もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 第3次世界大戦

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Air & Armor(以下、本作)は、米国Compass Games社が2024年に発表したSLGで、テーマは1980年代における西ドイツでの地上戦だ。元々は米国West End社が1985年に発売したゲームで、今回の作品はオリジナルから約40年後に発売されたリメイク版になる。

基本システムについては、以下の動画で既に紹介済なので、ご覧頂きたい。



今回プレイしたシナリオは、シナリオ1.Thermopylaeである。このシナリオは、本作では最もシンプルなシナリオである。登場兵力はWP軍が1個師団(東ドイツ第4自動車化狙撃兵師団)、NATO側が1個旅団(米第3歩兵師団第3旅団)である。WP軍はマップ北端から登場してきてMAP南端への突破を目指し、NATO側はその阻止を図る。

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1Turn

前進してくる東ドイツ軍機械化歩兵。それに対して兵力に劣るNATO軍はあまり広く散開せず、WP軍正面に部隊を展開しつつ縦深配備で待ち構える。

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2Turn

WG_AlphajetWP軍第22自動車化狙撃兵連隊がシュヴァインフルトを守る西ドイツ郷土防衛部隊を攻撃する。連隊の全火力を集中した攻撃であったが、郷土防衛部隊はよく耐えて、2ステップを失う損害を受けたが、その場から一歩も下がらなかった。
NATOが偵察によってWP軍砲兵部隊の居場所を突き止めた。ただちに航空機爆撃が要請される。手持ちの航空ポイント3ポイント前部を注ぎ込んで、やってきたのは最弱のAlphajet。がっくり。しかしAlphajet隊はキッチリ仕事をこなし、WP軍の虎の子砲兵部隊を壊滅に追い込んだ。

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3Turn

US_3_3_9_9WP軍2個自動車化狙撃兵連隊が、ブラッドレー2個中隊(2ステップ)が守るハンバッハ(Hambach 2916)を攻撃した。予めNATOによる予備投入を妨げるため電子妨害を行ったが、陣地化されたNATO軍に対して電子妨害は効果がなく、逆にNATO側の対電子戦攻撃を受けて貴重な電子妨害部隊を失ってしまう。
それでもWP軍2個連隊は猛攻撃を加えたが、増援に現れたM1A1エイブラムス2個中隊、155mm榴弾砲、さらにはAH-1コブラの防御射撃を受けて東ドイツ軍第22連隊はほぼ壊滅してしまう。残った第23自動車化狙撃兵連隊が攻撃を行い、なんとかM1A1エイブラムス1個中隊を撃破したが、戦果はそこまで。さらに対砲兵射撃を試みたBM-21ロケット砲が、逆にNATOのMLRSの対砲兵射撃を受けて壊滅。ここにWP軍の砲兵部隊は早くも全滅してしまう。

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4Turn

EG_22_4EG_4_3WP軍は正面からの突破を諦め、機動戦で戦線側面からの突破を狙う。広く散開してきたWP軍に対して、NATO側も散開を余儀なくされ、強力な機甲打撃部隊による反撃が困難になる。NATO軍は砲火力を東独第23自動車化狙撃兵連隊に向けて、砲爆撃によって3ステップの機械化歩兵を撃破した。

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5Turn

US_2-41_3_4_11_1WP軍は突破口を啓開すべく攻撃ヘリを投入してブラッドレー中隊を狙う。しかし攻撃の出目が悪くハインドによる攻撃は失敗に終わった。WP軍はこのTurnは強攻をせずに部隊を再展開する。
しかし何もしないことはWP側にとって状況を悪化させただけであった。偵察によってWP軍戦車部隊の所在を察知した米軍は、砲火力と攻撃ヘリを集中投入して戦車を叩く。砲爆撃によって戦車3個中隊を失ったWP軍は衝撃力を失う。さらにNATO軍は戦車と歩兵戦闘車のHexに陣地を構築し、WP軍による突破はより困難となる。

この時点でWP軍は突破を諦めて投了。この時点で獲得したVPは、NATOが18VP、WPが5VP で、勝利条件的にはNATOの圧勝となった。

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感想

EG_4_4EG_4_4ソロプレイの場合、お互いの兵力がわかるのがこのゲームでは難点になりそうだ。戦闘結果表に変動性が少ない本作の場合、彼我の兵力が判明すると、戦闘結果もほぼ読めるようになる。対人戦では敵の兵力がわからないことが一種のランダマイダーとして機能しそう。

この程度のシナリオなら慣れれば2時間程度で終わらせられそうだ。機動戦の基本を学ぶには丁度良いシナリオだと思う。次はもう少し登場兵力の多いシナリオに挑戦してみたい。

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コマンドマガジン Vol.177『ヴュルツブルク』
幻の東部戦線 JグランドEX世界の戦車全戦力ガイド 機動の理論 M1 Abrams vs T-72 Ural: Operation Desert Storm 1991 (Duel Book 18)

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NATO Division Commanderは、1980年に米国SPI社から出版されたSLGです。テーマは第3次世界大戦における地上戦闘で、しばしば本作は「現代戦の怪物ゲーム」と誤解されがちです。その一方で本作は、その複雑さと深い戦略性から「プレイするより研究されることが多い」と評されています。

このゲームは、シナリオ形式で難易度を段階的に上げながら、プレイヤーにNATOとソ連の師団/旅団レベルの作戦を学ばせるデザイン手法を特徴としています。一番簡単なシナリオは比較的簡単で、初心者にもおすすめです。戦闘が移動の一部として扱われる独自のシステムは、戦術や指揮の重要性を際立たせています。

また、ダブルブラインド形式の「戦場の霧」を再現するコントローラーシステムを採用し、ソロプレイや対面プレイのルールも用意。膨大なカウンターや補助ツールを含む本作は、第三次世界大戦シミュレーションの「一大饗宴」として、今なお輝きを放つ作品です。

今回は。本作のコンポーネント及びゲームシステムを紹介する動画を作成してみました。



NATO Designer Signature Edition The Fulda Gap
機動の理論 The Art of Maneuver: Maneuver Warfare Theory and Airland Battle ソ連・ロシア軍 装甲戦闘車両クロニクル 幻の東部戦線

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「MBT」は、2016年に米国GMT Games社から出版されたボード・シミュレーション・ウォーゲームす。テーマは1987年における東西両陣営による戦車同士の戦闘で、もちろん仮想戦です。1Hexは実際の100m、1Turnは15秒~15分、1ユニットは車両1両、火砲1門、班又は分隊クラスの歩兵部隊を表します。

今回、その中からシナリオ8「Turnabout」をプレイしてみました。このシナリオは、開戦から7日後の西ドイツ東南部における戦いを描いています。このシナリオは米軍が攻撃側、ソ連軍が防御側になっていて、緊要地である高地の支配をかけて戦います。
米軍は当時としては最新鋭のM1IPエイブラムス主力戦車を9両とM2A1ブラッドレー10両からなる機械化歩兵部隊。対するソ連軍は、T-64BV主力戦車4両とBMP-2歩兵戦闘車7両を基幹とし、それに各種支援部隊を加えた陣容です。さらにソ連軍には途中に増援としてT-64BV主力戦車9両とBMP-2歩兵戦闘車3両が登場します。

今回、このシナリオをプレイしてみたので、その内容を動画化してみました。
「MBT」の奥深い魅力をご堪能下さい。



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JグランドEX世界の戦車全戦力ガイド ソ連・ロシア軍 装甲戦闘車両クロニクル M1 Abrams vs T-72 Ural: Operation Desert Storm 1991 (Duel Book 18) Bradley vs BMP: Desert Storm 1991 (Duel Book 75)

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「MBT」は、2016年に米国GMT Games社から出版されたボード・シミュレーション・ウォーゲームす。テーマは1987年における東西両陣営による戦車同士の戦闘で、もちろん仮想戦です。1Hexは実際の100m、1Turnは15秒~15分、1ユニットは車両1両、火砲1門、班又は分隊クラスの歩兵部隊を表します。

今回、その中からシナリオ2「First Clash Pt.2」をプレイしてみました。このシナリオは、開戦初日のチェコ国境での米ソ両軍の戦車部隊同士による遭遇戦闘を描いたもので、米軍はM60A3主力戦車を15両、ソ連はT-72AV主力戦車13両を基幹としています。

今回、このシナリオをプレイしてみたので、その内容を動画化してみました。
「MBT」の奥深い魅力をご堪能下さい。





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Air & Armorは、米国Compass Games社が2024年に発表したSLGです。テーマは1980年代における西ドイツでの地上戦で、いわゆる仮想戦ゲームです。

以前にこのゲームのコンポーネント紹介動画を作成しましたが、今回はルール紹介の動画を作成しました。
この動画によってAir & Armorをプレイする人が一人でも増えてくれたら幸いです。




NATO Designer Signature Edition The Fulda Gap
幻の東部戦線 Duel Book 75-Bradley vs BMP 湾岸戦争大戦車戦(上) 湾岸戦争大戦車戦(下)

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