もりつちの徒然なるままに

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カテゴリ:戦史 > 古代史

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いっきに読める三国志

いっきに読める三国志

島崎晉 PHP研究所

いっきに読める三国志
黄巾の乱から晋の成立による三国時代終焉までの約100年弱の三国時代を年代別に整理した著作である。ベースは正史三国志で、「三国志演義」の方ではない。従って桃園の誓い、美女連環の計などの話は出てこない。それでも曹操、劉備、呂布、関羽、孫権、諸葛亮といった三国志を彩る様々な人物が登場して舞台を盛り上げている。
「いっきに読める」と書かれているが、三国志の歴史全体を全て触れているので、情報量はかなり多く、さらに五丈原より後の話になると、それこそ馴染みのない人物が色々と登場してくるので、全体を追うのは難儀する。かくいう私も、五丈原以降の話は流し読みしていたので、全体の流れがなんとなく追いかけられたというのが実情である。
三国志については様々な書籍が出版されており、本書もその中の1冊として読む分には適切なのではないだろうか。

お奨め度★★★


いっきに読める三国志 図解三国志-群雄勢力マップ 三国志(1)-(10)
Game Journal 92-孤高の曹操 Game Journal 86-戦略三国志英雄伝説 Game Journal 58-曹操最大の危機

GJ92_表紙

官渡の戦い前夜から赤壁までの曹操の戦いを完全ソロプレイゲームで再現するSLGです。
プレイヤーがデッキから1枚づつカードを引き、引かれたカードに該当する武将が行動するだけのシンプルなシステムですが、登場する武将やエリア数が整理された結果、「孤高の信長」「孤高のモントゴメリー」よりさらに短い時間でプレイ可能な作品に仕上がっています。

ゲームは兵力では侮りがたい袁術軍と武勇値で圧倒的な呂布軍に加え、プレイが進むにつれ巨大な兵力を誇る袁紹軍、劉備軍の後ろ盾となる劉表軍、行動カードが「孫権」「周瑜」の2枚ありバランスの取れた孫権軍、そして行動カードが「劉備」「関羽」「張飛」と3枚あり敏捷性と「関羽」「張飛」の攻撃力が脅威となる劉備軍など、個性的な敵群雄が続々と参戦してきます。

特に「ラスボス」諸葛亮が登場すれば、劉備軍の弱点が解消し一気に対処至難な強敵と化すため、プレイヤーは圧倒的に不利となる多正面作戦を回避するために、次の敵が参戦する前に現在の敵を次々撃破し続けなければならないプレッシャーにさらされます。

これに対してプレイヤーは攻撃に秀でた猛将「夏侯惇」、騎兵の運用に優れ電撃戦が得意な「夏侯淵」、補充力が大きく防衛戦に長けた「曹仁」、堅実な用兵で損害を減じる「曹洪」、そして全軍を指揮可能で知略に優れた「曹操」などの各将軍の個性を生かさなければなりません。

果たして曹操は「そうそう勝てない」のか、それとも・・・・

貴方自身の目で確かめてみて下さい




Game Journal 92-孤高の曹操 Game Journal 94-鎮西軍紀 Game Journal 93-パンツァーカイル Game Journal 86-戦略三国志英雄伝説
漫画三国志【1】:劉備と諸葛孔明 三国志(1)-(10) 図解三国志
いっきに読める三国志 図解三国志-群雄勢力マップ 三国志(1) 三国志(2)

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週刊三国志1

週刊三国志(1)

吉川英治・浅科 准平 (ナレーション) オトバンク

週刊三国志(1)
Amazon Audible専門の三国志コンテンツ。吉川英治氏の著作を元に三国志の世界を再現する。Audible専門のコンテンツなので、その特徴が生かされていて、多彩なBGMやラジオドラマ仕立ての背景音などは他のAudible作品とは一線を画している。この第1巻では、主人公劉備玄徳が貧乏暮らしをしながら当時は高価であった茶を入手し、母の元に帰る途中で様々な苦難に出会う様。さらには黄巾の乱や張飛や関羽との出会い、桃園の誓いを経て旗揚げする所もまでを描いている。次回予告編やこれまでのあらすじなどもあってやや冗長な感があるが、大変面白い。続きが楽しみだ

お奨め度★★★



三国志(1) 三国志(2) 三国志(3) 三国志(4)
三国志(5) 三国志(6) 三国志(7) 三国志(8)
三国志(9) 三国志(10) 三国志(1)-(10)

AH_Trireme_CoverArt


「Trireme」(以下、本作)は、1980年に米国Avalon Hill社が出版したSLGだ。テーマは古代地中海における海上戦闘。ギリシア、ローマ時代に行われた有名な戦い、例えばサラミスの海戦やポエニ戦争でのローマ、カルタゴの戦い、さらにはカエサルが活躍していた頃のローマ海軍が登場する海戦等がシナリオ化されている。ちなみに、タイトルのTriremeとは三段櫂船のことで、櫂を主な動力として行動する軍船である。三段櫂船は漕ぎ手が3段に配置されていて、高速力を発揮できたとのこと。ちなみに、Hobby Japanが和訳した際のタイトルは「ギリシア・ローマ海戦」という、ちょっと素人臭いタイトルだった。

写真01_Trireme


ゲームスケールは1ユニットが1隻の軍用船、距離や時間のスケールは不明だが、恐らく1Hex=約10~40m、1Turn=約20k~60秒ぐらいだと思う。ちなみに軍用船は2つのHexに跨って配置される。

ゲームシステムは比較的シンプルな「フリートゲーム」と本格的な「シップゲーム」に分かれているが、ここでは「シップゲーム」を元に説明する。

ゲームの手順は、移動計画と移動命令が基本となっていて、プレイヤーは麾下の全船の移動を計画し、同時に移動を実行する。移動実行フェイズは5つのインパルスに分かれていて、各船は自身の移動力に応じて移動できるインパルスが決まってくる。例えば移動力2の船は、第3インパルスと第5インパルスに移動可能。移動力5の船は第1~5インパルス全てに移動可能、といった具合だ。

移動中に彼我の船が同じHexに進入すると、衝突又はラム戦が発生する。ラム戦とは、船首部に取り付けられた触角で相手の船に穴をあけて沈めようとする試みのこと。相手の横腹からラム戦を仕掛けるのが有利なので、敵を包囲するような位置取りが重要になってくる。

攻撃手段としては、上述したラムの他に、投石、火矢、ファイアポッドなどがある。特にファイアポッドと呼ばれる点火装置は強力で、これを搭載した船にラム戦を仕掛けられてしまうと、狙われた船は火達磨になってしまう危険があった。

古代の戦いなので、相手の船に白兵戦を仕掛けて戦う方法もある。アイアン・ハンドやコーブスといった特殊な装備を使えば、敵船を捕捉しやすくなる。

他に帆走やオールによる攻撃等もルールもあり、この時代の海上戦闘を余すところなく再現している。

アクティウム(BC31)

今回プレイしたのは、シナリオ9「アクティウム」である。ローマ内戦での戦いで、カエサル亡き後カエサルの息子であるオクタヴィアヌス(以下、ローマ軍)とクレオパトラと同盟したアントニウス(以下、エジプト軍)の間で戦われたアクティウムの海戦を扱っている。

写真02_Actium


実際の戦いでは両軍わせて数百隻のガレー船が戦ったとされているが、ゲーム上では、ローマ軍19隻、エジプト軍15隻が登場する。今回は参加者が7名であり、ローマ軍4名、エジプト軍3名とした。筆者はエジプト軍最右翼を担当した。麾下の兵力は、中型船Quadreme(クラス4)が2隻、Quinquereme(クラス5)が3隻の計5隻である。
なお今回のプレイでは、主催者であるKさんの用意された素晴らしいミニチュア船を利用しての対戦となった。Kさん、ありがとうございます。

写真03


数に勝るローマ軍による包囲を避けるため、我が艦隊は右に変針。敵の頭を抑えるべく機動する。

写真04


そして再び左へ変針。そのままの速度で敵艦隊と正面から激突する。次々と衝突する両軍艦隊。

写真05


激しく戦う両軍艦隊であったが、ローマ軍は、より大型のCt Octares(クラス8)やCt Hepteres(クラス7)である。さらに船乗りの練度でもローマ軍がエジプト軍に勝っていた。筆者麾下のエジプト軍は苦戦を余儀なくされる。

決定的だったのは、ローマ軍の装備する各種新兵器である。特に強力だったのは船首部に搭載されているファイアポットで、これによりラム戦を仕掛けられたエジプト軍の軍船は次々と炎上していった。

写真06


最終的には筆者麾下のエジプト軍は敵船を1隻も沈めることなく全滅。他の戦線で数隻のローマ船を撃沈又は拿捕したものの、全般的な戦況はエジプト軍に非であった。下図はエジプト軍最後の1隻がローマ軍の4隻に包囲されて左右からラム攻撃を食らっている所である。

写真07


感想

惨敗である。敵を1隻も沈めることができず、こちらは全滅してしまった。軽巡で巡洋戦艦に突撃を仕掛けるようなマネをすればこうなる筈だが、正面から突っ込んだのは我ながら無策だったとしか言い様がない。
敵の裏をかくことを諦めて正面から突っ込むという考えは悪くない。ただ、あまりに正直過ぎた。船の大きさが勝敗の決定的な要素になることがわかっていれば、もう少し賢く振舞うことができたかもしれない。例えば敵の主力に仕掛けるふりをして逃げるなど・・・。うーん、ちょっと消極的過ぎるかな?
それにしてもローマ軍の装備は凶悪である。エジプト軍の兵器は投石機と投石兵のみ。なんとか接近戦・白兵戦に持ち込むことができればチャンスがあったかもしれないが、船乗りの練度でも劣っているのでそれもまた難しい。エジプト船が勇躍突撃しラム戦を仕掛けた所で、ローマ船が装備するファイアポットで火を付けられて、あちらこちらでエジプト船が炎上する。これでどないせえちゅうねん?。
まあ史実でエジプト側が大敗した海戦なので仕方がないが。

ゲームとしてみた場合、古いゲームなので粗削りな部分もある。ルールにも曖昧な所があり、今回は火災消火ルールで少し揉めた。詳細はここでは書かないが、火炎攻撃はローマ船の主戦術になるだけに、火災ルールの曖昧な部分は明確化しておきたい所だ。システムもシンプルなプロット方式なので、こういうシステムが面倒だと感じる人がいるかもしれない。
ただし筆者個人的にはこの手のプロット方式は嫌いではない。敵船の動きを予測し、自船を操るのは船乗りになった気分である。さらにWW2の水上艦とは違って兵器の射程が短いので、位置取りがより重要になる。同じAHの帆船ゲームWooden Ships & Iron Men(WS&IM)も名作であったが、このTriremeもWS&IMに通じる面白さがあった。
テーマ的にも古代における海戦というのは面白く、最近ではローマ時代についても日本でメジャーテーマになりつつあるので、そういった意味では現在でも十分にプレイする価値のある作品だと思う。

筆者の学生時代、私のゲーム仲間がこのTriremeを絶賛していた。あれから30年以上の年月を経てようやく筆者も彼の主張を理解できたような気がする。

マンガ世界の海戦史 海賊の世界史 学研まんが NEW世界の歴史-ギリシア・ローマと地中海世界 西欧海戦史
ギリシア人の物語1―民主政のはじまり ローマ人の物語1-ローマは一日にして成らず ローマ人の物語2-ハンニバル戦記 ローマ人の物語5-ユリウス・カエサル ルビコン以後

240318_ローマ人の物語

ローマ人の物語2-ハンニバル戦記

塩野七生 新潮社

ローマ人の物語全体については以前に紹介したと思うが、今回改めて第2巻を読み返してみた。こういう長編は全部を読み通そうとすると「楽しみ」というよりも「作業」に近いものとなってしまい、純粋に読書を楽しむことができない場合がある。その点、今回のように「つまみ食い」してみると、妙な義務感から解放されて純粋に読書を楽しむことができるように思える。
この第2巻はタイトル通り「ハンニバル戦争」と呼ばれる第2次ポエニ戦争がメインである。ポエニ戦争とは、ローマとカルタゴが地中海の覇権をかけて3度に渡って戦った全面戦争である。特に第2次ポエニ戦争は、「ハンニバル戦争」との呼称で分かる通り、カルタゴの生んだ伝説的戦略家であるハンニバルが共和制ローマを存亡の淵まで追いやった戦いでもあった。世界戦史上名高いカンネーの戦いは、第2次ポエニ戦争の最中に起こっている。
今回本書を改めて読んでみた理由は、名作ゲームとして名高い「ハンニバル」をプレイするに際し、当時の歴史状況を確認しておきたかったためである。そして本書はその期待に十二分に答えてくれた。本書は、ハンニバルやスピキオといった両陣営の諸将たちが戦場でどのように振舞ったかについて克明に記載さているが、それだけではない。本書はポエニ戦争を巡る全般的な動きやマケドニア、ギリシアと言った諸外国の動きにも目を向けつつ、ローマが滅亡の淵から蘇りそして遂にカルタゴを滅亡に追い込むまでの過程が立体的に描かれている。日本人にはあまり馴染みのなかったローマ史を日本でメジャーテーマ化した筆者の力量には感嘆せざるを得ない。

お奨め度★★★★

ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II
ハンニバル戦争 (中公文庫)

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