「ソロモン夜襲戦」は、WW2における日本海軍と連合国海軍との水上戦闘を1ターン=5分、1ユニット=1隻で再現する戦術級水上戦闘ゲームだ。 システムは精密戦術級と艦隊指揮システムを融合させたもので、砲弾は1発単位、魚雷は1本単位で命中判定を行う。砲の威力や装甲厚もルール化されているが、その一方でプレイアビリティは高く、殆どのシナリオが1時間以内で完了する。
今回プレイするシナリオは「天一号作戦」。このシナリオは「ソロモン夜襲戦」のサポート誌である「水上戦No.1」に掲載されているものだ。1945年の連合軍による沖縄侵攻に対して戦艦「大和」は護衛艦艇9隻と共に沖縄近海へ向かい、その途中に九州坊ケ崎沖で米空母艦載機の攻撃によって撃沈されている。
このシナリオは、その「大和」出撃をテーマとしたもの。米デヨ少将麾下の戦艦6隻、巡洋艦7隻等からなる第54任務部隊が、沖縄近海で「大和」麾下の第2遊撃部隊と遭遇した場面を想定している。
前回までの展開-->こちら
7Turn
日本駆逐艦の放った魚雷が米艦隊に迫る。1本が新鋭駆逐艦「ニューカム」の船体中央部に命中した。真っ二つに折れた「ニューカム」は瞬く間に轟沈していく。新鋭軽巡「ビロキシー」にも酸素魚雷1本が命中した。たった1本の命中だったが、その威力はすさまじく、「ビロキシー」は完全に戦闘能力を失う。
戦艦「大和」が主砲を放った。距離13hex(19.5km)から放った46cm砲弾は、戦艦「コロラド」を完全に夾叉した。そのうち3発が「コロラド」に命中した。「コロラド」にとって幸運なことに、主砲弾はいずれも急所を外れていたので「テネシー」と同じ運命をたどることはなかったが、それでも「コロラド」は主砲塔1基が使用不能となってしまう。
しかし「コロラド」もついに「大和」に命中弾を与えた。40cm砲弾2発が「大和」に命中したのである。命中箇所はいずれも「大和」の非装甲部であったため「大和」は無視できない損傷を被った。
8Turn
米駆逐艦が「大和」に向けて魚雷を発射する。酸素魚雷とは異なり性能面ではやや劣る米国製魚雷にとって、距離4Hex(6km)はやや遠い発射距離であった。「大和」は右側に旋回して魚雷から身をかわす。が、低速モードで発射された魚雷はなかなか「大和」を追い抜かない。そう、まさに史実のサマール島沖海戦のような状況が生じたのだ。さらに米駆逐艦は煙幕を展開して米戦艦群を隠し、米戦艦は煙幕越しに「大和」を主砲で撃ってくる。ただ米艦隊の射撃も下手だったので幸い「大和」に命中弾はなかった。しかし近づいてきた重巡部隊が放った20cm砲弾は5発が「大和」に命中した。「大和」の重装甲はその殆どを跳ね返したが、1発が非装甲部に命中して「大和」の傷を深めていく。
9Turn
「大和」は接近する魚雷を躱すべく180度回頭をする。それに合わせて米駆逐艦も反転して「大和」の前面を扼する形にする。10Turn
米第3戦艦戦隊の「ニューメキシコ」「ミシシッピー」の2隻が7Hex(10.5km)から「大和」に射撃を浴びせた。この距離なら36cm砲装備艦であっても「大和」の主装甲部を貫通可能だ。7発の36cm砲弾が立て続けに「大和」に命中する。そのいくつかは「大和」の主装甲が跳ね返したが、主装甲を貫通して内部で爆発するもの、あるいは非装甲部に命中して損傷を深めるものがあった。「大和」にとって不幸なことに36cm砲弾の1発が「大和」の射撃指揮所に命中。「大和」は一時的に戦闘不能となってしまう。
11Turn
日本艦隊で「大和」と共に行動可能だった「涼月」に魚雷1本が命中した。機関室に浸水した「涼月」は洋上に停止し、1時間後に沈没してしまう。駆逐艦「ラッフェイ」の放った魚雷10本のうち3本が「大和」の右舷に命中した。1本は不発だったが残り2本は「大和」に大浸水を引き起こす。この時点で「大和」の戦闘力は完全に失われた。
その後の展開
その後「大和」は米戦艦「ニューメキシコ」の36cm砲弾4発を受けて沈没した。「大和」の被弾数は40cm砲弾4発、36cm砲弾11発、20cm砲弾5発、魚雷3本であった。その後、米軍の快速部隊が損傷して戦場離脱を図る日本の駆逐艦を追撃し、次々と撃沈していった。結局、日本艦隊で生き残ったのは、中破して何とか戦場を離脱できた「雪風」だけだった。
両軍の損害
日本艦隊
駆逐艦「雪風」中破。その他は全艦沈没米艦隊
沈没:戦艦「テネシー」、駆逐艦「ニューカム」大破:軽巡「ビロキシー」
小破:戦艦「コロラド」
得点
日本軍153点連合軍348点
勝利条件的には引き分け(改定後の勝利条件では連合軍の勝利)
感想
何とか米軍が勝利したが、決して楽勝ではなかった。転機は第10Turnで、この時たまたま米軍が主導権を取って、思い切って「大和」の近距離圏内に踏み込んだ「ニューメキシコ」「ミシシッピー」が、7発の36cm砲弾を命中させたのが大きかった。これで「大和」が一時的に戦闘力を失ったことで米軍がその後の主導権を握って「大和」を撃沈できた。もしこの時米軍が主導権を取れず、あるいは2戦艦の射撃が「大和」の装甲に阻まれていたら、逆に「大和」からの砲撃で2戦艦のうちのいずれかが戦闘力を失っていた可能性が極めて高い。そうなっていたら逆に米軍が戦闘力を失って「大和」の突破を許す結果になっていたかもしれない。そういう意味ではこのシナリオ、決して米軍の楽勝ではなく、米軍も厳しい戦いを強いられるシナリオであると感じた。
今回はかなり強引に接近戦を挑んだが、この方法はリスクが大きいと感じるので、むしろ米戦艦群は延々と遠距離砲撃戦を続けたほうが良いように思った。接近戦だと彼我の動きが激しく入れ替わり、CP消費が激しくなる。CP消費が激しくなると艦隊規模の大きい方が不利になるので、戦艦群はたとえ貫通力が足りないとわかっていても、「大和」に対して接近戦を試みるのは止めた方が良いと思った。勿論状況が許せば積極的に接近戦を挑むこともあり得るだろう。
ちなみにちょっと勝利条件変更しました。詳しくは こちら を参照してください。
敵戦艦との戦いを目的として建造されながら、遂に米戦艦と戦うことなく九州南方海上に没した世界最大の戦艦「大和」。その「大和」の最後の戦いを盤上で再現できる「天一号作戦シナリオ」。是非プレイして頂きたいシナリオである。








距離21Hex(31.5km)で「大和」が初弾発砲。目標は戦艦「テネシー」。当然ながら命中せず。

「矢矧」は左旋回で列外に離れていく。しかし「テネシー」はなおも「矢矧」を狙う。艦首砲のみの射撃で「矢矧」にさらに2発の主砲弾を命中させ。「矢矧」を撃沈した。


ここまで余裕で戦ってきた米艦隊だったが、「テネシー」の轟沈を見て胆を冷やした。「コロラド」が距離15Hex(22.5km)に迫った「大和」に対して砲火を開くが、その主砲弾は「大和」の頭上を飛び越えた。一方「大和」も目標を「コロラド」に切り替えて砲撃を開始。46cm砲弾の巨大な水柱が「コロラド」の至近海面で盛り上がり、「コロラド」は生きた心地がしない。

距離が近づいたためか、米戦艦の砲火もようやく「大和」を捉え始めた。「メリーランド」と「ウェストバージニア」の放った主砲弾がそれぞれ1発ずつ「大和」に命中する。しかしいずれも「大和」の主装甲部に命中したため、「大和」の重装甲に阻まれていた。














