「Firefight」は、1970年代末の米ソ戦術戦闘を題材とした現代戦の戦術級シミュレーションゲームである。デザインはウォーゲーム界の重鎮ジェームズ・ダニガン。
本作は単なる娯楽用ゲームという枠を超え、米陸軍が一部資金提供を行い、訓練教材としての役割も担っていたという特異な背景を持つ。目的は、現代兵器が持つ長射程と高い殺傷力が、戦場における戦術や技術にどのような影響を及ぼすかを、視覚的かつ実践的に理解させることであった。
ゲームでは、プレイヤーは火力チームや個別の装甲車両を指揮し、1ターン40秒で戦闘を展開する。マップ上の1ヘクスは50メートルを表しており、プレイヤーはリアルなスケールで高機動・高火力の現代戦闘を体験することになる。兵器の性能や地形の特性、部隊の配置と連携など、あらゆる要素が戦術判断に直結するため、綿密な計画と即応的な対応が求められる。
ゲームに含まれるコンポーネントは、1/2インチサイズのダイカット済みカウンターが400個、4色刷りの大型マップが2枚(それぞれ22インチ×34インチ)付属している。ルールブックは英文20ページ。SPIの他の現代戦ゲーム(例えば「Mech War」等)に比べるとルールは比較的シンプルである。さらに英文20ページのブリーフィングブックが用意されており、詳細なデータと運用例が掲載されている。ルールは中程度の複雑さであり、戦術級ゲームとしては理解しやすく、また1人からでもプレイ可能であることから、ソロプレイにも適している。プレイ時間はシナリオによって異なるが、おおむね2~6時間を想定している。
ゲームの手順は、直接射撃、移動、間接射撃を両軍が半同時処理的に解決する。射撃や移動はお互い1ユニットずつ交互に実施する。射撃システムは、ユニットの種類と目標種別、距離に応じた火力を求め、火力とダイス目によって戦闘結果を求めるという形になっている。ゲームスケールは車両1両、火砲1門単位ながら、命中判定・撃破判定の区別もなく、戦車の向き(フェージング)に関するルールもない。射撃解決自体は極めてシンプルになっている。戦車別の装甲防御力もなく(そもそも登場する戦車がM60系列とT-62だけなので、装甲防御力の違いは火力に反映されている)、戦車の移動力も違いはない。なお登場するAFVも米軍はM60系列とM113、ソ連軍はT-62とBMPだけだ。
ちなみに選択ルールを使えば、XM1や将来IFV、ソ連側にも未来型MBT(T-64やT-80)を登場させることもできる
歩兵が入った場合でも戦闘解決方法は戦車同士の場合と基本的には同じで、火力や戦闘結果表が変わるのみである。間接射撃だけは少し異なっていて、事前の射撃計画と着弾観測が必要になる。
シナリオ1
まずはシナリオ1に挑戦する。このシナリオは、中隊規模の米軍戦車部隊(M60A2 17両)と小隊規模のソ連戦車部隊(T-62 4両)の戦いを扱っている。兵力に勝る米軍が攻撃側、ソ連軍が防御側になる。
最初にプレイした時には、町に籠って待ち伏せを図ったソ連軍であったが、米戦車の数両を撃破した後で米戦車の集中攻撃を受けてソ連戦車部隊は文字通り壊滅してしまった。
上記の教訓を受けてソ連軍は配置を見直した。地形効果が高いのは市街地よりも遮蔽地形なので、遮蔽地形背後にT-62戦車を配置し、待ち伏せで米戦車隊の撃破を狙う。米軍はTurn数制限の関係上、ソ連戦車が待ち構える道路上を進むしかない。
第3Turn、距離15ex(750m)に近づいてきた米戦車に対して、T-62が一斉に砲火を開いた。できれば4両撃破を狙いたいソ連軍だったが、出目が振るわず2両撃破に留まる。対して米軍は約10両の戦車が行進間射撃を行い、1両のT-62を撃破する。
ソ連戦車が姿を現したので米軍戦車は停止射撃を行う。距離は700~1000mで両軍が撃ち合う。遮蔽物に隠れているソ連戦車が戦術的にはやや有利だが、なんせ数が違う。まともに撃ち合ったら数に劣るソ連側には勝ち目がない。ソ連戦車がさらに米戦車2両を撃破したものの、残った米戦車の集中砲火を浴びてソ連戦車は全滅。結局両軍は4両ずつを失い、勝利条件的には米軍の勝利に終わった。
感想:このシナリオ、ソ連側に勝ち目があるのかなぁ・・・?
シナリオ2
次のシナリオは、立場を変えてソ連が攻撃側、米軍が防御側になる。ソ連軍の兵力はT-62 1個中隊(13両)、米軍は機械化歩兵小隊である。米軍の兵力はM113兵員輸送車が4両、歩兵チーム6個、M150対戦車車両2両だが、M113は対戦車火力を持たないので、使えるのは歩兵とM150のみ。
ソ連軍は道路沿いに攻めあがってくる。しかし遮蔽物に隠れていたM150対戦車車両が、距離2200m(44Hex)からTOWミサイルを発射し、T-62戦車2両が早くも撃破される。T-62も反撃するが、距離が遠く、しかも遮蔽物に隠れているM150になかなか命中弾を与えられない。
結局第7Turnにようやく2両のM150を撃破することに成功したソ連軍であったが、その間に5両のT-62戦車を失ってしまった。
ようやく進撃を再開したソ連軍は、目標となるヴェルスバッハ市街地から1000mの距離に近づいた所で、町の中から3発のドラゴンミサイルが飛来。T-62戦車2両に命中し、撃破されてしまう。これで残ったT-62戦車は6両となる。
残ったT-62戦車はヴェルスバッハ市街地から450mの距離まで近づき、そこから米歩兵に集中砲火を浴びせる。この距離ならLAWの射程距離外だからT-62が撃破される心配はない(ドラゴンミサイルはさっきの射撃で撃ち尽くしている)。もっと近づいた方が良さそうにも思えるが、T-62の対歩兵火力はこれ以上近づいても大きくならない。
結局最終TurnまでT-62は撃ち続けたものの、米歩兵を1個排除できただけで、時間切れで米軍が勝利した。
感想:戦い方が拙いのかもしれないが、このゲーム、シナリオのバランスが悪いように思う。
感想
SPIらしい「渋い」ゲームである。現代戦ゲームファンが喜びそうな「戦車対戦車の激しい撃ち合い」はあえてアッサリ処理し、ルール全体を軽くして玄人好みしそうな作品としている。ただ惜しむらくは各シナリオのバランス調整が今一つで、シナリオをプレイしてもあまり競技性が高くないこと。元々軍隊での訓練用の作品なのでシナリオの面白さはあまり重視していないように思えるが、もう少し何とかならなかったのか、という気もする。
今は亡きSPIらしさを感じる作品だ。
























ビスゲー湾の米空母部隊に対してまたもやソ連軍の長距離爆撃隊数十機が飛来してきた。F-14トムキャットの編隊がこれを迎え撃ち、20機以上を撃墜した。生き残ったソ連爆撃機は大量の対艦ミサイルを発射してきたが、米艦隊の対空ミサイルがこれを迎え撃ち、その大半を撃墜・無力化した。しかし数発の対艦ミサイルが防御網を突破し、2隻の米駆逐艦に命中した。
米艦隊はさらに北上して英本土西方海域に到達し、ノルウェーを進撃中のソ連軍地上部隊に対して攻撃隊を発進させた。ここでゲームの話をすると、本作ではノルウェーと南欧に対して爆撃や巡航ミサイル攻撃を行うことでWP軍の進撃を一定期間ストップさせる効果がある。具体的には3Hit与えると1Turn前進がストップし、6Hitなら2Turn、9Hitなら3Turnストップする。このゲームの勝利条件はWP軍による西欧の支配又はその阻止なので、WP軍の進撃をストップさせることは重要である。









1989年シナリオはNATO側には改良型ロス級原潜やイージス艦等が登場してくる。しかし一方でソ連側にも静粛化した新型原潜や米空母を撃破可能なType65重魚雷、さらに新空母「クズネツォフ」や強化された長距離爆撃隊等が登場する。個人的にはNATO側にとって一番厳しいシナリオではないかと思っている。
プレイの前に軽くソロプレイした所、ソ連原潜、特に重魚雷を搭載しているソ連攻撃型原潜が米空母にとって最大の強敵だとわかった。中でも一番怖いのが、戦術値+2のアクラ型原潜だ。こいつらに米空母艦隊が狙われると、米空母でもかなりの確率(最大25%)で撃破されてしまう。次に怖いのが戦術値+1の改良型ヴィクター型だ。こいつらはアクラ型ほどではないにしても、最大16%で米空母に打撃を与えてくる。
ソ連側のセットアップを見ると、恐ろしいアクラ型原潜は本国に控置し、大西洋にはヴィクター3型が2ユニット、オスカー型ミサイル原潜が1ユニットしかないので、取りあえず一安心。この戦力なら米空母が潜水艦に撃破される可能性はそれほど高くないはずだ・・・、と、思っていたのだが・・・

こちらは手札にOrions Harpoons(オライオンのハープーン)を持っていて、これを上手く使えばエコー級が浮上して巡航ミサイルを発射しようとした瞬間に仕留めることが可能なのだが、カードを使うまでに敵潜水艦が全ミサイルを撃ち尽くしたので、このカードを使うチャンスがなかったのがちょっと悔しい。
英本土の航空基地が潰され、北海から大西洋に抜ける突破ルートが開かれてしまった。その間隙をついてベア長距離爆撃機の2個連隊が米空母を求めて西進していく。アゾレス諸島の北西海域で米空母2隻(「エンタープライズ」「アメリカ」)を中心とする空母機動部隊を発見したベアの編隊は、F-14トムキャットの迎撃をかいくぐって対艦ミサイルを発射した。

しかし安心したのも束の間。いつの間に忍び寄ったのか、ソ連のヴィクター3型攻撃型原潜が、米艦隊の防御スクリーンを突破し、米空母の至近距離に忍び込んだ。ヴィクター級の発射した65式重魚雷のうち2~3本が空母「エンタープライズ」に命中した。「エンタープライズ」は沈没こそしなかったものの艦内は大被害を被り、艦載機の運用能力が著しく減退した。さらに艦内で燃料補給中だったF-14戦闘機数機も艦内の誘爆に巻き込まれて失われてしまう。

しかしソ連側も執拗に米艦隊を襲う。今度は空中給油によって航続距離を延伸したTu-22Mバックファイア4個連隊が米空母部隊を襲う。100機近くに及ぶ高速爆撃機に対して、米空母からもF-14トムキャットが全力出撃してこれを迎え撃つ。約20機のバックファイアがF-14の迎撃で撃墜されたが、生き残った機体や撃墜された機体の一部も対艦ミサイルを発射した。

ノルウェー海で行動中の英海軍「イラストリアス」機動部隊に対し、ソ連軍のTu-95ベア偵察型が接近し、その位置を艦隊司令部に報告した。ただちにコラ半島の基地からTu-22Mバックファイア2個連隊、Tu-95ベア2個連隊が接近し、100発以上の対艦ミサイルを発射した。1982年のフォークランド紛争では無類の強さを発揮したシーハリアー戦闘機も、同紛争の教訓で強化された英艦隊の対艦ミサイル防御網も、100発を超える空対艦ミサイルの攻撃を防ぐことはできなかった。


