『Roads to Gettysburg II』(以下、本作)は、GCACW(Great Campaigns of the American Civil War)シリーズの1作で、南北戦争の勝敗を決したゲティスバーグ会戦を作戦戦術レベルで描いた作品である。1Hexは実際の1マイル、1Turnは1日に相当し、1ユニットは、大隊~師団規模の部隊を表す。
今回プレイしたのは、シナリオ5「Battle of Gettysburg」だ。このシナリオは、ゲティスバーグの戦いのクライマックスとなった7月1日~3日の戦いのみを扱ったシナリオである。本作の中でも比較的小規模なシナリオなので、GCACWシリーズの入門用としても適したシナリオといえる。
今回はVASSAL対戦による通信プレイで、筆者は北軍を担当した。
前回までの展開 --> こちら
第2Turn(1863年7月2日)
南軍はその矛先を北軍左翼に向けてきた。Longstreet麾下のMcLaws師団が、北軍第11軍団に襲いかかる。Steinweber、Barlow、Stannardの各師団が次々と撃破され、第11軍団は瞬く間に戦闘力を失った。南軍、恐るべし。
一方の北軍は、ゲティスバーグ南方2マイルにSickles将軍麾下の第3軍団を布陣させ、ゲティスバーグ奪回の構えを見せる。この第3軍団は他の北軍師団とは異なって兵員数や火砲の数で南軍師団に近い規模になっていて、他の北軍師団よりは抵抗力の期待できる師団であった。さらに砲兵旅団1個を追加投入してその守りに万全を期している。
北軍右翼には、新たに到着したSolcum将軍麾下の第7軍団が、南軍左翼に対して圧力をかけつつあった。さらにその前方では、DM Gregg麾下の北軍第2騎兵旅団が南軍戦線の背後に浸透し、背後を牽制しつつあった。
第2Turn終了時点でのVPは、南軍13VPに対して北軍2VP。既に10点以上差が付けられている北軍であったが、まだ負けたとは思っていなかった。
第3Turn(1863年7月3日)
最終Turnである。このTurnの焦点はゲティスバーグの支配だ。ゲティスバーグを北軍が奪回すれば、逆転勝利のチャンスが生まれてくる。否、ゲティスバーグそのものを占領できなくても、ゲティスバーグの隣接Hexに布陣すれば南軍のVPを減らすことができる。これによって北軍が勝利する可能性は小さいが、少なくとも南軍の勝利レベルを下げることは期待できる。無論南軍もそのことは知っているので、ゲティスバーグの死守とゲティスバーグ周辺の北軍部隊排除を狙ってくるだろう。
まず南軍が動いた。Ewell将軍麾下の第2軍団が北軍右翼を攻撃し、北軍第2騎兵旅団を排除にかかる。一方の北軍はSolcum将軍麾下のWilliams師団が、南軍Early師団を撃破し、ゲティスバーグ東部の回廊を切り開いた。
しかし南軍もすぐにRodes師団が反撃に転じ、北軍Williams師団を追い払う。さらに南軍左翼を強化すべく、Hill将軍麾下のPender師団も防御に向かう。
北軍左翼からはHadcock将軍麾下の北軍第2軍団が、南軍Longstreet麾下のHood師団を攻撃。この栄光に満ちた師団を後退させることに成功した。そして戦線中央ゲティスバーグ前面では、Sedgwick将軍麾下の北軍第6軍団所属の2個師団が、恨み重なる南軍Heth師団に対して総攻撃を実施。これが見事に成功してHeth師団を敗走させることに成功した。
これでゲティスバーグに隣接する2Hexを確保した北軍。できればゲティスバーグを奪回したい所だ。一方の南軍は、右翼のLongstreetをゲティスバーグ方面に回して、北軍に対して反撃したいところだ。
南軍は唯一疲労度の小さいAnderson師団を以てゲティスバーグに接敵する北軍部隊を攻撃する。攻撃を受けたのはSedgwick将軍麾下の第6軍2個師団。先ほど南軍Heth師団を撃破した部隊だ。Perter師団との共同攻撃で北軍を撃退する。
最後に残ったのはSicklesの第3軍団である。しかし彼らも南軍Anderson師団の攻撃を受けて会えなく敗走。その結果ゲティスバーグに隣接していた北軍部隊は全て排除されてしまった。
結果
北軍:敵撃破によるVP:10VP南軍:敵撃破によるVP:28VP
ゲティスバーグの隣接Hexに北軍が存在しない:13VP
合計:41VP
差が31点で南軍の決定的勝利
感想
負けたぁー。完敗である。正直こんなに差がつくとは思わなかった。ゲティスバーグの周辺から一掃されたので勝てるはずはなかったが、まさか最悪の敗北になるとは・・・。まず驚いたのが損害の差である。10対28。北軍も頑張ったといえなくはないが、損害比が1:3近くなのだから話にならない。あとで南軍プレイヤーに聞いた所、弱いユニットを狙い撃ちにしていたとのこと。なるほど。土地に拘らず部隊に拘るとこれほどVPの差がつくのかと感じ入った次第。
それでは北軍はどうすれば良かったのか?
主導権が取り辛く、かつ個々のユニットが弱い北軍が積極的に攻勢を仕掛けることは難しい。敵の包囲攻撃に注意しつつ、CRTの特性を利用して防御戦闘で相手に出血を強いるという考えは間違いないだろう。とはいえ、今回のように差がついてしまった理由は何か?
最初の軍司令官アクションを最前線の部隊で実施したことは間違いではない。早い段階で前線を形成しないと南軍に側面に回り込まれて大損害を被るからだ。出目が悪くてゲティスバーグを防衛ラインに含められなかったのはアンラッキーだったが、まあ仕方がない。
では、他に何か打てる手があったか?
史実を見ると、北軍はゲティスバーグ周囲で抵抗を続け、最終的には南軍を撃退した。それを可能としたのは兵力的な優位だった。今回のプレイでの最大の失敗は、増援の到着が遅れたことだ。部隊の疲労を嫌って緩慢な前進を行った結果、Hancockの第2軍団のゲティスバーグが2日目になってしまった(史実では7月1日午後にゲティスバーグ南方に布陣)。この遅れが南軍による各個撃破を許し、北軍の損害を増大させたものと見る。
繰り返すが、第1軍団と第11軍団のゲティスバーグ早期派遣は間違っていない。彼らがゲティスバーグに辿り着けなかったのは、単にダイス目に恵まれなかっただけだ。間違いは後続部隊の到着が遅れたこと。北軍としては万難を排して増援部隊を早期に戦場に送り込む。これを怠ったことが今回の敗因ではなかったと思う。










シナリオ特別ルールで、北軍はTurn開始時に軍司令官活性化アクションを実施できる。これはMeade将軍の指揮範囲内にあるユニット10個までを選択し、ダイスを振って決めた移動力範囲で移動できるというものだ。この時出目が良ければ最大7Hex移動でき、北軍の歩兵師団をゲティスバーグの守りに入れることも可能であった。しかし今回出目は最低の1。軍移動ルールによって出目2が保証されているので、3移動力を使うことができたのは不幸中の幸いと言える。

そしてゲーム開始。南軍は予想通りHill将軍麾下のHeth師団がゲティスバーグに猛攻を仕掛けてきた。北軍Buford麾下の第1騎兵旅団は無理をせずに戦闘前退却を行う。それでも南軍のゲティスバーグ突入を一時的にせよ足止めした。



続いてRobinson師団も撃破され、北軍第1軍団は事実上半身不随の状態である。ゲティスバーグ周辺の北軍も一掃され、ゲティスバーグの周辺は南軍が支配していた。この時点でのVPは、南軍7VP、北軍1VPである。



政治的に苦しくなってきた南軍は、ミシシッピ戦線で反攻に転じた。南軍ジャクソン将軍麾下のテネシー軍改めミシシッピ軍は、同じく北軍グラント将軍麾下のミシシッピ軍とCanton Cityで交戦する。兵力に劣る南軍であったが、優れた指揮によって北軍を撃破し、南軍は西部戦線での大勝利に沸いた。しかし南軍の名将ボーリガードがこの戦いで戦死した。なお、この戦いは両軍合わせて24SPという空前の規模の戦いであった。

戦いに勝利した南軍であったが、兵力を著しく損じた南軍は、兵力に勝る北軍の猛反攻を受けることになる。ジャクソン将軍麾下の南軍部隊は兵力に勝る北軍部隊の攻撃を支えきれずズルズルと後退。勢いに乗る北軍部隊は重要な鉄道結節点であるジャクソンを支配し、さらにミシシッピ川に残った南軍最後の要塞であったヴィックスバーグ要塞も陥落した。一連の戦いで北軍のカーティス将軍と南軍スミス将軍が戦死する。なお、一連の戦いでミシシッピ州を北軍が支配することとなった。

著しく弱体化した南軍ミシシッピ軍を強化するため、テネシー州とジョージア州の州境を守っていた南軍部隊から2SPが引き抜かれ、A.ジョンストン将軍が率いてミシシッピ軍に急派された。これにより何とか兵力を回復したミシシッピ軍は、ミシシッピ州とアラバマ州の州境に防衛ラインを築いた。しかしそのために弱体化したジョージア北部の南軍部隊を、ビューエル将軍麾下の北軍カンバーランド軍が襲いかかった。これまでは辛うじて互角の兵力を維持していた南軍部隊だが、ミシシッピ軍への増兵によってその兵力が4SPまで減らされていた。この兵力では北軍カンバーランド軍の猛攻を支えきれない。州境は破られ北軍が州都アトランタに突入した。アトランタの市街地は焼き払われ、南部連合は政治的に大きな打撃を受けることになる。

ジョージア戦線の危機を救うべく、首都防衛の任に当たっていた南軍北ヴァージニア軍からシェナンドー渓谷を経由してテネシー州への反攻作戦が実施された。作戦を指揮するのはJ.ジョンストン将軍。マナサスを発したジョンストン将軍は、シェナンドー渓谷からアパラチア山脈のふもとテネシー川沿いに南下し、テネシー州の入口というべきRodgersvilleを守備する北軍守備隊を撃破した。しかし北軍はその南西Knoxvilleに2SPの守備隊を送り込んでジョンストン将軍の南下を阻止し、さらに後方Wythevilleにバンクス将軍麾下の2SPを派遣してジョンストン将軍の後方遮断を図る。慌てた南軍は北ヴァージニア軍の主力部隊を以てバンクス軍を撃破、なんとかジョンストン将軍の後方を守り切った。またジョンストン将軍も北ヴァージニア軍本隊の合流し、テネシー州への反攻作戦は失敗に終わった。

再編成された南軍ジョンストン麾下のミシシッピ軍は、廃墟となったアトランタに突入する。アトランタで暴虐の限りを行っていた北軍カンバーランド軍に対して、怒りに燃えた南軍部隊が猛撃を加えた。北軍部隊は予想外の大反撃を受けて壊走し、テネシー州との州境へ向けて後退していく。



兵力不足著しい南軍は、既に全戦線で崩壊を来していた。最早防御は不可能である。かくなる上は反撃しかない。リー将軍麾下の北ヴァージニア軍8SPが北上を開始し、フレデリックを守る北軍ポトマック軍13SPと交戦する。兵力ではポトマック軍の方が優勢であったが、指揮に勝る南軍が北軍を撃破した。首都ワシントンに後退したマクレラン将軍麾下のポトマック軍に対し、リー将軍麾下の北ヴァージニア軍は猛攻を加える。一度は北軍部隊が南軍部隊を撃退したが(第1次ワシントン攻防戦)、その戦いで北軍騎兵指揮官プレソントン将軍が戦死してしまう。これが北軍にとっては痛かった。
そしてリーによるワシントンDCに対する2度目の攻撃が始まった。マクレラン麾下のポトマック軍の方が兵力面では優越していたし、ワシントンには北軍の要塞もあった。しかしこの戦いでは騎兵の有無が勝敗を分けた。騎兵を失い偵察能力を失った北軍は南軍の攻撃に対して適切に対処できなかった。北軍の前線が突破されて遂に戦線崩壊。北軍部隊は総崩れとなってバルチモア方面へ撤退していった。リンカーン大統領も慌てて首都を離れていき、南部連合は遂に合衆国首都ワシントンDCを陥落させたのである。

ワシントンDCでの状況に関係なく南部戦線での北軍は、ジョージア州全域に対して侵攻を開始していた。北軍のカンバーランド軍とミシシッピ軍で合わせて24SP。対する南軍ミシシッピ軍は9SPで兵力は3倍近い違いがあった。ジャクソン将軍麾下の南軍部隊は果敢に交戦し、北軍を苦しめるも、圧倒的兵力差により遂に壊滅するに至った。さらにジョージア州全域が北軍の支配下に落ちたことで南部連合は戦争の継続が困難と判断し、ここに合衆国に対して降伏するに至ったのである。


正直難しかったです。南軍が難しいので正直どうやって良いかわかりませんでした。しかし最終Turnに試みにチャレンジしてみたワシントン攻撃が成功したことで、ある程度南部の作戦が見えてきました。南部は兵力面で北部に劣っているので、広域戦略になれば勝ち目がありません。だから局所集中で東部戦線で攻勢を加えて北部に脅威を与えるのが得策と思えます。ワシントンDCを落とすことができれば御の字ですが、仮に落ちなくても北軍に脅威を与えることで西部戦線での敵の攻勢を鈍らせることが期待できます。今回のプレイでは、東部戦線の南軍が退嬰的だったので、北軍のペースに巻き込まれてしまいました。ジャクソン将軍も敢えてミシシッピ軍の指揮官として登用せず、史実通りリーの右腕として戦わせるのが得策でした。その方がSWのロスが小さいですし・・・。
今回、久しぶりにキャンペーンシナリオをプレイしてみましたが、やはり面白いですね。戦線を作るタイプのゲームではないのでどう戦って良いのか結構迷いますが、主導権をいかに敵に渡さないのかがポイントになりそうですね。研究すればするほど味が出てきそうなゲームなので、色々と試してみたいと思います。

先手を取った北軍は、ポーター提督麾下の艦隊でメキシコ湾岸ニューオーリンズを守るFortsSt.Philip/Jacksonに対して上陸作戦を敢行した。ポーター提督によるDRM+2の威力は大きく、Philips/Jackson要塞は瞬時に陥落した。慌てて南軍はボーレガード将軍麾下の2SPを急遽ニューオリンズに送り込み、北軍の侵攻を抑え込む。

南軍はヴァージニア軍の指揮官であったJジョンストン将軍を解任し、リー将軍をヴァージニア軍の指揮官に推挙した。軍指揮官は戦死チェックの対象外になるので、リーを戦死の危機から守るための処置である。これは政治的に見て失点が多い策だったが(前の合戦の勝者であるジョンストン将軍をクビにするのだからこれは混乱不可避、ゲーム的には国家の戦意低下という形で処理される)、リー将軍の重要性を考えると仕方がないと言えよう。


南軍テネシー軍では、これまで指揮をとっていたAジョンストン将軍を解任し、無名のジャクソン将軍を指揮官に抜擢した。あまりの無謀な人事に南軍の士気は激減(SW値-12)した。



マナサスでの勝利によってさらに北軍中枢部へ侵攻したい南軍であったが、ポトマック川に守られた首都ワシントンを右側背に残したまま、さらなる北進はさすがに危険である。南軍はマナサスに要塞を築き、守りを固める。


北軍にグラント将軍が登場した。直ちにテネシー軍の司令官に就任する。12SPという巨大な兵力を得たグラントは、ミシシッピ川に沿って南下作戦を開始する。ミシシッピ河畔を担当していた南軍ジャクソン将軍率いるテネシー軍とOxfordで激突する。両軍合わせて20SPの大合戦はこの戦争始まって以来最大規模のものだった。北軍は辛くも南軍を撃破。この勝利は合衆国国民の戦意を高揚させ、一方連合国の戦意を大いに下げた。勢いに乗る北軍はミシシッピ州を南下し、鉄道の結節点であるMeridianに近づいてきた。

