もりつちの徒然なるままに

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カテゴリ:世界の軍隊 > イタリア軍

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世界の艦船5月増刊-イタリア海軍史

海人者

イタリア海軍史-2025年5月増刊
本増刊号は、近年の『世界の艦船』誌においても珍しい、イタリア海軍をテーマとした特集号である。冒頭に配されたカラーグラビアでは、現代イタリア海軍の艦艇を豊富な写真で紹介しており、視覚的にも非常に充実している。写真の構成は単なる艦影の紹介にとどまらず、艦上のディテールや艦隊運用の様子にも触れられており、読者の興味を強く引きつける。

本文の内容は、主に過去に『世界の艦船』誌に掲載された特集記事を再編集・再録したものであり、書き下ろしの新規原稿は限定的である。そのため、既に同誌を長年購読している読者にとっては、既視感のある記事も少なくない。しかしながら、それらの記事を一冊に集約することで、19世紀後半のイタリア統一に始まる近代イタリア海軍の歩みを、体系的に追うことができる点は評価に値する。

内容は、旧王国海軍から第一次・第二次世界大戦期の活動、そして戦後の再建とNATO加盟、冷戦期を経て現代の多国間協力体制に至るまで、約150年にわたる海軍の変遷を多角的に描いている。特に第二次世界大戦期における戦艦の整備方針や迷彩塗装の解説、戦後フリゲートや空母の配備経緯に関する技術的分析などは、軍事史に興味のある読者にとっては読みごたえがある。

一方で、構成全体としては再録記事に依拠する比重が高いため、内容面において新鮮味を欠くことは否めない。情報としては精緻であるが、最新の研究成果や近年の艦艇動向についての記述が少なく、現代海軍の展望に関する記述も限定的である。そのため、既存の知識に上乗せされる新情報を求める読者にはやや物足りなさが残るであろう。

総じて、イタリア海軍というややマイナーなテーマを、これだけの分量と質で総覧できる意義は大きく、資料的価値は高い一冊である。歴史的俯瞰を得たい読者や、艦艇写真を楽しみたい読者にとっては、有用な増刊号であるといえる。

お奨め度★★★


イタリア海軍史-2025年5月増刊 第2次大戦のイギリス軍艦 大西洋、地中海の戦い 北アフリカと地中海戦線のJu 87シュトゥ-カ: 部隊と戦歴
ソロモン夜襲戦 欧州海域戦 決戦連合艦隊・改

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211213_Savoia-Marchetti

Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Bomber Units

Macro Mattioli Osprey

オスプレイの航空部隊シリーズ。その第122弾は、イタリア空軍の主力爆撃機サヴォイア・マルケッティ S.79(SM.79)飛行部隊を扱っている。先日紹介した"Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Units"の姉妹編とも言うべき作品だが、前作が雷撃部隊を扱っているのに対し、本作は水平爆撃隊を扱っている。イタリア空軍におけるS.79の割合で言えば、水平爆撃隊の方が数は圧倒的に多い。しかし戦果は雷撃隊の方が華々しく、空母「インドミタブル」撃破等の戦果がある。対する爆撃隊は戦果に乏しく、巡洋艦以上の敵艦に対する大破中破といった華々しい戦果はない。そういった意味では本作の記述も地味であり、艦船、港湾、飛行場等に対する爆撃をひたすら繰り返し、時には英軍戦闘機の迎撃によって被害を出す、といった按配だ。ただしイタリア空軍では最も活躍した爆撃機ということもあり、本機の活躍はスペイン内戦から地中海戦線、北アフリカ、中近東、そして東アフリカといった広範な地域に及ぶ。
イタリアを代表する爆撃機の活躍をコンパクトに理解するには好適な著作である。

お奨め度★★★

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Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Units

Marco Mattioli Osprey

Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Unit イタリア空軍が使用した3発攻撃機がSavoia-Marchetti S.79(SM.79)である。本機は戦時中に主として雷撃機として運用され、地中海の戦いで連合軍艦船に大きな損害を与えた。戦時中にS.79が撃沈破した戦果は、空母「インドミタブル」を含む20隻の戦闘艦と20隻の商船にも及ぶ。本書は、S.79を装備した飛行隊の活躍を克明に描いている。戦争初期は僅か数機による雷撃戦で大きな戦果を挙げたS.79であったが、戦争が進むにつれて徐々に苦しい戦いを余儀なくされていく。そのあたりは日本海軍の陸攻隊と似ている部分もあり、あるいは異なる部分もあり、そういった観点からも興味深い著作であった。
お奨め度★★★


Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Unit The Squadrons of the Fleet Air Arm イギリス海軍の護衛空母 北アフリカと地中海戦線のJu 87シュトゥ-カ: 部隊と戦歴
欧州海域戦

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Italian Cruisers of World War 2

Italian Cruisers of World War 2

Mark Stille Osprey Publishing

Italian Cruisers of World War 2 「第2次大戦におけるイタリア海軍巡洋艦」というタイトルで、そのままだと「世界の艦船」の別冊のよう。イタリア海軍の巡洋艦(重巡3タイプ7隻、軽巡6タイプ18隻)について、設計内容、兵装及び火器管制システム、レーダー装備、戦歴、タイプ別の内容や戦歴が簡潔な文書(英文)で記載されている。英文はシンプルで理解は容易だ。
私が興味を惹いたのはイタリア巡洋艦の砲戦能力。本書によればイタリア巡洋艦の砲戦能力は決して低いものではなく、精度は良かったらしい。ただし散布界が過大になる傾向があるとのこと。理由は連装砲の砲の間隔が狭くて砲弾の相互干渉を引き起こしやすかったとのこと(連装砲の俯仰角が砲別に独立していなかった)。
やや記載がアッサリしている感があるが(Ospreyの一般的な傾向)、WW2におけるイタリア巡洋艦についてシンプルにまとめた好著と言える。

お奨め度★★★


Italian Cruisers of World War 2 British Cruiser Warfare 大西洋、地中海の戦い 世界の巡洋艦
The Royal Navy and the Mediterranean Vol.1 The Royal Navy and the Mediterranean Vol.2 The Royal Navy and the Mediterranean Convoys The Royal Navy and the Mediterranean 1940-1943


Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Unit

Marco Mattioli Osprey

Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Unit ヘタレのイメージが強いWW2のイタリア軍だが、それでも地中海では英海軍と死闘を演じ、英海軍に相応の損害を与えている。その最右翼が人間魚雷だが、このS.79も劣勢の中で善戦している。本書は、そのS.79雷撃機の地中海戦役での戦いを追った著作だ。3発エンジンながら日本海軍の1式陸攻に比べると機体寸法は一回り小さい。性能面では大差がないが、航続距離は陸攻よりも劣り、爆弾搭載量はやや勝っている。
本機の戦歴は本書を読んでいただけば一目瞭然だが、撃沈21隻、撃破17隻という戦果が本機の活躍を示している。撃破艦の中には、空母「インドミダブル」や重巡「ケント」等も含まれており、本機が英海軍にとって大きな脅威だったことを示している。
本書は英語だが、ボリュームは少ないので比較的気軽に読むことができる。イタリア海軍航空隊の活躍について、その一端を知ることができる著作。

お奨め度★★★★


Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Unit The Squadrons of the Fleet Air Arm イギリス海軍の護衛空母 北アフリカと地中海戦線のJu 87シュトゥ-カ: 部隊と戦歴
欧州海域戦

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