もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > Fleetシリーズ

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第3次世界大戦が始まって4ヶ月が過ぎていた。10日前、ソ連赤衛北洋艦隊は米第2艦隊の空母機動部隊を痛打し、空母1、戦艦1、巡洋艦2、駆逐艦5を撃沈していた。生き残った米艦隊は西方に撤退。北大西洋には英国及びオランダ海軍を中核とするNATO水上部隊が残されるのみであった。彼らは北大西洋に残るNATO軍輸送船団を護衛し、彼らをアントワープやトロントヘイムへ送り届けるという重大な任務が残されていた。
一方、米艦隊を撃破して勢いに乗るソ連赤衛北洋艦隊は、追撃を続行。NATO艦隊に痛打を与えるべくさらに南下を続ける。NATO水上部隊とソ連艦隊との戦い第2ラウンドが始まろうとしていた。

ここまでのあらすじ-->こちら

3Turn(1日目夜)

空母「スベルドロフスク」からMiG-29B戦闘攻撃機が発進。トロントヘイム南方でNATO輸送船団を捕捉した。MiG-29Bが発射したSSM攻撃で西ドイツ新鋭フリゲート艦「ブレーメン」(F207 Bremen)を撃沈した。

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これに対して英空軍がソ連空母艦隊を空から襲う。トーネードF3の護衛がついたニムロッド哨戒機によるミサイル攻撃であった。これをSu-27B、Yak-36等からなる空母防空戦闘機隊が迎え撃つ。英空軍機は航続距離を延ばすために高高度進攻を行ったことで脆弱となり、さらに電子戦機を持たなかったことが致命傷となった。空中戦はソ連側の一方的な勝利に終わり、トーネードF3が2ステップロスの損害を被って全滅した。

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英本土近海では、我が潜水艦隊が遂にNATOの輸送船団を捕捉した。2隻のソ連潜水艦が攻撃を行い、ヴィクター3型原潜「Admiral A.E Yakimchik」が英新鋭Type22型(Batch2)フリゲート艦「コヴェントリー」(HMS Coventry F98)を撃沈した。

余談だが、本艦はフォークランド沖で沈んだType42型駆逐艦「コヴェントリー」から艦名を引き継いだ艦で、2代続いて撃沈された不幸な(あるいは栄光ある)艦名となった。余談ついでに書くと1916年就役の4代目「コヴェントリー」は、1942年にドイツ空軍Ju-87急降下爆撃機の攻撃により撃沈されている。

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4Turn(2日目朝)

シナリオ2日目の突入した。ランダムイベントでNATO側に指揮混乱が発生した。北海、大西洋南、アイルランドが指揮混乱の影響を被り、CAP以外の航空作戦実施が不可能になった。ソ連側にとってはラッキー、NATO側にとっては不幸であった。

指揮混乱の影響もあって、北海で行動中のNATO艦隊は悉くソ連側の発見する所となった。その中にはノルウェーを目指すNATO増援輸送部隊やそれを援護する2隻の英海軍軽空母「インヴィンシブル」「イラストリアス」の姿もあった。
しかしNATOも負けてはいない。バルト海方面では、カデカット海峡を通過してノルウェー南部に向かうソ連軍輸送船団がNATO偵察機に発見されてしまう。どうするソ連軍。

そしてそのソ連輸送船団は、またもや西ドイツ海軍ミニ潜水艦の攻撃を受け、ソ連ミサイル巡洋艦「ケルチ」が大破してしまう。この西ドイツミニ潜水艦は、バルト海全域では攻撃力6であるが、カデカット海峡に入ると攻撃力18、スカゲラク海峡に入ると攻撃力24にまで上昇する。しかもASWによる反撃なしだ。余りに凶悪である。

と思ってルールを読み返してみると、間違い発見。ASW攻撃を受けないというのは、水上艦が架空の潜水艦に対して先手を打ってASW攻撃をできないという意味であり、雷撃に対するASW防御は実施可能のようであった。そりゃそうだろうな、と、少し胸をなでおろす。

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ソ連軍は航空兵力で反撃する。Tu-95MS「ベアH」。Tu-95シリーズは1952年に初飛行した長距離爆撃機で、当初は米本土に対する戦略爆撃機として就役した。1990年代では旧式化していたが、それでも対艦ミサイル搭載型や偵察型、対潜哨戒型等多数が未だ現役で活躍していた。
Tu-95MSベアHは、巡航ミサイル母機に改造されたタイプである。当時としては新型のKh-55(NATOコードネームAS-15"Kent";)巡航ミサイルを16発以上搭載し、8000海里以上の航続距離を誇るベアHは、この当時においても極めて有力な対地攻撃機であった。
そのベアHが巡航ミサイルを抱いてムルマンスクを出撃したのはその日の未明のことであった。ノルウェー沖を一路南下したベアの編隊は、英本土の手前で次々と巡航ミサイルを発射、英空軍ファントム戦闘機の要撃圏外で次々と反転離脱していった。攻撃目標となったのは、英本土北部スコットランドにある空軍基地ロジーマス(Lossiemouth 2607)。数十発の巡航ミサイルを受けたロジーマス基地は機能を停止した。同基地に配備されていたバッカニア飛行隊2個は英空軍の沿岸防衛戦力の要であったが、彼らの出撃のチャンスが失われてしまう。

レニングラード方面から発進したTu-16C/Gバジャー中距離爆撃機は、対艦ミサイルを搭載して出撃。ノルウェー近海で西ドイツ海軍を中核とする輸送船団を襲った。一連の攻撃で西ドイツフリゲート艦「ケルン」が沈没、駆逐艦「ロンメル」、フリゲート艦「カールスルーエ」が中破した。

英本土北方では事前備蓄船団を護衛中を英艦隊を2隻のソ連潜水艦が攻撃する。ヴィクター2型原潜「Col. Gen. Mironenko」の攻撃で英Type22(Batch1)型フリゲート艦「ブリリアント」(HMS Brilliant F90)を撃沈。ヴィクター3型原潜「Admiral Kapitanents」が米事前備蓄船団(MP)1ユニットを撃沈した。

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5Turn(2日目昼)

先のTURN、損害を与えたスコットランドの英空軍基地ロジーマスに対してソ連軍長距離爆撃機隊が攻撃を継続する。付近海域に進出してきた英空母「イラストリアス」(HMS Illustrious R06)から発進したシーハリアーがCAP網を展開していたが、ソ連長距離爆撃機は空母「スベルドロフスク」を発進したSU-27Bフランカーの護衛を得て強引に防空網を突破。ロジーマス基地にさらなる打撃を与えた。

北海ではNATO水上部隊とソ連潜水艦の激しい戦いが続いている。NATO水上部隊の反撃でヴィクター2型原潜「Col. Gen. Mironenko」、キロ級通常潜水艦「Voron」を損傷させていた。しかしソ連潜水艦部隊も全力で反撃。損傷した「Col. Gen. Mironenko」とヴィクター3型原潜「Admiral Kapitanents」が英空母「イラストリアス」を撃沈するという大殊勲を達成した。

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再編成を終え、陣容を整えたソ連水上打撃部隊(空母「スベルドロフスク」、軽空母「キエフ」、打撃巡洋艦「キーロフ」「スラヴァ」「セヴァストポル」、新鋭駆逐艦7隻)が英艦隊をその射程距離内に捉えた。「キエフ」「キーロフ」「スラヴァ」「セヴァストポル」の4艦が乾坤一擲の対艦ミサイル攻撃(135攻撃力)を実施した。
しかし期待した攻撃は思いの外小さな戦果に終わり、英Type23型フリゲート艦「ランカスター」(HMS Lancaster F229)を大破せしめ、掃海艇1ユニットを撃沈したに留まった。

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6Turn(2日目夜)

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再びソ連艦隊が動き出した。先の4隻に加え、今度は空母「スベルドロフスク」も加わって長距離ミサイルを放った。その攻撃力実に151火力に達した。この一撃で英Type23型フリゲート艦「マールボロ」(HMS Marborough F223)撃沈。英空母「インヴィンシブル」(HMS Invincible (R05)もミサイルを受けて大破してしまう。
「インヴィンシブル」はその後ソ連長距離爆撃機の攻撃を受けて撃沈されてしまう。英海軍の誇る軽空母は、2隻沈没という大損害を被った。

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結果

この時点で時間もそろそろ、ということでお開きとなった。現時点でのVPを比較した結果が下記の通りである。

ソ連軍

INT/ATKユニット撃破 7ユニット(21VP) -- 2SHAR,2BUC,1TorF,1F16,1PHN
水上戦闘艦撃沈 11ユニット(35VP) -- 2CVH,5DD/FF,2PC
非輸送艦撃沈 2ユニット( 4VP) -- 1MP,1MS
基地破壊 2個所 (40VP)
 合計 80VP

NATO軍

原潜撃沈 1ユニット( 5VP) -- 1SN
水上戦闘艦撃沈 1ユニット( 3VP) -- 1CO
輸送船撃沈 1ユニット( 2VP) -- 1SC
目標到達 5ユニット( 7VP)
 合計 17VP

勝敗

WP軍辛勝


感想

VP的にはギリギリで勝ったが、ゲーム途中だし、NATO側はまだまだ船団到着によるVPが期待できるので、実質的には引き分けに近い状態だろう。ルール間違いもあったし、ベストなプレイとは言い難いプレイだったけど、個人的は大満足。バルチック艦隊の大損害はとにかく、北方艦隊は全くの無傷で英空母2隻撃沈。その他にも大きな損害を与えたし、英空軍の基地を完全破壊したのも大満足であった。

次回はちゃんとしたルールで、ちゃんとした戦略を立てて再戦したい。


Blue Water Navy Game Journal 81-米中激突:現代海戦台湾海峡編
提督が解説する海上自衛隊艦隊と軍艦のすべて 2024年 09 月号 [雑誌]: 軍事研究 別冊 海上自衛隊「空母」 いずも&かがマニアックス 海上自衛隊 護衛艦メカニズム図鑑 イカロスMOOK アメリカの航空母艦資料写真集

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第3次世界大戦が始まって4ヶ月が過ぎていた。10日前、ソ連赤衛北洋艦隊は米第2艦隊の空母機動部隊を痛打し、空母1、戦艦1、巡洋艦2、駆逐艦5を撃沈していた。生き残った米艦隊は西方に撤退。北大西洋には英国及びオランダ海軍を中核とするNATO水上部隊が残されるのみであった。彼らは北大西洋に残るNATO軍輸送船団を護衛し、彼らをアントワープやトロントヘイムへ送り届けるという重大な任務が残されていた。
一方、米艦隊を撃破して勢いに乗るソ連赤衛北洋艦隊は、追撃を続行。NATO艦隊に痛打を与えるべくさらに南下を続ける。NATO水上部隊とソ連艦隊との戦い第2ラウンドが始まろうとしていた。

てな訳で、先週のソフィア会でプレイしたThird Fleet(VG)のAARです。よろしく。


初期配置

今回の参加者は計4名。ソ連、NATOでプレイヤーを2x2に分けた。下名はソ連軍を担当。潜水艦と基地航空隊をもう一人のソ連軍プレイヤー、K岩さんに委ね、下名は水上部隊を指揮する。我が水上部隊は北方艦隊とバルト海艦隊に分かれ、言うまでもなく前者が主力である。

北方艦隊の戦力は、新鋭CTOL空母「スベルドロフスク」(トビリシ級)、軽空母「キエフ」、打撃巡洋艦「キーロフ」「スラヴァ」「セヴァストポル」、新鋭駆逐艦7隻(ソブレメンヌイ級、ウダロイ級)、フリゲート艦3隻、その他という錚々たる陣容である。
一方バルト海艦隊の方は、やや旧式のミサイル巡洋艦2隻の他、グリシア型やペチャ型、一部新鋭のパルヒム型等を含めたコルベット艦隊が5個、ミサイルボートが4隊、掃海艇が6隊という陣容である。いくら基地航空兵力の援護(バルト海沿岸にMiG-29、MiG-21等戦闘機が5隊、Su-20/22等の攻撃機が3隊、Il-28偵察機が1隊存在、その他リガ、レニングラード方面に戦闘爆撃機3隊(MiG-31,Su-24,Su-27各1)、長距離爆撃機2隊(Tu-16C/G)、偵察機、電子支援機各2隊あり)があるといっても、水上部隊の陣容は如何にも心許ない。しかもこの乏しい兵力で8個もの輸送船団を守って南部ノルウェーに上陸しろ、というのだから、正気の沙汰ではない。

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上はトビリシ級(現クズネツォフ級)空母から発艦せんとしているSu-33艦上戦闘機。
下はバルト海警備用に設計、建造されたパルヒム型対潜コルベット

対するNATO軍は、盤面の全兵力ではソ連軍の倍を数え、数的には優勢を占めている。
主力は英艦隊で、軽空母2、駆逐艦4、フリゲート艦17、原潜2、ディーゼル潜1、揚陸艦5を数えた。数の上で主力となるフリゲート艦は、新鋭のType22、Type23型が多数を占め、長距離対空ミサイルこそ持たなかったものの強力な個艦防空火力と優れた対潜対艦能力を持つ有力艦である。原潜、軽空母も侮れず、洋上打撃力として警戒を要する相手である。
他に洋上兵力としてはオランダのフリゲート艦10隻がある。これらは一部を除いていずれも艦齢10年以下の新鋭艦で、中でも最新鋭のドルーマン級はハープーンSSMと近接防空SAM、そして対潜ヘリを備えた有力な艦である。

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英フリゲート艦「マールボロ」(F233)。1991年に就役した(当時)最新鋭のフリゲート艦。Type23に属する本艦は対潜能力と近接対空ミサイル能力に優れた新鋭艦であった。

バルト海方面には、西ドイツ、デンマーク、ノルウェー海軍の艦艇が展開していた。比較的大型艦は西ドイツ海軍の駆逐艦、フリゲート艦を合わせて5隻のみであったが、ミサイル艇部隊が合わせて6隊、掃海艇が4隊と、小粒ながら侮れない戦力を有していた。さらに厄介なのは西ドイツ海軍の小型潜水艦隊で、これはユニット化されていないが、バルト海に多数行動しているUボートを再現した特別ルールがあり、バルト海に出撃したWP軍水上部隊は問答無用の雷撃を食らってしまう。これが非常に厄介だ。

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西ドイツ(現ドイツ)海軍のタイガー級ミサイル艇

さらにNATOの基地航空兵力も厄介である。北ノルウェーに展開するノルウェー空軍のF-16は、ソ連北部から発進する長距離爆撃機の突破路を塞ぐ形で展開し、その後方英本土には要撃型トーネード、攻撃型トーネード、バッカニア、ファントム、ニムロッド等、戦闘攻撃機10ユニット(オランダ含む)、長距離哨戒機7ユニット(アメリカ、フランス、スペイン、オランダ含む)、電子戦機2ユニットの計17ユニットが展開していた。
さらにバルト海方面に目を向けると、こちらは西ドイツとデンマークの航空機がひしめきあっている。西ドイツ軍のトーネード、ファントム、デンマーク空軍のF-16ファルコン等、戦闘攻撃機は10ユニット、哨戒機はアトランティック2ユニットが展開していた。いずれにしても強力である。

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西ドイツ(現ドイツ)軍のトーネード攻撃機

とまあ、こんな感じである。ちなみに実際にプレイする際には上記のような分析を行った後にプレイした訳ではない。3rd Fleet特有のルールすら十分に理解できていなかったのに、ゲームシステムの考察や両軍の兵力配備とそれを踏まえた上での作戦研究等出来る筈もなかった。

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1Turn(1日目朝)

そんなこんなでとにかくゲーム開始である。まずは戦略航空作戦。基地航空隊は私の管轄ではないので、友軍たる同志K大将の手腕に期待する。結果的にはノルウェー海に展開する我が水上部隊はいずれも敵偵察機の発見する所となった。危機である。

これをチャンスとみた英原潜2隻が、軽空母「キエフ」を旗艦とする打撃部隊(軽空母x1、新鋭駆逐艦x5)に対して魚雷攻撃を仕掛けてきたのだ。2隻の英原潜「タイアレス」(HMS Tireless S88)と「スプレンディッド」(HMS Splendid S106)は、ソブレメヌイ級やウダロイ級といった護衛の駆逐艦には目もくれず、「キエフ」に向けて必殺の雷撃を行った。しかしこの時は「キエフ」艦隊の護衛艦艇と搭載ヘリが効果的な対潜スクリーンを形成し、英潜水艦を寄せ付けなった。危なかった・・・・。

我が基地航空隊はノルウェー北部のオーランド(Orland 4205)飛行場を叩くべく出撃する。しかし上空で敵戦闘機(F-16)がCAPとして健在な内は、長距離爆撃機による攻撃は困難である。状況を打破すべく、巡航ミサイルを搭載したTu-95MS「ベアH」長距離爆撃機による巡航ミサイル攻撃を試みたが、それでも同方面の状況は改善できず、膠着状況が続く。まずい、このままではNATOの思う坪だ。なんとかしなければ・・・。


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2Turn(1日目昼)

バルト海方面では、東ドイツ及びポーランドの港湾に隠れていた輸送船団がいよいよ出撃。南ノルウェーを目指す。バルト海に入った途端、西ドイツの潜水艦による攻撃で、輸送船1ユニットと東ドイツのパルヒム級コルベット艦1ユニットが撃沈されてしまう。シナリオ特別ルールによる毎ターンASWスクリーン無視の6火力攻撃である。こりゃだまらんわ。

後でルールを再確認すると、ASWスクリーン無視というのは間違い。ASW防御は可能だが、積極的にASW攻撃ができないという意味だった。そりゃそうだな、とその時一同納得。しかしそのことに気がついたのは第5Turnになってからだった。

ノルウェー海方面では、ノルウェー北部オーランド基地を再び攻撃する。今回もノルウェー空軍のF-16が迎撃に上がってきたが、今度はソ連空母艦載機(Su-27B等)が護衛についていたのが功を奏し、迎撃網を突破した。その後の波状攻撃でオーランド基地は壊滅。ノルウェー海に向かう航空機回廊の障害が取り除かれた。

軽空母「キエフ」を中心とする打撃部隊。先に英潜水艦2隻の襲撃を退けたこの部隊に対し、今度は英空軍機が襲いかかる。トーネードF3の護衛付きでバッカニア2個編隊による強襲だ。「キエフ」搭載のYak38フォージャーで敵う相手ではなく、対空砲火に全てを賭ける。「キエフ」と護衛についている3隻のソブレメンヌイ級駆逐艦が対空砲火を打ち上げる。しかしバッカニアのシーイーグルミサイルはシースキマータイプ。広域対空ミサイルの威力は限度がある。実際に対空戦闘で威力を発揮したのは各艦の近接対空火器だった。「キエフ」及び直衛のウダロイ級駆逐艦「ヴィノグラード提督」(Admiral Vinograd)が乱れ撃ちする近SAMやCIWSがシーイーグルを悉く叩き落とし、残ったミサイルは強力な電子妨害を受けて機能不全に陥った。
さらにノルウェーの港湾を出撃したノルウェー海軍ミサイル艇2隊が対艦ミサイルを放ったが、これは何故か大外れで(3rd Fleetでは、SSM攻撃の目標判定ダイスで"0"か"9"を出すと、SSM攻撃が自動的に失敗する)、ソ連艦隊に被害はなかった。

次はソ連艦隊の反撃である。小癪にも我が赤衛親衛艦隊に接近してきたノルウェーミサイル艇隊に対して長距離対艦ミサイル装備の軽空母「キエフ」、打撃巡洋艦「スラバ」「キーロフ」が対艦攻撃を実施した。ミサイル攻撃を受けたノルウェーミサイルボート部隊は、1ユニット全滅、1ユニットステップロスの損害を被った。さらに他の水上艦艇は対潜戦で英新鋭トラファルガー級原潜「タイアレス」を大破させた。


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この辺りで紙面が尽きた。続きは次回としたい。



Blue Water Navy Game Journal 81-米中激突:現代海戦台湾海峡編
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For the Peopleが比較的早く終わったので、次のゲームということで、フリートシリーズの最新作「3rd Fleet」をプレイしてみることにした。フリートシリーズは知る人ぞ知る。現在海戦を作戦規模で扱った傑作海戦ゲームで、1ヘクス45海里、1Turn8時間で、1~10日程度の海空戦を扱う。艦艇は基本的には1隻1ユニットで登場し、航空機はスコードロン単位で登場する。現在海戦の再現性という点で必ずしもリアルとは言えない面もあるが(特に対潜戦とミサイル戦)、大規模な海上戦闘を比較的平易なルールで楽しめるといった点で傑作というに相応しい作品である。

「3rd Fleet」(第3艦隊)は、フリートシリーズの最新作である。尤も最新作とはいっても発表されたのは1989年で今から22年も前のこと。ソ連が健在なのは無論、ポーランド軍が東側陣営だったり、ドイツが東西に分かれていたりと、時代を感じさせてくれる。

今回プレイした「ラテンアメリカ戦争」は、カリブ海で米英の連合軍がラテンアメリカ諸国と戦うというシナリオ。どういう経緯でそうなったかはシナリオの方を読んで頂くとして、米軍の戦力は空母機動部隊1個と複数の護送船団。それにグレナダとパナマ運河地帯に戦闘機中隊を配備しているというもの。あとハイチあたりに懐かしいA7コルセアや英軍のF4ファントムなんかもあったかな?。攻撃型原潜は改ロス級が1隻登場。当然ながらトマホーク巡航ミサイルは積んでいます。
一方ラテンアメリカ連合の方は、米軍の仇敵キューバを筆頭に、ベネゼエラ、コロンビア、ブラジル、アルゼンチン等錚々たるメンバー。駆逐艦/フリゲート艦16隻、潜水艦5隻、ミサイル艇5隊を擁して待ち構える。キューバ以外の各国は西側兵器で武装しているので質の面でも侮れない。中でも主力であるベネゼエラは、ハープーンよりも性能の良いオトマート(テセオ)対艦ミサイルを搭載したイタリア製ルポ級フリゲート5隻を揃え、対水上打撃戦の主力となっている。この連合艦隊唯一の弱点は、長距離対空ミサイルを装備した艦が皆無であるため、空からの攻撃に対して脆弱なことだろう。

ちなみに下名はラテンアメリカ連合を担当した。

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経過

第1~3Turn(第1日目)

イメージ 4まずパナマ運河上空で両軍が激突した。コロンビア空軍のクフィル戦闘機(コロンビアにクフィルなんてあったんだ・・・)と米空軍のF16ファルコンが戦略航空任務で激突する。戦闘の結果は性能差通りにF16の圧勝。クフィル中隊は壊滅してしまう。
しかしそれ以外に特記することはなく初日は経過。米原潜の放った巡航ミサイルがベネゼエラの航空基地を一時的に使用不能としたが、後続がなかったため、その夜には復旧してしまう。

第4~6Turn(第2日目)

午前中は両軍とも大きな動きはなかったが、午後に入って俄然動きが出てきた。
まずベネゼエラの潜水艦がプエルトルコ近海で英海軍の輸送船団(駆逐1、フリゲート2、揚陸艦4)を発見。急きょ現場に急行したベネゼエラ海軍の水上部隊(フリゲート5、ミサイル艇1隊)が対艦ミサイル攻撃を加えた。やがてブラジル、アルゼンチン、コロンビアの水上部隊(駆逐1、フリゲート10)も攻撃に加わった。一連の攻撃で英揚陸艦4を撃沈し、他に英フリゲート艦アベンジャーもミサイルの餌食となった。
キューバ北東海域でも米輸送船団を捕捉したキューバのミサイル艇3隊が果敢なミサイル攻撃を敢行。米高速輸送船団1個を壊滅させていた。

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ベネゼエラ海軍のルポ級フリゲート

結果

ラテンアメリカ軍の66VP、米英軍の99VP、
勝利レベルはラテンアメリカ軍の実質的勝利

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感想

For the Peopleの敵を現代海戦で取らせてもらった。VP面のみならず盤面の上でも、こちらの水上部隊、輸送船団は無傷、敵の船団にはそれなりの打撃を与えたのだから、勝利を宣しても良いと思う。
結果的には勝ったが、難しい戦いであった。
まずラテンアメリカ軍は長距離偵察機がない。従って敵船団を戦略レベルで発見するのが難しい。戦術索敵に頼ることになるのだが、こちらは順番に依存する面が多いため、いつも確実という訳には行かない点が難しい。結局初日はある程度静観し、2日目に敵船団がグレナダ近海に入った時がチャンスである。その時に備えて偵察機を残しておかなければならない。

プレイ時間が短い(2時間程度でプレイできる)が、バランスも比較的良好であり、好シナリオという印象を受けた。また中南米海軍という珍しい所が登場するので、そういった点からもお勧めしたいシナリオである。



Blue Water Navy Game Journal 81-米中激突:現代海戦台湾海峡編
提督が解説する海上自衛隊艦隊と軍艦のすべて 2024年 09 月号 [雑誌]: 軍事研究 別冊 海上自衛隊「空母」 いずも&かがマニアックス 海上自衛隊 護衛艦メカニズム図鑑 イカロスMOOK アメリカの航空母艦資料写真集

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第5艦隊@猿遊会

先日も書きましたが猿遊会で「第5艦隊」(VG)をプレイしました。シナリオはシナリオ12「インド洋戦争」。本作中最大のシナリオで、西側陣営は5隻の空母(米3、英1、仏1)と1隻の戦艦(アイオワ級)、東側陣営は4隻の空母(ソ2、印2)と1隻の打撃巡洋艦(キーロフ級)が登場します。

私は西側陣営のアラビア海方面を担当しました。麾下兵力は米原子力空母「A.リンカーン」、米戦艦「ウィスコンシン」、巡航ミサイル搭載艦を含む米仏の原潜計7隻、さらにアラブ連合の基地航空兵力等、錚々たるメンバーです。

第1Turn(1日目AM)

本作は他のフリートシリーズとは違い「タトルテイル」(注)がいない。従って西側艦艇も発見されない限り攻撃目標にならない。ありがたい話である。
注:他のフリートシリーズでは、「タトルテイル=ソ連のスパイ漁船」の影響により戦争開始直後の3Turnは西側水上艦は全て戦略索敵状態になっている。
西側の戦略索敵は概ね成功。ソコトラ島近海に進出したサウジアラビア空軍のF15戦闘機がMiG23 2個中隊を撃退し、その援護下で西側哨戒機がソ連空母「トビリシ」機動部隊と輸送船団を発見した。

西側先攻で始まった「インド洋戦争」は、米原潜による巡航ミサイル攻撃で始まった。新鋭原潜「シーウルフ」他3隻から発射された巡航ミサイルが4203に1打撃を与えた。またアラビア半島東岸のサラーラ(Salalah 2016)を発進したオマーン空軍のトーネード、ジャギュアの混成編隊がソコトラ島ラスカルマ航空基地(Ras Karma 1319)を強襲。対空砲火によってジャギュアの編隊がステップロスしたが、生き残った攻撃隊によってラスカルマ航空基地に1打撃を与えた。

すぐに東側による反撃が始まる。ソ連本土から発進したTu95Hベア、Tu160ブラックジャックの編隊がペルシャ湾岸における西側陣営最大の軍事拠点バンダルアバス(Bardar-Abbas 3712)を攻撃。巡航ミサイル攻撃によって1打撃を被った。バンダルアバスには強力なF15戦闘機が配備されていたが、その進攻能力に期待してCAPに割り付けなかった隙を突かれた形となった。
そこにソ連潜水艦が追い打ちをかける。原潜から発射された巡航ミサイル群がバンダルアバスに注ぎ込まれ、さらに1打撃を被った。

バンダルアバスのCAPを弱体化させてことは失敗だった。F15をCAPにつけておけば、巡航ミサイルによってバンダルアバスが簡単にやられることはなかったかもしれない。

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第2Turn(1日目PM)

ソ連空軍による猛攻はなおも続く。空中発射型巡航ミサイルがバンダルアバスに3打撃目を与えた。トドメは長距離重爆による通常爆撃で、集中爆撃を受けたバンダルアバスは壊滅の憂き目を見た。

アラビア半島でも東側陣営による猛攻が続く。空母「トビリシ」を発進した攻撃機がサラーラを強襲。対空砲火によりMiG29の編隊がステップロスしたが、残った攻撃機による爆撃によってサラーラに1打撃を被った。

西側陣営はイラン国内のソ連軍基地に巡航ミサイルを撃ち込み、2ヶ所の航空基地にそれぞれ打撃を与えた。

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第3Turn(1日目夜)

ソ連長距離攻撃機が最後の仕上げを行う。サラーラは空爆により壊滅。クウェート航空基地(Kuwait 3501)にも1打撃を追加した。
西側の反撃は空母「リンカーン」の艦載機とB52による攻撃で、イラン国内にある2ヶ所の航空基地(Esfahan 4203,Kerman 4210)は集中攻撃で壊滅した。

海上では洋上のソ連艦隊に対して米原潜が最初の一太刀を浴びせた。3隻の米原潜から発射された対艦用トマホーク巡航ミサイルがソ連ソブレメンヌイ級新鋭駆逐艦「オトリッチ」に命中。「オトリッチ」は大破した。

ここまでの展開は予想以上の苦戦。バンダルアバスとサラーラの航空基地を失い、さらにもう1ヶ所が半身不随。一方の戦果はイラン国内のソ連軍航空基地を壊滅させた上、ソコトラ島のソ連軍基地を半身不随に追い込んだ。

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第4Turn(2日目AM)

米超大型原子力空母「リンカーン」機動部隊を包囲するようにソ連原潜群が集まってきた。「リンカーン」部隊は敵潜水艦を振り切るべくフルスピードまで増速する。燃料消費は倍化するが、原子力艦2隻を含む「リンカーン」機動部隊にとっては左程の影響はない。
その「リンカーン」機動部隊に対して、ソ連空母「トビリシ」を発進した攻撃隊が攻撃を仕掛けてきた。Su27、MiG29各1ユニットからなる攻撃隊であったが、E2Cホークアイの誘導を受けて飛来したF14トムキャットの迎撃によってソ連攻撃隊は撃退されてしまう。
「リンカーン」部隊は直ちに反撃。F14トムキャット、F18Cホーネット、A6イントルーダー、EA6プラウラーからなる攻撃隊は、迎撃に上がってきたSu27を叩き落とし、対艦ミサイル「ハープーン」多数を発射した。その数発がウダロイ級駆逐艦「アドミラル・ザハロフ」に命中。「ザハロフ」は轟沈した。

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第5Turn(2日目PM)

マラッカ海峡方面から悲報が届く。米超大型空母「レンジャー」を中心とする機動部隊がソ連空母「キエフ」機動部隊による対艦ミサイル攻撃を受けて「レンジャー」大破。さらに追撃してきたインド水上部隊の猛攻により「レンジャー」は遂に沈没してしまう。一瞬で状況が目まぐるしく変転する現代海戦の世界は厳しい。
「レンジャー」の沈没は、対空射撃で2回連続で"ゼロ"の目を出す等、運の悪さがあったようだ。

閑話休題。アラビア海方面では西側空母による攻撃がようやく佳境に入ろうとしていた。フランス空母「クレマンソー」を発進した攻撃隊は既にソコトラ島ラスカルマ航空基地に対して激しい連続攻撃を繰り返していたが、このTurnの攻撃で遂に壊滅に追い込んだ。殊勲の一撃を放ったのは「クレマンソー」のシュペル・エタンダール攻撃機である。フォークランド紛争での活躍に続いて旧式艦上攻撃機の大殊勲であった。
原子力空母「リンカーン」を発進した攻撃隊は、ソコトラ島近海を航行中のソ連艦隊(ミサイル巡洋艦4隻、補給艦船2隻、掃海艇1グループ)に襲いかかった。A6イントルーダー、F18Cホーネットによる爆撃は、2隻のミサイル巡洋艦(「ペトロパブロフスク」「アドミラル・ゾズリヤ」)を瞬時に葬り去った。
また戦艦「ウィスコンシン」の巡航ミサイルはインド本土を襲った。数発がラージコート航空基地(Rajkot 4133)で炸裂。ラージコート基地は機能を失った。そこへB52爆撃機が飛来。基地にさらなる打撃を与える。

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第6Turn(2日目夜)

このTURNは先ほどの攻撃の仕上げを行う。先ほどのTURNで敵1個艦隊の半数を撃破した「リンカーン」機動部隊は、同艦隊にトドメを刺すべく攻撃隊を放った。攻撃隊は2隻のミサイル巡洋艦「アドミラル・イサコフ」「アドミラル・ゴロフコ」を撃沈。残った補給艦船は潜水艦の攻撃で一掃された。
またインド本土ラージコート基地に対する攻撃はこのTURNも続行され、「ウィスコンシン」の巡航ミサイルが同基地上空で炸裂した。これらの攻撃でラージコート基地は遂に壊滅の憂き目を見てしまう。

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感想

この時点で時間切れのためゲーム終了となりました。ここでVPを計算した所、ソ連軍の辛勝となりました。ゲーム途中で勝利条件云々するのはあまり意味がないかもしれませんんが、私個人のプレイとしてはいくつか反省点がありました。

最大の失敗はバンダルアバスのCAPを弱体化させてしまったことです。F15の進攻能力に期待し、バンダルアバスのCAPをF18Cに任せたのが裏目に出ました。仮にF15がF18CとEA6Bの支援付きでCAPにあたっていたと仮定した場合、ソ連軍によるバンダルアバス攻撃はかなり困難が予想されます。基地機による攻撃はかなり困難、巡航ミサイルによる攻撃も運頼みになるので(成功率が30%から10%まで低下する)、バンダルアバスを守り切る可能性が高くなります。

もう1つ。これはプレイそのものの失敗ではなかったのですが、予めプレイ開始前にユニットをセットアップに合わせて区分してこなかったのは失敗でした。会場に来てからユニットを探すのは時間が勿体ないし、万が一「ユニットが足らない!!」的な事態になっても事前に対応できた方が良い。そういった意味でプレイ開始前にシナリオを決めておき、ユニットを区分しておくのは重要かな、と感じました。

さすがにフリートシリーズ最大規模のシナリオだけあって、プレイの手応えは十分でした。広大なマップに両軍とも強力な海上部隊が展開し、疾駆する様は、他の海戦ゲームでは味わえない満足感を与えてくれます。フルターンで36Turnの本シナリオを最後までプレイし通すのはかなり困難(恐らく最低でも3~4日の連続プレイが必要かと思われ・・・)が予想されますが、死ぬまでに1度ぐらいはプレイしてみたいです。

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YSGAの例会で「第2艦隊(2nd Fleet)」をプレイしました。「第2艦隊」は、フリートシリーズの1作で、1986年に米国Victory Games社から発表された現在海戦ゲームです。テーマは北大西洋からノルウェー近海におけるソ連海軍とNATO海軍の激突で、NATO軍は米英蘭加独伊が登場します。

16-20Turnの経過-->こちら
7-15Turnの経過-->こちら
1-6Turnの経過-->こちら

勝因と敗因

航空機と水上艦と潜水艦とが共同で作戦する。これこそがソ連海軍の基本ドクトリンだ。
(セルゲイ・ゴルシコフ)

この時点でVPを計算するとNATO軍202点とソ連軍192点で「NATOの実質的勝利」(3段階の勝利レベルの真ん中)になりました。ソ連側の敗因は損害が多すぎたこと(CVx1,CGNx1,CGx5,DDx5,SSNx11他を失った)とNATO側に与えた損害が小さ過ぎたことだと考えます。それでは上記の事態は回避できたのか、あるいは不可避だったのか。以下は個人的な意見になりますが、私は「可能」であったと考えます。

まずソ連側の損害については、潜水艦はある程度仕方がないとしても水上艦の損害はある程度回避できたのではないか、という思いが今でも拭えません。洋上航空兵力に劣るソ連艦隊が優勢なNATO海軍と戦うためには基地航空兵力との共同作戦が不可欠であり、そのためにも可能な限り味方基地航空兵力の傘の下に留まるべきだと考えます。それは一見消極的に見えるのですが、それが弱者の戦略と割り切って考えるしかないでしょう。今回に関して言えば、ソ連水上部隊は英艦隊に対する対艦ミサイル攻撃という誘惑に負け、有力な水上部隊を突出させたのが失敗だった思います。それよりは任務終了後は一目散にコラ半島近海に逃げ込み、NATO艦隊をコラ半島まで引きずり込んで、そこでの決戦に掛けるべきだったのでは・・・、と思います。仮にコラ半島近海にNATO艦隊を引き込み、そこで海空からの一斉攻撃を仕掛ければ、NATO艦隊としてもかなりの損害を強いられたことは想像に難くありません。

繰り返しになりますが、ソ連の水上部隊は基地航空部隊との共同行動が不可欠だと思います。フリートシリーズでソ連軍が崩壊する典型的なパターンとして、目の前の目標に拘り過ぎて有力な水上部隊を裸で突出させてしまい、強力な西側航空兵力の連続攻撃に晒されるというものがあります。そうならないためにもソ連水上部隊は可能な限り航空機の傘の下に温存し、ここ一番に備える必要があるのではないでしょうか。

NATO側に与えた損害については(あくまでもNATO側からの感想ですが)、ソ連軍はNATOの大物狙いに拘り過ぎたのではないでしょうか。米空母ならまだしも、英空母はVP的にも戦局に対する影響という面から見ても左程「美味しい」目標ではありません。それよりもガス欠で動けなくなっていた護衛艦(防御力が2とか1とかになっている)をまとめて始末した方がVP的には遙かに魅力的だったように思います。敵空母撃沈は確かに金星ですが、運に左右される上、外したら何も得られません。それよりは護衛艦を仕留めて敵空母の行動力を殺いだ方が遙かに確実かつ有益だったのでは、と思います。

以上、個人的な感想でした。

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両軍の損害。完全に失われたユニットのみを列挙しました。

ゲームの感想

単体のゲームとして見た場合、「第2艦隊」はそれなりに楽しめるゲームだと感じました。フリートシリーズの中では比較的古い作品なので、後期の作品と比べるとルールやレーティングにかなり違和感があります。「第2艦隊」単体として見た場合、古いルールやレーティングでもそれなりに整合性が取れているのであえて新しい版に合わせる必要はありませんが、それでもいくつか理不尽に感じた点があるので列挙しておきます。

 (1) NATO哨戒機の空戦力1は評価が高すぎると感じました。「第7艦隊」以降の作品のように防御力"N"が妥当だと思います(哨戒機の4スタックで空戦力4はちょっと・・・)。
 (2) 上記も含めてNATO哨戒機の能力が全般に高すぎるように思いました。「第2艦隊」は4~5機で1ユニットでしたが、「第7艦隊」以降のように10機1ユニットの方が良いと思います。
 (3) 基地航空機による基地変更は安易に実施出来すぎるように思います。「第7艦隊」以降の作品では、基地変更後は数ターン活動不能というルールがあるのですが、「第2艦隊」にはありません。このままでは基地機が主役のゲームになってしまいます。(バッカニアやニムロッドのファンにとってはたまらなく良いゲーム、になりますけど・・・)
 (4) 対地爆撃が出来なさ過ぎます。巡航ミサイルも無能だし、爆撃能力も低い。特にソ連の長距離爆撃機が対地攻撃できないのは理不尽です。これも「第7艦隊」以降のルールが良いように思いました。

全般として「第2艦隊」のシステムは、その後進化されたフリートシリーズのルールに比べて荒さが目つように思いました。先にも書いた通り「第2艦隊」単品として見た場合はそこそこバランスが取れているので難しい所ですが、できれば「第7艦隊」以降のルールで「第2艦隊」を作りなおしてみたい今日この頃です。

(おわり)


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