Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘で、実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。
今回は1989年戦術奇襲シナリオをVASSALでプレイした。うp主はNATO軍を担当する。
前回までの展開は-->こちら
3日目(2Turn前半)
ビスゲー湾の米空母部隊に対してまたもやソ連軍の長距離爆撃隊数十機が飛来してきた。F-14トムキャットの編隊がこれを迎え撃ち、20機以上を撃墜した。生き残ったソ連爆撃機は大量の対艦ミサイルを発射してきたが、米艦隊の対空ミサイルがこれを迎え撃ち、その大半を撃墜・無力化した。しかし数発の対艦ミサイルが防御網を突破し、2隻の米駆逐艦に命中した。
米艦隊はさらに北上して英本土西方海域に到達し、ノルウェーを進撃中のソ連軍地上部隊に対して攻撃隊を発進させた。ここでゲームの話をすると、本作ではノルウェーと南欧に対して爆撃や巡航ミサイル攻撃を行うことでWP軍の進撃を一定期間ストップさせる効果がある。具体的には3Hit与えると1Turn前進がストップし、6Hitなら2Turn、9Hitなら3Turnストップする。このゲームの勝利条件はWP軍による西欧の支配又はその阻止なので、WP軍の進撃をストップさせることは重要である。
WP軍の進撃をストップさせる方法は色々あるが、ノルウェーと南欧地区に対しては上記に示した空爆による阻止が可能。中欧と南欧に対しては補給物資を揚陸することでWP軍の進撃をストップさせることができる。逆に言えば、WP軍が西欧を支配するためには、大西洋を渡ってくるNATOの輸送船団を阻止しなければならない。
閑話休題。空母3隻からなる攻撃隊はノルウェー南部地区に対して乾坤一擲の攻撃を実施したが、今一つダイス目が振るわずにヒット数は3Hitにとどまった。何とか1Turn進撃を停められる打撃になる。
[US_SSN_Sturgeon]アメリカ東岸沖では、米対潜部隊が米本土東岸沖で行動中のソ連SSBN(弾道ミサイル原潜)を追いかけていた。これまではスパイ活動や米側のミスによって1隻のSSBNも撃沈できなかったが、カウンターインテリジェンスによってスパイ活動を抑え込むことでついにSSBNを追い詰めた。バミューダ東方海域で米スタージョン級の攻撃型原潜がソ連ヤンキー級SSBNのグループを捕捉し、3隻のヤンキー級SSBNを撃沈した。
4日目(2Turn後半)
米空母部隊はなおもノルウェー南部に航空攻撃を行う。今度は攻撃が成功し6Hitの追加打撃を得た。さらに潜水艦から発射された巡航ミサイルも命中し、さらに1Hitを追加した。[FR_CV_Fosh]大西洋を東へ進むNATOの増援船団に対してソ連軍の長距離爆撃機編隊が襲いかかった。フランス空母「フォッシュ」を発進したF-8クルセイダー戦闘機がこれを迎え撃ったが、1960年代の戦闘機で超音速爆撃機を阻止する力はなかった。船団を守る護衛艦艇の対空ミサイルが頼みの綱であり、ソ連機の発射した対艦ミサイルの大半を撃墜したが、防空網をすり抜けた数発のミサイルが護衛艦隊に命中し、2隻を撃破した。
感想
今回は時間の関係でここで一旦終了とした。またルールミスがいくつか見つかったので仕切り直しをしたいという気持ちがあったこともある。今回の対戦で判明したことは、1989年シナリオではソ連の潜水艦だけではなくソ連長距離爆撃機の存在も大きな脅威になることである。長距離爆撃機の脅威から艦隊を守るためには、空母戦力を結集して空からの攻撃に備えるしかない。しかし一方で空母が集結してしまうと、大西洋に散在する味方輸送船団全てに防空の傘を提供できなくなる。
今回のプレイでは、ソ連爆撃機が船団を無視して米空母に拘ってくれたため、船団に被害が及ぶことはなかった。しかし次回のプレイでは当然船団を攻撃してくるだろうし、場合によってはNATOの対艦ミサイルテクノロジーをスパイ活動で盗んできて、対艦ミサイルの威力を高めてくる可能性もある。
対抗手段としてはイージス艦による防空火力強化が考えられる。イージス艦は強力な対空火力を持っているが、如何せん対空火力を持続的に発揮できない欠点がある(すぐに弾切れを起こす)。そこで想定されるソ連長距離爆撃機による攻撃を1度だけ耐えることを目標とする。一旦ミサイル攻撃を凌いだら、空母の傘の下に入ってジブラルタルに近づいていく。一番怖いのはビスゲー湾で、ここを狙ってソ連の爆撃隊が飛来してきた場合、最大36火力の対艦ミサイルが飛んでくる。それに耐えるためには、イージス艦の対空ミサイルを再装填しておき、対空火力を30火力ぐらいまでは高めておけば、大規模なミサイル攻撃にもある程度耐えられよう。とはいえ、果たしてどこまでうまくいくのか、やってみなければわからないが・・・。


1989年シナリオはNATO側には改良型ロス級原潜やイージス艦等が登場してくる。しかし一方でソ連側にも静粛化した新型原潜や米空母を撃破可能なType65重魚雷、さらに新空母「クズネツォフ」や強化された長距離爆撃隊等が登場する。個人的にはNATO側にとって一番厳しいシナリオではないかと思っている。
プレイの前に軽くソロプレイした所、ソ連原潜、特に重魚雷を搭載しているソ連攻撃型原潜が米空母にとって最大の強敵だとわかった。中でも一番怖いのが、戦術値+2のアクラ型原潜だ。こいつらに米空母艦隊が狙われると、米空母でもかなりの確率(最大25%)で撃破されてしまう。次に怖いのが戦術値+1の改良型ヴィクター型だ。こいつらはアクラ型ほどではないにしても、最大16%で米空母に打撃を与えてくる。
ソ連側のセットアップを見ると、恐ろしいアクラ型原潜は本国に控置し、大西洋にはヴィクター3型が2ユニット、オスカー型ミサイル原潜が1ユニットしかないので、取りあえず一安心。この戦力なら米空母が潜水艦に撃破される可能性はそれほど高くないはずだ・・・、と、思っていたのだが・・・

こちらは手札にOrions Harpoons(オライオンのハープーン)を持っていて、これを上手く使えばエコー級が浮上して巡航ミサイルを発射しようとした瞬間に仕留めることが可能なのだが、カードを使うまでに敵潜水艦が全ミサイルを撃ち尽くしたので、このカードを使うチャンスがなかったのがちょっと悔しい。
英本土の航空基地が潰され、北海から大西洋に抜ける突破ルートが開かれてしまった。その間隙をついてベア長距離爆撃機の2個連隊が米空母を求めて西進していく。アゾレス諸島の北西海域で米空母2隻(「エンタープライズ」「アメリカ」)を中心とする空母機動部隊を発見したベアの編隊は、F-14トムキャットの迎撃をかいくぐって対艦ミサイルを発射した。

しかし安心したのも束の間。いつの間に忍び寄ったのか、ソ連のヴィクター3型攻撃型原潜が、米艦隊の防御スクリーンを突破し、米空母の至近距離に忍び込んだ。ヴィクター級の発射した65式重魚雷のうち2~3本が空母「エンタープライズ」に命中した。「エンタープライズ」は沈没こそしなかったものの艦内は大被害を被り、艦載機の運用能力が著しく減退した。さらに艦内で燃料補給中だったF-14戦闘機数機も艦内の誘爆に巻き込まれて失われてしまう。

しかしソ連側も執拗に米艦隊を襲う。今度は空中給油によって航続距離を延伸したTu-22Mバックファイア4個連隊が米空母部隊を襲う。100機近くに及ぶ高速爆撃機に対して、米空母からもF-14トムキャットが全力出撃してこれを迎え撃つ。約20機のバックファイアがF-14の迎撃で撃墜されたが、生き残った機体や撃墜された機体の一部も対艦ミサイルを発射した。

ノルウェー海で行動中の英海軍「イラストリアス」機動部隊に対し、ソ連軍のTu-95ベア偵察型が接近し、その位置を艦隊司令部に報告した。ただちにコラ半島の基地からTu-22Mバックファイア2個連隊、Tu-95ベア2個連隊が接近し、100発以上の対艦ミサイルを発射した。1982年のフォークランド紛争では無類の強さを発揮したシーハリアー戦闘機も、同紛争の教訓で強化された英艦隊の対艦ミサイル防御網も、100発を超える空対艦ミサイルの攻撃を防ぐことはできなかった。










ソ連の偵察部隊が米軍の砲兵陣地を発見した。直ちにMiG-27の1個中隊が攻撃の為に飛来したが、激しい対空砲火によってソ連側攻撃編隊は撃退されてしまう。

ソ連軍戦線右翼を担当するソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団は、米第2,3旅団に対してさらなる突撃を敢行するも、例によって米軍の激しい防御砲撃を受けてその攻撃を阻止されてしまう。彼らの任務は米軍砲兵部隊の砲火を引き付けるのが任務だったが、そのために大損害を被り、第57師団はその攻撃力をほぼ失った。

先手を取ったNATO側は、米第1旅団が活性化し、M1エイブラムス2個大隊(6ステップ)でソ連第79親衛戦車師団所属のT-80戦車連隊を攻撃する。ソ連側の先制射撃によってM1エイブラムス2ステップを失ったが、M1側の反撃によってT-80戦車5ステップが撃破され、1個戦車連隊が事実上壊滅した。

一方、西側の戦線では、ソ連第57親衛自動車化師団が偵察によって米第2旅団の司令部を探知した。BM-27重ロケット砲の集中砲撃で米第2旅団司令部が壊滅。第2旅団は一時的に麻痺状態となった。

サドンデス勝利条件は、ソ連側はマップの南端からの突破、米軍はソ連軍をマップの北半分に押しとどめること。現時点では両方とも達成できそうにない。
米軍の狙いは、ソ連第79親衛戦車師団のいずれかの連隊を崩壊状態にして勝ち逃げするパターンである。しかし何たることか。偵察に全て失敗。事前砲撃で弱らせた後、戦車部隊を突進させる計画はこの時点で破綻してしまった。夜戦能力の高い米戦車であったが、さすがに無傷のソ連軍連隊に対して1個大隊程度の兵力で攻撃をするのは無謀である。電子戦に期待する手もあったが、失敗した時のダメージが大きいので諦めた。


このシナリオ、個人的にはかなり米軍側に肩入れしてプレイしてみたが、結果は引き分けであった。もしソ連第79親衛戦車師団の到着がもう少し早く、さらに第900空中突撃大隊を厭らしく投入してれば、米軍はもっと難儀しただろう。そういった意味でこのシナリオはソ連側がかなり有利なシナリオではないかと思う。
米軍側としては、とにかくソ連軍をマップ北半分に押しとどめること。部隊の温存よりも土地の確保を重視すべきということか。あと航空兵力をもっと積極的に利用すべきであった。これはソ連側も同じだが、航空戦力をかなり余らせた状態でゲームを終えてしまった。夜間に航空兵力を使えることを途中まで失念していたのも痛かった。第4Turnぐらいから航空兵力の積極利用を考えるべきであった。






ソ連第39親衛自動車化狙撃兵師団がホーフハイム(Hofheim 2004)の周辺で準備攻撃を開始する。米軍の最右翼を守る機械化歩兵中隊を砲撃で撃破。米軍の側面を突破した。しかし米軍は偵察と対砲兵射撃によって155mm砲兵大隊の半数と第39師団のBM-21ロケット砲大隊を撃破した。


兵力の個別投入の愚を悟ったソ連軍は、2個師団による同時攻撃を企図して大規模な攻撃を行わない。戦線東翼の第39親衛自動車化狙撃兵師団は米軍が後退したホーフハイムを無血占領した。しかし米軍の偵察によって位置を察知された第15親衛戦車連隊が米砲兵隊の集中射撃を受けて戦力の1/3を失うという大損害を被ってしまう。

西側を進む第57親衛自動車狙撃兵師団は航空支援を要請し、米第2旅団の機械化歩兵部隊を攻撃する。Su-17戦闘爆撃機の編隊が飛来し、米機械化歩兵1個中隊が壊滅した。米軍も反撃を試みるが、ここでは偵察に失敗した。仕方がないので、先ほど大損害を被っていたソ連第174連隊を砲撃によって壊滅させた。

全戦線に渡ってソ連軍が総攻撃を開始した。東側の第39親衛自動車化狙撃兵師団は広範な偵察を実施した後、米第1旅団の中心部に位置する機械化歩兵中隊を発見した。Mi-24ハインドの1個旅団が飛来し、激しい対空砲火を冒して攻撃を敢行。損害を被りながらも米機械化歩兵に損害を与える。そこにソ連第39師団の3個連隊が集中攻撃を浴びせる。米軍の防御砲火は1個自動車化狙撃兵連隊を撃破し、別の連隊のも損害を与えたが、やはり衆寡敵せず。米軍の機械化歩兵大隊も撃破されて戦線に突破口が形成される。

ソ連第39師団の予備兵力である戦車大隊が友軍を超越して後方の米第1旅団司令部を急襲する。司令部を撃破されると厄介なことになるので、米軍は予備として控置していたM110 203mm砲の1個大隊で猛烈な砲撃を浴びせた。これによりなんとかソ連軍の攻撃を撃退することに成功したものの、予備の砲兵火力を使い果たしてしまう。
戦線中央部から西側にかけた戦区では、総攻撃を準備しているソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団の裏をかき、米第2旅団が最前線の陣地を放棄して後方に下がっていく。これにより米軍部隊は大きな損害を受けることなく後退することに成功。ソ連軍は労せずして前線を押し上げる。

ソ連軍が米軍の第1線を突破したので、ソ連側の突破予備である第79親衛戦車師団が登場してきた。彼らが突破できるか否かがシナリオの勝敗を左右する。

戦線東側ではソ連第39親衛自動車化狙撃兵師団が攻撃を継続している。こちらは米軍の砲兵火力があまり投入されなかったので、戦車vs戦車の激しい戦闘が繰り広げられた。しかし性能に勝る米戦車が優位に戦いを進め。同師団の2個連隊が攻勢能力を失ってしまう。さらに米軍のロケット砲部隊がソ連第39師団の前線司令部を捕捉し、ロケット砲の集中射撃を浴びせた。司令部は大損害を被り、一時的に戦闘能力を失う。

ソ連軍はさらに切り札を投入する。第900空中突撃大隊だ。輸送ヘリによって空中機動する部隊で、戦線後方のシュヴァインフルト付近へ降下し、ただちにシュヴァインフルトに向けて前進した。同市には米軍の司令部と砲兵部隊が集まっている。米軍はただちに彼らを守るべく第3旅団から予備兵力を抽出する。
