もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 冷戦後の仮想戦

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220311_第3次世界大戦1

第三次世界大戦(1)

大石英司 中央公論

太平洋を舞台として米中の全面戦争がテーマの仮想戦記だ。設定は恐らく2020年代だろう。とあるテロ事件をきっかけに米中でサイバー戦争が起こり、その結果米国で多くの死者が出た。それに怒った米軍が動き出し・・・。という感じで米中の全面対決へ向かうのかな?。それは読んでみてのお楽しみ。
そこそこボリュームがあるが、偶発的な事態が武力衝突に発展していく過程が丹念に描かれている。荒唐無稽な展開でもなく、かつ読んでいて楽しい作品。続編を読むのが楽しみだ。

お奨め度★★★

AirPowerシリーズについては、 既に何度も紹介している ので、そちらを参照されたい。今回はその中から個人編集のサプリメント集である View from a Cockpit のIssue#2「Chinese Air Power」から、シナリオTS-9「第2次金門・馬祖上空」をプレイしてみた。このシナリオは、1975~1995年における中国・台湾の空中戦を描いたもので、一方の挑発行動から両軍の激突に発展したケースを想定した仮想シナリオである。
今回は、共産側を挑発側、民国(台湾)側を迎撃側とした。登場兵力は共産側がJ-8I"フィンバック"が4機、民国側がF-CK-1A"経国"が2機とした。プレイスタイルはVASSALによるソロプレイである。

VfaC2


1Turn

マップ北端より国籍不明機4機が巡航速度(550mph)で進入する。横一列のラインアブレスト編隊である。編隊各機の間隔は1マイルだ。

J-8


2Turn

マップ南端から民国戦闘機2機が進入する。民国国産のF-CK-1A"経国"戦闘機だ。各機は翼下に計4発のAIM-9P4"サイドワインダー"赤外線誘導ミサイル、胴体下には計2発のAIM-7F"スパロー"レーダー誘導ミサイルを装備している。高度19,000ft、速度700mph。ほぼ音速だ。優速を利して2機の民国戦闘機は、中共戦闘機に対して高度の優位を確保しようとする。

F-CK-1


3Turn

民国戦闘機の1番機が前方約8マイルに国籍不明機を発見した。不明機は4機。亜音速で真っすぐ近づいてくる。

Turn03a


4Turn

国籍不明機は民国領空に侵入した。なおも民国領空内奥深くに進入してくる。民国戦闘機は国籍不明機とすれ違った。しかし国籍不明機は編隊を崩す気配がない。

5Turn

「国籍不明機は共産軍の戦闘機と判明。当方の警告に応じる気配なし。直ちに撃墜せよ。繰り返す。直ちに撃墜せよ」

遂に撃墜許可が出た。共産側戦闘機はJ-8I。NATOコードネームは"フィンバック"。MiG-21を大型化、双発可したような戦闘機だ。共産機の背後に回り込んだ民国側隊長機は、敵機の後方2マイルからAIM-9P4"サイドワインダー"赤外線誘導ミサイル1発を発射した。

Turn05a


6Turn

ミサイルを発見したJ-8Iは、エンジンを絞り、右旋回を行う。立て続けにフレアを発射。サイドワインダーはフレアに騙されて明後日の方向に飛び去った。しかし隊長機はなおも目標に接近。距離1マイルから2発目のサイドワインダーを発射する。
民国戦闘機2番機は隊長機の左後方2マイルに位置して隊長機をバックアップする態勢を取る。

Turn06a


7Turn

しかし中共側戦闘機は腕利きだった。接近するサイドワインダーを見るや急旋回しつつフレアを発射。ミサイルはまたもやフレアによって騙された。しかしミサイル回避によって速度が低下したJ-8Iに対し、民国側隊長機は急接近する。アングルオフ90度の偏差射撃。難しい射撃姿勢であったが、レーダー照準によるアシスト、民国側隊長機の技量、そして20mmバルカン砲の性能がそれを補った。約200発の20mm機関砲弾が放たれ、そのうち数発が目標機を直撃した。エンジンとアビオニクスに被弾した共産側戦闘機は、それでもなおも飛び続ける。民国戦闘機は3発目のサイドワインダーを発射した。

Turn07a


8Turn

アビオニクスを破壊された共産側戦闘機は、最早フレアを発射することもできなかった。ミサイルが損傷した中共機の至近距離で近接信管を作動させる。共産側戦闘機はバラバラになって落ちていく。

「1機撃墜!!」

10Turn

共産側が反撃に転じた。民国戦闘機のうち、バックアップの位置にいた2番機の左右を抑え、その間別の1機は後方に回り込む。後下方約2マイルから1機のJ-8Iが2発のPL-5B赤外線誘導ミサイルを発射した。2発のうち1発は発射直後に失速して落ちていったが、もう1発が正常に作動し、民国空軍経国戦闘機の後方から迫ってくる。

Turn10a


11Turn

「後方からミサイル。回避しろ」

隊長機から警告が飛ぶ。2番機パイロットが振り返ると、後方からミサイルが迫ってきている。2番機はエンジンの出力を落しつつ、右へ急旋回を行う。ミサイルが十分に近づいた所で立て続けに数発のフレアを発射した。旧式の共産側ミサイルはフレアに騙される・・・筈だった。
・・・・
しかし、・・・
ミサイルはフレアには見向きもせずに真っすぐこちらに向かってくる。
「なぜだ・・・」
理由も分からないままミサイルは2番機を直撃した。

12Turn

2番機はミサイルの直撃を受けて胴体に重大な損傷を被った。しかし弾頭威力が小さいことと機体の安定性が良かったため幸い飛行継続は可能だ。ただし機体に被った損害のため、急旋回ができなくなっている。この状況で戦闘継続はできない。逃げる2番機対し、共産側戦闘機はさらに2発のPL-5B赤外線誘導ミサイルを連続発射した。

Turn11a


13Turn

被弾した2番機はミサイルから懸命に逃げる。幸い電子戦システムは無傷であったため、接近するミサイルに対してフレアを連続発射する。今度はフレアによる妨害が功を奏し、2発のミサイルは目標を失って墜落していった。2番機を追跡していた共産側戦闘機は、全てのミサイルを撃ち尽くした。あとは機関砲しかない。

Turn13a


14Turn

民国側隊長機が再び腕の冴えを見せた。共産側戦闘機の左斜め前から接近し、20mm機関砲を叩き込んだ。偏差角150度という高偏差角射撃。普通なら命中しない位置関係だが、再びバルカン砲の優秀性が発揮された。約200発が発射されて10発以上が目標に命中。目標機はバラバラになって墜落していった。2機撃墜。

Turn14a


15Turn

これで共産側は2機を失った。また1機は空対空ミサイルを撃ち尽くした。従ってミサイルを残しているのは1機だけである。しかし民国側も1機が中破して離脱中。無傷の隊長機も残った兵装はサイドワインダーとスパローが各1発ずつのみ。20mm機関砲も残弾数は約100発で、わずか1秒の斉射で撃ち尽くす量であった。

Turn15a


16~20Turn

その後、両陣営は攻撃の機会を伺うが、攻撃の機会を得ない。最終Turn(20Turn)に民国側隊長機が共産側の1機に20mm機関砲弾を叩き込み、これを中破させた。

結果

民国側の戦果

撃墜2機、中破1機
なお撃墜された2機のうち、1機のパイロットは戦死、もう1機のパイロットは民国側の捕虜になった。
合計56VP

共産側の戦果

中破1機
他に示威行動による4VP、民国側先制射撃による15VP
合計31VP

感想

旧式のミサイルは苦しいですね。今回民国側が使用したAIM-9P4は一応全角度型の赤外線誘導ミサイルなのですが、NATO諸国が使用しているAIM-9L/Mに比べると低視認性やIRCCMの点で劣り、さらに運動性も良くない。結果として撃たれた側の対処が容易になります。チャフ・フレアを普通に搭載している戦闘機が相手の場合、この種のミサイルを命中させるのはかなり厳しく、今回民国側戦闘機が発射した3発(AIM-7Fを含めると4発)の空対空ミサイルのうち、有効弾は1発のみ。しかも目標機が損傷によりフレアが使えないという状況で初めて有効弾を与えたという有様。逆に言えば、無傷の共産機が相手の場合は1発のミサイルも命中しなかったということ。
因みに共産側のミサイルは4発発射して1発が命中。これまたあまり好成績ではありませんが、こちらは元々性能に劣るミサイルだった(全角度型ではない)ので、まあ仕方がない所。
その一方で今回大活躍したのが20mmバルカン砲。高偏差角射撃でもレーダーのアシストがあれば50%以上の命中率が期待できる。今回は出目にも恵まれて全ての射撃機会で命中弾を得た民国側戦闘機。やはり機関砲は重要だなぁ、と改めて感じた次第。

前回の、 Top Gunシナリオ の時に比べると、今回は機数が少なく、プレイは楽でした。またルールにも慣れてきた点が大きかったです。AirPowerは確かに複雑なゲームでプレイに時間がかかりますが、時間のかかる要因は大半がルールの確認です。それがなければ1Turnの所要時間15分というのも決して不可能ではありません。実際、今回のプレイに要した時間は、実質的には数時間。1日あれば完了できる時間です。

そういった意味で年に1回ぐらいはAirPowerをプレイし、ルールを忘れないようにしたいものです。

さて、次はどこの空で戦いましょうか。

写真1
写真2

2020年代の東アジアにおける海上戦闘を描いた「日中韓・現代海戦三国志」は、シンプルなルールで複雑な現代海戦を描いた好ゲームです。
今回、Game Journal誌の協力の元、本作のVASSALデータを公開することになりました。

自粛生活のお供にお楽しみ頂ければ幸いです。

ダウンロードサイトは --> こちら

イメージ 17

「尖閣ショウダウン」は2013年に国際通信社から発売されたシミュレーションゲームで、テーマは尖閣諸島及び南西諸島を巡って予想される日中の軍事衝突です。正に「今そこにある危機」です。
システムは有名な「レッドドラゴンライジング」(CMJ#92)をベースとしたもの。一見するとルールは多いので、ルールブックを読み通すと結構辛いですが、プレイしてみるとサクサクプレイできます。

今回、本作をプレイしてみました。下名は自衛隊を担当します。

1Turn

イメージ 10南西諸島沖に集結した中国艦隊。そのまま与那国島に接近し、師団規模の部隊を上陸させた。すわ、中国軍による侵攻か。自衛隊は沖縄近海に出動していた第1護衛隊群に加えて佐世保の第2護衛隊群、呉の第4護衛隊群にも沖縄近海への出撃を命じた。

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2Turn

イメージ 11中国軍は与那国島に続いて尖閣諸島にも上陸。魚釣島に特殊部隊を上陸させて同地を支配する。自衛隊は3個護衛隊群を集結させた大艦隊を宮古諸島沖に集結させて中国側を牽制する。今の所、中国軍による日本領土への進攻はあったものの、いずれの側からも実弾射撃はない。東シナ海の海は緊張した空気に張りつめる中、日本政府は非軍事的な解決方法を探るべく必死の外交努力を行う(ということにしておこう)。

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3Turn

イメージ 12八重山諸島を守備する自衛隊を爆撃するべく数十機の中国軍機が日本領空内に飛来してきた。那覇を発進した航空自衛隊のF-15戦闘機がそれを迎撃する。この時点で未だ中国側からの「攻撃行為」はなかったので、攻撃を躊躇う自衛隊機。それでも現場からは射撃許可を求める矢の催促。
そして・・・、
遂に中国戦闘機がF-15に向けてミサイルを発射した。数発のPL-12アクティブ誘導ミサイルがF-15に迫る。チャフと急激な回避運動によって辛くもミサイルを回避したF-15は直ちに自衛のための戦闘を開始した。前方に迫るJ-11戦闘機をレーダーロックオン。直ちに99式空対空誘導弾(AAM-4)、さらには04式空対空誘導弾(AAM-5)を発射する。狙い違わずミサイルは命中。瞬く間に数機の中国機が四散する。日中最初の空中対決は日本側の完勝に終わった。

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(Photo by Wikipedia)

4Turn

イメージ 13イベントで「陸自部隊の事前配備」が発生。中央即応連隊を与那国島の比川山中に配置する。
中国側は本土に待機していた空母機動部隊に出撃を命じた。戦火の拡大に頓着しない中国側。彼らの狙いは何なのか?。

5Turn

イメージ 14尖閣諸島を奪回すべく特殊部隊を搭載した海上自衛隊が誇る潜水艦9隻が尖閣諸島に進攻した。尖閣諸島近海で中国海軍の潜水艦3隻と交戦した海自潜水艦部隊はその全てを撃沈。こちらの損害はゼロで海上自衛隊初の海中戦闘(WW2以降で初の潜水艦対潜水艦の水中戦闘)は海上自衛隊の完勝に終わった。

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6Turn

イメージ 15中国側空母機動部隊が尖閣諸島沖で集結した。圧倒的な火力となった中国艦隊に対し、海上自衛隊も全艦集結。八重山諸島近海に待機して決戦の機を伺う。尖閣諸島には海自潜水艦から出撃した陸自の特殊部隊が上陸。同地の奪回を目指す。

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7Turn

イメージ 16海上自衛隊が動いた。八重山諸島沖の艦隊が与那国島沖まで移動する。与那国島を占拠する中国軍に対して猛烈な艦砲射撃を浴びせてこれを撃破した後、地上部隊を上陸して同地を奪回した。これで与那国島を取り返した・・・、筈だったが、尖閣諸島を包囲していた中国艦隊が突如八重山諸島に移動してきた。こちらも艦砲射撃で八重山諸島を守る陸自部隊を撃破。その後八重山諸島を占領した。

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結果

大量の増援を投入した自衛隊側がVP差で敗北した。

感想

プレイ時間は2~3時間です。

まずは細かい反省から。序盤に尖閣諸島に護衛艦を配置しなかったのは失敗でした。先制攻撃を食らえば沈むことは避けられませんが、中国側が先に撃ってくれたら、こちらも大手を振って反撃できるようになる。自国領土が進攻されても武装反撃できない我が自衛隊の悲しい所ですが、現実がそうだから仕方がない。かつて海上自衛隊員のとある方が「我々の仕事は相手の最初の1発目に撃たれることだ」というお話を伺ったことがあります。「戦争放棄」の理想と現実のギャップを感じさせる部分です。

ゲーム展開での反省点としては、自衛隊としては乾坤一擲の決戦を挑むべきではなかったか、と言う点です。自衛艦隊の運用がやや退嬰的だったかなというのが反省点です。とはいえ、現実の世界をオーバーラップさせて考えた場合、果たして自衛艦隊全滅を賭してまで東シナ海の小島に固執するのを是とするか否とするのか。
実は「フォークランド・ショウダウン」をプレイしていた時に感じた違和感も全く同じで、ゲームとしては英。アルゼンチン双方とも全滅を賭して戦うのが常道なのでしょうが、プレイしていて「南大西洋の小さな島を巡って艦隊全滅を賭して戦う」のは馬鹿げています。そして史実もまさにその通り。英ア双方とも限定戦争の枠組みの中で出先の結果だけで勝敗を決したのが史実。ところがゲームでは何故か大艦隊決戦になってしまう・・・。

無論、上記は負けた側の良い訳でして、積極的に「リスクを取る」という観点から言えば私の指揮は退嬰的過ぎました。今回の私の対戦相手氏なら恐らく何の躊躇いもなく「見敵必戦」で果敢に決戦を挑んできたでしょう。その点が私のゲームの弱さだと反省しております。ゲームとしての勝ちを目指すのであれば、もっと積極的に行くべきだったかもしれません。

何だかゲーム自体は個人的に不完全燃焼な結果に終わりましたが、「尖閣ショウダウン」自体はシンプルで面白いゲームです。機会を見つけて再戦してみたいです。そして今度こそは自衛隊に勝利の栄冠を掴ませたい・・・。

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(Photo by JMSDF HP 写真ギャラリー)

おまけ

今回プレイした会場のすぐ近くに海上自衛隊の停泊地がありました。写真を撮ったので以下に紹介します。平和を守るために黙々と任務を遂行する彼らに敬意を感じると共に、今回のプレイ内容が現実にはならないことを祈るのみです。

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Red Dragon Fallingは、2015年に米国Decision Games社から発売されたシミュレーションゲームである。Modern War誌の第19号として発売された。デザインはタイボンバ。
テーマは近未来に予想される共産中国の内乱で、プレイヤーは共産陣営と反共陣営に分かれて中国の覇権を賭けて戦う。1Hex=80マイル、1Turn=2ヵ月、1ユニット=師団から軍集団となっている。空軍も登場する。

イメージ 9システムは非常にシンプルで、アクションポイント(本作ではMHP=天明点という名称になっている)を使って部隊の移動や戦闘を行い、敵ユニットの除去、敵支配都市の奪取等を狙う。内乱ということでユニットの表裏で共産陣営、反共陣営を使い分ける。同じユニットが状況に応じて共産側についたり、反共側についたりする訳だ。だから通常の移動、戦闘以外に調略に関するアクションがあり、出目が良ければ敵陣営に所属している1スタックが丸丸自陣営のものとなる。
また台湾軍も登場するが、台湾軍は共産側につくことはない。また核兵器も登場し、核兵器を使うことで1ヘクスの敵ユニットを都市も含めて蒸発させることができる。ただしペナルティが厳しいので、バンバン使う訳にはいかない。他には長江のダムルールがある。

今回、テーマの珍しさに惹かれて購入してみた。早速ソロプレイを試してみる。

1Turn

イメージ 6このゲーム、共産陣営と反共陣営はランダムに選んで配置される。共産陣営は航空兵力を多く引き、また戦略要地である三峡ダムを支配した。対する反共陣営は、地上部隊を多く獲得した。反共陣営は、首都をハルビンに設定する。
序盤は両軍とも支援部隊と主戦部隊の合流を行い、確保撃破を避けようとする。概ね両軍とも兵力の再編成が完了した時点で両軍とも次の行動に移った。

イメージ 7さらに反共陣営は台湾に働きかけて反共陣営について参戦するように工作を仕掛けた。台湾は大陸進出の好機と捉えてその誘いに乗った。台湾軍第10海兵軍団(8-8-d3)が台湾海峡を渡って大陸に進出。広東省平定作戦の中核となるべく、深セン市に布陣した。
対する共産陣営は台湾軍の出鼻を挫くべく、深セン市に対して核攻撃を実施した。深セン市は核の炎に焼かれ、同市に駐留していた台湾第10海兵軍団は壊滅した。

反共陣営は直ちに核報復を実施。戦略要域である三峡ダムに核弾頭を打ち込んだ。三峡ダムは崩壊して放射能を含んだ洪水が下流の都市を襲う。南京、無錫、上海といった長江デルタ地帯の都市が壊滅した。

イメージ 8しかし両陣営ともそれ以上の核攻撃は行わず、地上部隊が中心となって活動を行う。特に反共陣営は台湾から海を渡ってやってきた台湾海兵軍団2個が中核となって中国内陸部を突き進む。長沙、武漢が反共陣営の手に落ちた。さらに北上した台湾海兵軍団は、共産陣営の首都北京に隣接する天津に対して攻撃を実施し、これを陥落させていた。

Turn終了時の支配都市数(MHP):共産側9(40)、反共側17(28)

注:MHPはMandate of Heavey Pointの略称で、「天明点」と訳される。補給ポイント乃至は指揮ポイントと同等のものと考えてよい。

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2Turn

イメージ 10反共陣営は満州に攻め込んだ。長春市を包囲する反共陣営に対し、共産陣営は2回目の核攻撃を実施した。台湾からの海兵軍団が核の炎に焼かれた。しかし残った反共陣営は長春市を攻略。さらに遼東半島を南下して大連市も占領し、反共陣営の首都ハルピンから、長春、奉天、大連といった所謂「満鉄ライン」は反共陣営の支配する所となった。
さらに反共陣営は内陸部四川省でも攻勢を仕掛けて、成都、重慶の両都市を占領した。

対する共産陣営は兵力の拡張に努めつつ、河南省の鄭州、河北省の石家荘、山西省の太原を占領した。しかし度重なる核攻撃によって共産陣営は民衆の支持を失いつつあり、さらに反共陣営の攻勢によって領地を失いつつある共産陣営なのであった。

Turn終了時の支配都市数(MHP):共産側8(16)、反共側18(25)

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3Turn

共産陣営はかなり苦しくなってきたので、反共陣営の部隊に働きかけて寝返りを画策する。しかしダイスが悪く寝返り工作は悉く失敗に終わる。その間、鄭州、西安が反共勢力の手中に落ちた。

この段階で共産陣営は勝利を諦めて投了。反共陣営の勝利が決まった。

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感想

予想通りルールはシンプルでプレイ時間も短い。今回はソロで記録を取りながらので2日ほどかかったが、対人戦なら1~2時間ぐらいで終わりそうだ。

ゲームに対する評価だが、正直言えば「あまり面白くなかった」というのが本音である。戦略、戦術以前に初期配置とゲーム中のダイス目で決まってしまいそうに思える。また反共陣営は強力な台湾軍を使えるので、その分バランス的には反共軍が有利だと思う。
現代の中国軍に特別な思い入れでもあればそこそこ楽しめるゲームかもしれないが、そうでなければ「一体何が面白いのか」良く分からないゲームであった。

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