もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 日本奈良、平安、鎌倉、室町


Game Journal 85-義経戦記:源平奥州六大合戦 「義経戦記」(以下、本作)は、Game Journal刊85号の付録ゲームで、テーマは源平合戦だ。源平合戦全体を再現するゲームではなく、源平合戦における主要な合戦をシナリオ化して収録しているのが大きな特徴である。本作が収録されているシナリオは全6本で、木曽源氏と平家が戦い、平家が大勝した水島合戦。木曾義仲最期の戦いとなった宇治瀬田の合戦。源平合戦を代表する一ノ谷、屋島、壇ノ浦の戦い。そして奥州藤原氏最後の大規模抵抗となった阿津賀志山の戦いが収録されている。

ゲームシステムはシンプルで、基本はチットプル。武将名の書かれたチットを引いて兵団のユニットが移動、戦闘する。ZOCは進入即停止、ZOCからの自主的離脱は禁止。戦闘はMust Attackだけども、隣接するすべての敵ユニットを攻撃する必要はない。戦闘システムもシンプルで、攻防両者がダイスを振り、自軍の戦力にダイス目を加える。合計値の大きい方が勝利で、敗北した側は後退または壊滅(差が4以上の場合)となる。

今回プレイしたのは壇ノ浦合戦シナリオである。源平合戦で最も有名な壇ノ浦の戦いは、平氏が壊滅した戦いとしても知られている。このシナリオでは、兵力、戦意双方で勝る源氏に対し、個々のユニットの戦力で勝る平氏。特に戦力4の平知盛と自身だけが戦力5の平教経隊が平家側の主戦力になる。また このシナリオでは潮流ルールがあり、潮流が西流の間、つまり前半5Turnは平家側に移動力+1のボーナスと追加の移動ボーナス移動1回が与えられる。平家側として は、潮流が変わる前に源氏側に大打撃を与えて勝利を確定しておきたい所だ。

今回は、本シナリオをソロプレイでプレイした。

写真00

1Turn

両軍とも漸々と前進する。兵力に勝る源氏方だが、水上戦に慣れていないので、あくまでも慎重に前進する。

写真01

2Turn

平家方の平知盛、松浦博が源氏と接触する。兵力に勝る源氏方だが、水上戦に慣れていないので、あくまでも慎重に前進する。

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3Turn

馬関水道南部で激しい戦いが繰り広げられている。源義経と平知盛が直接対決。両者とも一歩も引かない。嶺原勢は平教経隊の包囲攻撃を受け、嶺原景時が討ち取られてしまう。

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4Turn

平教経が回り込んで河野通信隊も壊滅させた。今や源氏の戦意は3まで落ちている。この時点で決着が着いたか?。

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5Turn

義経隊も追い回されて結局源氏方の戦意がゼロに下がった。

写真05

感想

兵力に勝る源氏方だが、個々のユニットが弱いので、まともに戦えば不利は免れない。兵力の優位を生かして敵に包囲されないように注意し、逆に敵を包囲して削く戦法が良いと思う。

本作はルールがシンプルで、プレイ時間も短く、1時間以内でプレイできる。他にも様々なシナリオが用意されているので、機会をみつけてプレイしてみたい。

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250706_応仁の大乱

Game Journal 84-応仁の乱 Game Journal誌84号付録『応仁の天下:混沌の乱世の幕開け』を徹底解説!

戦国時代の開幕を告げた「応仁の乱」を舞台に、日本中の大名たちが入り乱れる壮絶な群雄割拠を、3~4人用のマルチプレイヤーズ・システムで再現!  
本動画では、ゲームの基本ルール、勢力カードやイベントカードの使い方、コンポーネント、そして実際のプレイ風景まで詳しく紹介します。




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太平記1

私本・太平記

吉川英治

私本・太平記全8巻セット
戦前の史観では「大悪人」とされていた足利尊氏を主人公とした長編歴史小説である。足利尊氏以外にも、足利直義、高師直、佐々木道誉、赤松円心ら北朝側人物、後醍醐天皇を初め、日野俊基、楠木正成、新田義貞、護良親王、北畠顕家等の南朝側人物、さらには北条高時、赤橋守時ら鎌倉方の人物、吉田兼好、覚一法師といった民間人等も登場し、一大絵巻の如き様相である。これだけ登場人物が多いながらも読んでいて混乱しなくて読めるのは、さすがは吉川英治だと思えてしまう。
ストーリーは、若き日の高氏(尊氏)がお側役の一色馬之介を伴って京都にお忍びで旅行に来た所からスタートする。そこで彼は日野俊基や佐々木道誉といった彼の後の人生に大きく関わる人達と出会う。鎌倉に戻った高氏は、北条政権の下で密かに討幕の機会を伺う。やがて正中の変、元弘の変等の討幕運動を経て楠木正成が千早城で挙兵。それを鎮圧すべく鎌倉から大量の兵力が送られるが、正成の巧みな防戦によって千早城を落とすことができない。やがて幕府方の足利高氏、新田義貞らの寝返りによって鎌倉幕府は滅亡。北条高時や赤松守時も命を落とす。
その後は建武新政とその失敗を経て足利尊氏が再び朝廷から寝返った。楠木、北畠らの奮戦によって尊氏は一度は九州へ落ちのびたが、九州で兵力を再編成して再び東へ向かう。湊川の戦いで楠木正成が戦死。後醍醐天皇も京都を追われて、それから・・・。
かなり長編なので読み通すのは結構大変だが、その長さを感じないほど面白い。現在でも一級の面白さを持つ歴史小説と言えよう。
ちなみに本書を読んだ後、無性に「太平記」がプレイしたくなった。

お奨め度★★★★



私本・太平記(1) 私本・太平記(2) 私本・太平記(3) 私本・太平記(4)
私本・太平記(5) 私本・太平記(6) 私本・太平記(7) 私本・太平記(8)
私本・太平記全8巻セット Game Journal 84-応仁の乱

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私本太平記

吉川英治

私本・太平記(1) 歴史小説の大家吉川英治氏が著わした南北朝時代を描いた歴史小説。主人公は足利尊氏だが、楠木正成、足利直義、高師直、新田義貞、後醍醐天皇など、南北朝時代で活躍した様々な英傑、武将らが登場する歴史大作である。さらに武将以外でも吉田兼好や明石覚一のような文化人、一色右馬介といった架空の武将も登場し、場面を盛り上げている。
南北朝時代に興味を持って何か良い本はないかと思い探してみたら、最初にヒットしたので読んでみたというのが真相。全13巻をKindleでは一遍にまとめているので、とにかくボリュームが多い。会社のトイレで暇つぶしにKindleでこそこそ読んでいたが、読み終わるまで半年近くかかってしまった。話は面白かったが、やはり北条幕府が倒れる前後あたりから物語が盛り上がり始めてくる。それまではやや冗長な感じがあるのは否めない。

お奨め度★★★



私本・太平記全8巻セット 決戦千早城 楠木正成(上) 楠木正成(下)

写真00_表紙


旧GJ63号「太平記」は、1990年にSSシリーズの1作として発表されたシミュレーションゲームである。テーマは14世紀における日本の南北朝の騒乱。「太平記」というタイトルは、言うまでもなく同時期を描いた古典文学作品の名前である。先日、NHKの大河ドラマ「太平記」をまとめて見る機会があり、結構面白かったので、ゲーム「太平記」をプレイしたくなった。そこで早速ソロプレイしてみた。

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建武3年春

小笠原貞宗主導権は武家5。大きな主導権を得た武家は新たな戦略に出る。まず北関東にいた足利兄弟が東山へ移動。地侍小笠原貞宗(2-5★)の支援を得て同地の支配を固める。
畿内では、武家方の宇都宮公綱が3千騎を率いて京にすすみ、高師泰は1万2千騎で南畿を攻める。
対する公家は奥州で兵力を再整備した北畠顕家、新田義貞が計9千騎で北関東に進攻する。

京の戦いは、武家方が宇都宮公綱麾下3千騎に対して公家方は結城親光(1-3★)麾下僅かに千騎。勝負はアッサリと決着し、結城親光は討死してしまう。後醍醐天皇は比叡山に避難したのか・・・。ちなみに後醍醐天皇はさすがにユニット化されていない。
北関東では兵力、指揮能力共に勝る公家方が勝利する。
このTurn最大の山場は南畿の戦い。武家方は高師泰麾下の1万2千騎に対し、公家方は稀代の名将楠木正成と名和長年(2-4★)、千種忠顕(1-3★)ら合わせて7千騎である。楠木らは奮戦したが、兵力差は如何ともし難く、山陽方面へ後退するしかなかった。

ターン終了時:公家2VP。京の支配が移ったことにより武家方がVPで盛り返し始めた。

Turn05a


建武3年夏

高師泰主導権は武家2。公家方は状況を打破するため、北畠顕家、新田義貞によって鎌倉を攻める。その兵力は計1万騎。相対する武家方は足利兄弟が東山から鎌倉に舞い戻り、北畠、新田らを迎え撃つ。武家方の兵力は1万2千騎。
兵力に勝る武家方であったが、指揮能力では公家方が遥かに有利であった。軽戦後武家方は東海方面へ撤退を開始。武家方は3千騎を失って東海地方に下がっていく。
南畿にいた高師泰は四国へ渡海。同地の支配を固めて兵力整備を策する。

ターン終了時:武家2VP。遂にVPで武家が優位に立った。

Turn06a


建武3年秋

楠正成主導権は武家4。これで武家が3Turn連続で主導権を取った。公家方は畿内地方で反攻作戦に転じる。楠木正成、菊池俊直らが北畿に進出。同地で旗揚げした洞院実世(1-1★)と合流する。対する武家は足利尊氏が北畿へ進出して楠木正成らを迎え撃つ。足利兄弟の「御舎弟殿」足利直義は東海に残って兵力回復に努める。さらに四国からは高師泰らが瀬戸内海を渡って山陽に進出。楠木らの背後を遮断する。

Turn07a


北畿の戦い。公家方は楠木正成以下6千騎、対する武家は足利尊氏麾下1万4千騎である。兵力的には武家方が2倍以上。武家方の楽勝かとも思われたが、楠木正成は強かった。武家が2ラウンド連続でスカを出すという珍事もあったが、武家方が辛くも勝利を収めた時、武家方の兵力は4千騎まで減少していた。実に1万騎もの損害を出したことになる。一方の公家方はほぼ全滅。菊池俊直は命からがら南九州に逃れ、洞院実世は山中に落ち延びたが、楠木正成が壮烈な討死を遂げる。

山陽道では公家方の名和長年、赤松円心が武家方の高師泰らと戦う。倍以上の兵力を有する高師泰は公家方を圧倒。丹波長年は船上山に逃れ、赤松円心も播磨に籠った。

ターン終了時:武家8VP

Turn07b


建武3年冬

佐々木道誉主導権は公家4。久しぶりに主導権を取った公家方。このままでは公家方は敗北必至なので、乾坤一擲の反攻作戦に転じる。まず北関東に布陣していた新田義貞が東山に進出する。また鎌倉からは北畠顕家らが東海を攻める。さらに九州では、南九州に舞い戻った菊池俊直が大宰府を攻める。三面からの攻勢。これらが全て成功すれば、公家方は年越しの可能性が出てくる。 対する武家は北畿にいた足利尊氏を東海に向かわせて北畠顕家らを迎え撃つ。

まず大宰府。兵力的には武家方5千騎に対して公家方4千騎と兵力では武家が優っていたが、指揮能力では菊池俊直の能力が優った。激しい戦いとなったが、最終的には菊池俊直の公家方がギリギリで勝利した。

東山では新田義貞率いる公家方が圧勝。
そして大本命の東海決戦。武家方は足利兄弟と佐々木道誉等計1万2千騎、対する公家方は北畠顕家、脇屋義助以下9千騎。兵力的には武家方が有利であったが、ここで思わぬ事態が発生。なんと佐々木道誉が2千騎を率いて公家方に寝返ったのだ。

「判官殿の悪い癖がまた出たか・・・」

と尊氏が嘆いたかどうかは知らないが、これで兵力差は一気に逆転。しかも指揮能力では公家方に戦上手の北畠顕家がいる。これでは敵わんとばかり武家方は軽戦後撤退を図る。も、形勢不利とみた土岐頼定(2-4★)も公家方に寝返り。足利兄弟は僅かな供回りを連れて関ヶ原から近江に逃げるしかなかった。

ターン終了時:武家10VP

この時点で武家方の勝利が確定した。公家としては大宰府を占領できれば年越しが可能であった所だったが、支配判定に失敗したため敵わぬ夢となった。

Turn08a


感想

足利尊氏公家としては惜しい所であった。もし建武3年の年を越せれば、足利兄弟はガタガタ。仮に主導権を取って北畠顕家で近江を攻めれば、それこそ足利兄弟を揃って捕らえるチャンスもあった。そうなればVP的に再逆転の可能性が見えてくるだけではなく、中核を失った武家方は総崩れになったかも知れない(ただし高師泰が残っていて、赤松円心も武家方に寝返ったので、武家方にもまだまだチャンスはあるのだが・・・)。

プレイ時間はセットアップを含めて約4時間。8Turn分プレイしたので、1Turnあたりの所要時間は30分弱となる。対人戦だともう少しハイペースが予想されるが、それでも1Turnの所要時間は15~30分と言った所か。当然ながら大きな合戦が起こるとプレイに時間がかかってしまう。

ゲームとしてみた場合、かなりパズル的な思考が要求される。また主導権の影響が大きく、主導権が取れないとどうしようもない点がある。そのあたり好みが分かれてくる所だが、中軽量級ゲームなのでこういうのもアリだろう。本作で感心したのは、中世における分進合撃が上手く表現されている点。戦闘では当然ながら兵力の集中が有利なのだが、兵を徴募する際や支配域を広げる際には兵をばらした方が良い。このように相反する対立要素を上手くゲームシステムに組み込んでいるのが上手い。同じことが京に関する扱いについても言えており、京はVP的には3VPと他を圧しているのだが、京にいる武将は兵を徴募できないので弱体化する一方。政治的な重要性から京に固執するのか、あるいは軍事的な有利性を得るために周辺諸国を攻めるのか。プレイヤーに相反する選択を強いる所が上手い。なるほど、いくつもの傑作ゲームを生み出した「太平記システム」。やはり只者ではない。

同時代を扱ったゲームが他に少ないという理由もあるが、そういった消去法だけではなくても本作をプレイする意義はあると感じた今回のプレイである。

室町戦国史紀行 決戦千早城 楠木正成(上) 楠木正成(下)
私本・太平記(1) 私本・太平記(2) 私本・太平記全8巻セット

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