★


空飛ぶタイヤ 俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下) 半沢直樹

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Rise of the Aircraft Carrier

Britannia Museum Trust Press

Rise of the Aircraft Carrier
太平洋戦争における日米の空母同士の戦いについての論文集。英国ダートマスの海軍兵学校でまとめたものである。内容的には日米の空母戦を概括的に記したもので、空母戦の細かい部分よりも太平洋戦争全体の中で空母や空母機動部隊の果たした戦略的な役割を論じたものになっている。データ的にも古い部分もあり、正直な所、目新しい内容は特になかった。

お奨め度★★



Rise of the Aircraft Carrier Pacific Carrier War How Carrier Fought 海空戦南太平洋1942
機動部隊 母艦航空隊 運命の夜明け 勇者の海

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「時間」はなぜ存在するのか

吉田伸夫 SBクリエイティブ

時間はなぜソンz内するのか
時間というのは人間にとっては永遠の謎ともいえる。本書はそんな時間を主なテーマとし、ニュートン力学や一般相対性理論、量子力学などの知見に基づいて時間の何たるかを一般にもわかりやすく説いた著作である。それだけなら単なる一般向け学術書籍となるが、本書の価値はそこに留まらない。本書では時間をテーマとした様々なSF作品やアニメ作品を取り上げて、これらの作品の中における時間の捉え方を科学的な視点で検証している。私はこの本を読んで「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品を読みたくなった。

お奨め度★★★


時間はなぜソンz内するのか スペースシャトルの落日 ガンダムウェポンズ 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島編 Get truth 太陽の牙ダグラム(1)

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