もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 日本戦国時代

ツクダ激闘関ヶ原_表紙


以前に紹介した「激闘関ヶ原」 を久しぶりにソロプレイしてみた。シナリオは「No.2 史上最大の決戦」。いわゆるヒストリカルシナリオで、中立勢力は東西どちらにつくかは未定である。なお参戦判定表はNo.1、つまり東軍有利なものを選んだ。

写真00


1Turn

このTurnは東軍の松平、井伊の両隊と西軍の宇喜多隊しか動けない。松平、井伊両隊は友軍の間を縫って前進を開始する。宇喜多隊は僅かに陣形を変更する。

写真01


2Turn

東軍主力が前進を開始する。ただし全面接敵は危険なので、士気の高い福島隊のみが宇喜多隊前衛と接敵する。士気の低い部隊が下手に接敵すると、鉄砲射撃を食らって大損害を出してしまうからだ。東軍の目論見は成功。福島隊は無傷で宇喜多隊の鉄砲隊2個を撃破した。

不利を悟った西軍は、積極的な反撃を行う。宇喜多隊は侍大将明石全登を投入し、福島隊に対して反撃を行うとともに、井伊隊、筒井隊。松平隊、田中隊に対しても積極的に仕掛けていく。その結果、東軍2部隊を撃破し、何とか損失量をタイに持ち込んだ。

写真02


3Turn

東軍は赤座諸隊の参戦を促した。2d6で5以下を出せば赤座諸隊は東軍側につく。出目が11以上なら西軍側につくことになるが、それはそれでよし。弱体な赤座諸隊を撃破して、大谷隊の側面を突けば、戦況は有利になる。
出目は6だったので惜しくも赤座隊は東軍側にはつかなかった。しかし一連の戦闘で東軍は西軍3ユニットを除去し、VPで3点有利にたった。

西軍は島津と毛利の参戦を促す。損害で負けているので不利なDRMが適用されるが、島津と毛利は出目が悪くても東軍に寝返るリスクはない。逆に運良く毛利が西軍側につけば、戦局は一気に西軍有利になる。6ゾロが出れば毛利が西軍についてくれるのだが、残念ながら出目悪く毛利も島津も西軍側にはつかなかった。

西軍は逆転を狙って島左近を前線に投入する。島左近は東軍加藤義昭隊の一部を撃破し、加藤隊の前線を突破。加藤隊の敵中に突入した。加藤隊の陣形に動揺が走る。しかし加藤隊は何とか持ちこたえた。

写真03


4Turn


「違う、違うぞ金吾」
早くも小早川秀秋が東軍に寝返った。なんせ2d6で6以下が出れば東軍についてしまう。今回は出目が東軍有利であり、小早川秀秋は最短で東軍に寝返った。小早川の寝返りに合わせて赤座諸隊も東軍につく。

対人戦なら多くの場合、「ここで終わりましょう」となるが、今回はソロプレイ。なので最後までプレイしてみる。

東軍は全面攻撃に移る。今まで接敵を避けていた黒田隊、細川隊も石田隊の陣地帯に接触する。敵中に孤立していた島左近は討死。対人戦なら既に西軍はモラル崩壊している頃だろう。

写真04


西軍は戦線右翼の小早川、赤座諸隊に対して全力反撃。さすがに大谷麾下の諸兵は強く、小早川隊や赤座諸隊の先鋒部隊が次々と突き崩されていく。赤座直径討死。福島隊の可児才蔵も討死する。

5Turn

吉川と長曾我部を東軍に寝返らせようとしたが失敗。それでも東軍は全戦線で攻撃を行う。ところが今までのような精鋭中心ではなく雑魚部隊を投入したので損害ばかりが嵩む。東軍Turn終了時にはとうとう損害で東軍が西軍を上回ってしまう。

西軍にチャンスが出てきた。参戦判定表で6ゾロが出ると毛利が西軍側に立って参戦する。そうなると盤面の状況が一気に西軍有利になる。奇跡を信じて狼煙を上げる三成。

しかし

出目は無情にも6。6ゾロには全然足りていない。せめて島津の参戦を、と、島津の陣営に使者を送るも、こちらも過去のことを蒸し返されて使者が追い返される始末である。

それでも西軍部隊は強かった。大谷隊は突進してくる小早川隊を自在に切りまくり、このTurnだけで3ユニットが昇天する。さらに加藤隊の侍大将塙団右衛門が鉄砲の狙撃を受けて討死してしまう。

写真05

6Turn

吉川、長曾我部がいずれも東軍側についた。これで毛利の参戦はなくなる。西軍にとっては勝ち目がなくなったと言って良い。この時点で西軍に勝機はなくなったとして、ゲーム終了とした。

感想

ゲームとしては面白いのだが、参戦判定表の影響が大きいので対人戦には不向きに思える。対人戦でプレイするのなら、陣営が固定されているシナリオ1やシナリオ3の方が良いかも知れない。今度試してみよう。

写真06







激闘関ヶ原 論争関ヶ原合戦 関ヶ原合戦の真実 関ヶ原-司馬遼太郎(上中下)


激闘関ヶ原
論争関ヶ原合戦
関ヶ原合戦の真実
関ヶ原-司馬遼太郎(上中下)

240531_GJ91紹介

「クロニクル・オブ・ジャパン」は224年にGame Journal誌の付録ゲームとして出版されたSLGです。
テーマは、日本史全般で、古代から明治期に至るまでの日本の歴史を、主に権力者の視点から再現します。

今回は。本作のコンポーネントを紹介する動画を作成してみました。




シミュレーションジャーナル ゲームジャーナル91号 クロニクル・オブ・ジャパン ~邪馬台国から明治維新まで~

3
240212_信長戦記

戦況図解-信長戦記

小和田哲男 サンエイ新書


TVなどの出演機会も多い小和田哲男氏監修の信長戦記である。本書の特徴は、織田信長の生涯を主に戦記的な視点から記したということ。つまり戦記以外のエピソードはバッサリ切り捨てている。そういった観点から、例えば議論の多い延暦寺焼打ちや一向宗徒に対する苛烈な弾圧について、軍事的な側面から考察している。
そういった意味において本書は信長の前半生にもかなりのページ数を割いており、尾張統一戦争や斎藤義龍/龍興との美濃攻防戦などでの戦いについて比較的詳細に解説している。
他の点では、地図を多用し、戦況を視覚的に説明している。「戦況図解」というタイトルからして当然なのだが、信長に関する戦いを網羅的に捉えているという点では有難い著作だ。
ページ数の関係上個々の戦いについては概略レベルの説明に留まっているが、そもそも「何が真実だったか?」についてすら曖昧な時代の戦いなので、十分な内容といえる。それよりも織田信長自身の動きをまるでスケジュール表を見るかのように理解できるという点で有益な著作だ・
Amazon Unlimitedなら自由に読むことができるので、お奨めしたい1作である。

お奨め度★★★

戦況図解 信長戦記 サンエイ新書


GJ激闘関ヶ原_表紙


シミュレーションジャーナル ゲームジャーナル別冊 激闘 関ヶ原 ~どうする家康?どうなる関ヶ原!?~

石田三成関ヶ原の合戦と言えば、日本戦史上屈指の大会戦で、ウォーゲーム界でも屈指のメジャーテーマの1つである。これまでに関ヶ原の合戦をテーマにしたゲーマは国内外で数多く出版された。今回取り上げる「激闘、関ヶ原」(以下「本作」)も関ヶ原の合戦を扱ったゲームの1つである。これまで長らく絶版状態が続いていたので再販が待たれていたが、2023年に実に35年ぶりにGame Journal誌の別冊として再販されることとなった。そこで再販を記念して本作を久しぶりにプレイしてみることにした。
今回プレイしたシナリオは、シナリオ2「史上最大の決戦」。いわゆるヒストリカルシナリオで、関ヶ原の戦いを史実と同じ兵力で再現する。ちなみに本作には2種類の参戦判定表があり、東軍有利の参戦判定表①と西軍有利の参戦判定表②がある。今回はヒストリカル性を重視し、参戦判定表①を利用することにした。また筆者は東軍を担当した。

前回までの経過 --> こちら

5Turn

舞兵庫東軍は今まで戦闘に加入していなかった黒田長政隊を戦線北翼に展開させ、同じく翼を広げてきた石田三成本隊と交戦する。石田隊先鋒の侍大将である舞兵庫を黒田側の侍大将である後藤又兵衛が攻撃。これを見事に討ち取った。久々の大戦果に沸き立つ東軍陣営であった。

写真05


加藤嘉明しかしその直後に東軍陣営に衝撃が走った。小西隊と交戦中の東軍武将加藤嘉明が、小西隊の槍隊から集中攻撃を受けて討ち取られてしまったのである。このゲーム、一般兵以外に名前付きのユニットとして侍大将と大将の2種類がある。侍大将とは島左近や後藤又兵衛、可児才蔵のようないわゆる「コマンダー」である。一般兵に比べると能力や士気値が高く、指揮能力を有する場合もあるが、VP上は一般兵と代わりがない。だから消耗品のように使っても無問題である。
問題は大将。これはいわば「ベルクカッツェ」(古い・・・)のような存在で、死ぬとVPが多く取られるだけではなく、全軍崩壊につながるケースもある。例えば東軍の加藤嘉明、黒田長政、福島正則、細川忠興のうち2名が討ち取られると、東軍諸隊は戦意低下状態となり、射撃や白兵戦で不利な修正が適用されてしまう。つまり加藤嘉明の討死は、東軍にとって早くも「後がない」状態に追い詰められたということになる。

写真06


6Turn

小早川隊東軍はここで勝負に出た。未だに態度を明らかにしない小早川に対し、その真意をただすべく威嚇射撃を行ったのである(つまりダイスを振って参戦判定を行ったということ)。
これはかなり危険な行為と言えた。というのも、この状況下では、2d6で4以下を出せば東軍側につくものの、出目が10以上なら西軍側で参戦してしまうのだ。つまり確率的には五分と五分である。下手をすれば苦境に立っている東軍諸隊がさらなる苦境に陥るかもしれない。
しかしこのまま放置していても東軍にとって状況を好転させることは難しいだろう。既にVPでは10点近い差がついているので、東軍がVPで逆転するのは難しい。そうなるといずれは毛利が参戦することになる。毛利が参戦すれば、今まで中立を守っていた長曾我部、小早川、島津らの諸隊も自動的に西軍側で参戦することになる。そうなる前に手を打たなければならない。少々の危険を冒してでも・・・。

と言う訳で東軍プレイヤーが振ったダイス目はなんと「ピンゾロ」。
小早川秀秋は叫んだという。

「我ら内府様にお味方いたし、治部めらを討ち果たしまする」

まあこの話は半ばフィクションらしいのだが、そんなことはどうでも良い。この場面、まさに劇的な形で小早川隊が東軍側に寝返ったのだ。

「違う、違うぞ、金吾」

三成はそう叫んだだろう。しかしもう遅い。松尾山に布陣していた小早川隊は、続々と山を駆け下り、西軍の南翼を守る大谷刑部吉継の陣に殺到していった。
小早川隊の参戦で力を得た東軍部隊は西軍陣地に猛攻を加える。西軍部隊はなおも激しく抵抗し、前線を死守している。しかし兵力に劣る西軍部隊には後がなく、今やその戦線は破られようとしていた。

写真07


7Turn

島左近吉川広家が東軍側に参戦した。これにより毛利の中立化が決定した。
前線では小早川隊が西軍大谷刑部の陣地に接触する。数に勝る小早川隊だったが、さすがに大谷隊は強かった。小早川隊は次々と撃破され、戦線を突破できる兆しはない。それでも数に勝る小早川隊は、大谷隊の両翼から包囲戦をしかけようとしていた。

写真08


といった所で今回のプレイは終了とした。このままプレイしても西軍の勝ち目は乏しいということである。確かに西軍はこれ以上兵力が増えないので、兵力に勝る東軍部隊によって潰されることになるだろう。

感想

徳川家康本作をプレイするのは久しぶりにだが、やはり面白い。広い盤面に大軍が展開し、射撃戦、白兵戦を繰り返して敵を叩く。そして勇猛を誇る侍大将が敵陣を切り崩していく。ウォーゲームの面白さが凝縮されたような本作は、傑作と言うに相応しい作品と言えよう。
本作で感心するのはコンポーネント的にはビッグゲームと言うサイズに近いゲームでありながら、ルールは極めてシンプルで、その場でインストしてもすぐにプレイできるほど簡単な点である。またスタックが禁止、しかもZOCから離脱できないルールのため、一旦接敵した後は両プレイヤーが小細工を弄する機会が少ない。交戦前の布陣や戦略が重要になるが、一旦戦闘が始まった後も意外なほどサクサクとゲームが進む。そして射撃戦や白兵戦の結果に一喜一憂し、武将の裏切りによって一発逆転がある。
ただ小早川や毛利の向背によって勝敗が決まってしまうので純粋に勝敗を争うゲームとしてはやや難がある。どちらかと言えば合戦の雰囲気に浸って楽しむゲームと考えた方が良いと思う。

ちなみにプレイ後の感想戦で「武将の裏切りが早すぎるのではないか」という意見が対戦相手から出された。確かに第3Turnにいきなり毛利が参戦するとか、逆に第4Turnに小早川が東軍につくとかすると、そこで決着がついてしまう。そうなると後は「消化試合」になるので、プレイを続ける意義がなくなってしまう。そう考えると、裏切りチェックはもう少し遅らせても良いかもしれない。
そこで以下のハウスルールを考えてみた。機会があれば試してみたい。
1) 参戦判定表を使うのは第6Turn以降とする
2) 第8Turn以降は参戦判定表で4回までダイスを振れるものとし、単一の陣営に対して同一Turnに2回までダイスを振れるものとする(1.の修正バランスをとるため)


あとこれも提案なのだが、西軍の主戦部隊(石田、宇喜多、小西、大谷)と東軍先鋒(福島、黒田ら)は、敵と接敵するまでは前方の敵から明らかに離隔するような移動は禁止、とした方が良いと思う。東軍が決戦を避けて後退し、家康本隊の参戦待ち、というのも何だかなぁ・・・。まあ「メッケルの関ヶ原」では、このルールの適用外としても良いかも・・・。

次回は是非決着がつくまでプレイしてみたいものである。

激闘関ヶ原
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ツクダ激闘関ヶ原_表紙


シミュレーションジャーナル ゲームジャーナル別冊 激闘 関ヶ原 ~どうする家康?どうなる関ヶ原!?~

石田三成関ヶ原の合戦と言えば、日本戦史上屈指の大会戦で、ウォーゲーム界でも屈指のメジャーテーマの1つである。これまでに関ヶ原の合戦をテーマにしたゲーマは国内外で数多く出版された。今回取り上げる「激闘、関ヶ原」(以下「本作」)も関ヶ原の合戦を扱ったゲームの1つである。

本作は、1988年にツクダホビーから発売された作品で、慶長5年9月15日の関ヶ原の決戦当日を、1Hex=数百メートル、1Trun=約30分、1ユニットは300~400名のスケールで再現している。ルールはシンプルでプレイアビリティは抜群。関ヶ原の合戦を余すことなく再現しながら、フルキャンペーンでも1日あれば十分プレイ可能という本作は、間違いなく傑作ゲームと言えよう。

これまで長らく絶版状態が続いていたので再販が待たれていたが、2023年に実に35年ぶりにGame Journal誌の別冊として再販されることとなった。そこで再販を記念して本作を久しぶりにプレイしてみることにした。
今回プレイしたシナリオは、シナリオ2「史上最大の決戦」。いわゆるヒストリカルシナリオで、関ヶ原の戦いを史実と同じ兵力で再現する。ちなみに本作には2種類の参戦判定表があり、東軍有利の参戦判定表①と西軍有利の参戦判定表②がある。今回はヒストリカル性を重視し、参戦判定表①を利用することにした。また筆者は東軍を担当した。

写真00


1Turn

井伊直政第1Turnは東軍の井伊隊、松平隊のみが移動可能であり、その他の部隊は移動できない。
井伊直政が

「いま、上様のお言いつけで大物見に出るところだ」

と言ったとか言わなかったとか・・・。

写真01


2Turn

宇喜多鉄砲西軍は部隊前面に鉄砲隊を配置し、火力で東軍を阻止する防御の布陣である。
対する東軍は、槍兵を前面に配置し、攻撃型の布陣で挑む。
井伊、松平両隊の抜け駆けに激怒した東軍諸隊は、大挙として西軍の布陣に突撃を敢行する。南翼に位置する福島正則隊と田中吉政隊が西軍宇喜多秀家の部隊に突撃を敢行。その北では徳川家康譜代の松平忠吉、井伊直政隊が小西行長隊に殺到する。その北側には、加藤嘉明、細川忠興各隊が並び、最右翼には福島隊と並んで東軍最強の黒田長政隊が布陣している。

突撃する東軍部隊に対して宇喜多、小西の各隊は激しい銃撃を浴びせかける。東軍先鋒の諸隊は激しい銃撃に一瞬怯むが、それでも激しく突撃していく。

福島隊の突撃は猛烈で、早くも宇喜多隊の先鋒を崩していく。また井伊直政隊は小西隊を崩して突撃していく。

当然西軍は激しく反撃する。突撃した井伊直政隊、福島正則隊の一部は西軍の包囲攻撃を受けて撃破された。

3Turn

長曾我部盛親このゲームでは、両軍とも自身の手番開始時に裏切りチェックを試みることができる。この時重要になるのが両陣営のVP。VPで勝っている側は裏切りチェックのダイス目に有利な修正が得られる。現時点でVPで勝っているのは東軍側であった。従ってこの時点で東軍は裏切りチェックに有利な修正が得られる。
ここで東軍プレイヤー(つまり筆者)は悩んだ。大物小早川はまだチェック対象外であったが、赤座諸隊と長曾我部隊、吉川隊に参戦を促すことが可能だ。特に重要なのは吉川隊。2d6で3以下が出れば、吉川隊が東軍側として参戦する。吉川隊自体はそれほど大兵力ではないが、吉川隊が東軍につくと毛利秀元隊の中立化が決定し、以後毛利隊が西軍につくことがなくなる。しかもこの状況下では吉川隊が西軍側で参戦する可能性はゼロなので、東軍としては吉川隊について参戦チェックをするべきであった。
あと赤座諸隊の長曾我部隊。いずれも6ゾロが出れば西軍側で参戦することになるのだが、逆に赤座諸隊は6以下、長曾我部隊は3以下の目を出せば東軍側につく。長曾我部隊については事故った時のリスクが高いので必ずしも参戦チェックするべきかどうかは難しい所だが、赤座諸隊については東軍側につく可能性が高いし、万一西軍側についても大して痛くはない。だから赤座諸隊は参戦チェックすべきであった。
結局、東軍プレイヤー(筆者)はこの場面で参戦チェックをしなかったが、後でそのことを悔やむことになる。

福島隊福島隊はなおも宇喜多隊の前方を崩していく。侍大将である可児才蔵も突撃に加わる。福島隊の南翼では、京極隊も前進し、宇喜多隊の布陣を食い破っていく。しかし宇喜多隊の第2線を守る槍兵達はさすがに精強であった。福島隊、京極隊の猛攻にもよく耐え、あまつさえ逆襲で彼らの一部を討ち取っていく。戦場は正に乱戦の様相を呈してきた。

その北側では、井伊の赤備えが宇喜多・小西両隊の間隙をついて錐のように突撃していく。しかし井伊隊の両翼を固める田中隊、加藤隊の突撃が今一つ冴えない。井伊隊のみが単独で突出しており、極めて危険な状況であった。

写真02


4Turn

明石全登東軍の損害が嵩んできたので、VPで西軍側が逆転した。現状では東軍側から参戦チェックのダイスを振るのは危険である。逆に西軍はノーリスクで毛利隊や長曾我部隊の参戦チェックを実施できる。これは東軍にとっては極めて危険な状況であった。この状況で毛利、長曾我部のいずれかが西軍として参戦した場合、今まで日和見を決めていた小早川隊や赤座諸隊、さらには島津隊も西軍側で参戦することになる。これは東軍にとっては悪夢と言える。

焦った東軍は各地で西軍陣地に猛攻を加えていく。しかし態勢を立て直した西軍部隊も頑強に提供し、逆に東軍部隊が討ち取られる兵がどんどん増えていった。このままではいけない。焦る東軍。しかし状況は好転する兆しを見せない。

写真03
写真04

つづく



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