デザイナーは J.D. Webster、出版は Clash of Arms Games。
欧州・太平洋・東部戦線までカバーする大規模シリーズで、高度・速度・姿勢・旋回を詳細にシミュレート。
🎯 本動画の内容
・Fighting Wingsシリーズの概要と特徴
・各作品の紹介(Over the Reich / Achtung! Spitfire / Whistling Death / Wings of the Motherland)
・システム解説:エネルギー管理、旋回と高度、追尾と射撃判定
・実際のプレイ例を使ったターン進行の紹介
空戦ゲームやウォーゲームファンはもちろん、歴史・航空機好きの方にも楽しんでいただける内容です。











このシナリオでは、米軍の戦力は第58任務部隊(以下、TF58)の全戦力で、4個空母群(TG58.1~TG58.4)とバトルラインと呼ばれる戦艦部隊(TG58.7)の5個グループよりなる。このバトルラインが結構有難い存在で、日本機の多くはこのバトルラインから対空射撃を浴びた上で空母群に迫ってくるか、あるいはバトルラインに目を奪われて空母群ではなく戦艦群を攻撃してきたりする。とはいえ、日本機の中には狡猾な奴らもいて、彼らはバトルラインを避けて一直線に空母群に迫ってくることもある。
このTurn、まだ日本艦隊の出方がわからないので、まずは北方に索敵機を発進させる。西や南にはまだ日本艦隊の情報(Forceマーカーのこと)が近くにいないので、索敵は行わない。また日本機の来襲に備えて約200機の戦闘機を上空警戒(CAP)に上げた。そのうちTG58.3を発進した約50機は近くのグアム島に向かい、グアム島に対する制圧任務につく。

事態はいきなり目まぐるしく動いてきた。
飛来してきた日本機も気になるが、敵空母への攻撃も躊躇している暇はない。攻撃第一陣として戦爆連合約70機(6ポイント)からなる攻撃隊が「バンカーヒル」「レキシントン」「エンタープライズ」の各空母から発進して日本艦隊に向かう。上空援護用としてさらに約150機(13ポイント)のヘルキャットが増援としてCAPに上がっていく。これで上空警戒の戦闘機は、TF58付近に約300機、さらにグアム島警戒中の約50機の計約350機となった。


攻撃隊の本命、戦爆連合約300機(25ポイント)が空母を発進し、2つのグループに分かれて日本艦隊に向かう。
攻撃隊の方は早くも日本艦隊上空に到達した。日本艦隊は、正規空母「大鳳」「瑞鶴」、改造空母「瑞鳳」「龍鳳」、戦艦「金剛」「榛名」「武蔵」、その他からなる有力な部隊だ。日本空母部隊の主力と言って良い。


しかし喜んでばかりもいられない。たった今攻撃した日本艦隊を発進したと思われる約150機(18ポイント)の攻撃隊がTF58に迫ってきたのだ。今までのとはわけが違う、日本空母機の本格的な攻撃である。








残ったトーネード隊も目標へ向けて急降下。超低空に降りた後は、地面を這うように目標に近づく。SA-11やSA-4といった地対空ミサイルも発射されるが、強力なジャミングによって効果なし。FireCanによるレーダー照準射撃も射撃用レーダー自体がジャミングによって機能を失っていては命中する筈もない。一番恐ろしいのは対空火器による弾幕射撃だが、これは先に突入したカナダ空軍機による制圧任務によりその威力を減じていた。


戦果確認を行う米空軍のRF-4Cが進入してくる。偵察隊は2機編隊が2個の計4機。1個の編隊は、比較的防御の手薄なソ連軍前衛部隊を偵察し、写真撮影にも成功。無事離脱していく。











WP側のSAM部隊が次々とミサイルを発射する。狙われたのはSEAD機、CAP機、そしてBQM-74無人機である。多数のミサイルが発射されたが、強力なスタンドオフジャミングにより命中弾はなし。




WP軍機甲部隊に近づくNATO爆撃編隊を叩くべく接近してきた東ドイツ空軍のMiG-21のパイロットが叫んだ。彼らが見たのは、中高度を悠然と飛ぶ米軍のドローン機、BQM-74Cチューカーの大編隊である。ただちに地上に情報が転送された。地上のWP側SAM部隊もパニックに陥った。なんせ今まで必死になって撃ち落していた目標が、何ら価値のない無人機だと気づいたのだから・・・。
しかし貴重な情報を伝えたMiG-21の編隊にも危機が迫っていた。米軍F-4Eファントム2機からなるDenver小隊が
右後方から接近してきたのである。距離5海里から発射されたAIM-7Fスパローの攻撃でMiG-21の1機が撃破され、そのままドッグファイトに突入した。ファントムとMiG-21で格闘戦性能はほぼ互角であったが、練度が段違いであった。MiG-21は2機とも撃墜され、ファントムは無傷であった。


先に1機を失っていたソ連軍MiG-23M小隊にも別のファントムが迫ってきた。先にAIM-7Fスパローミサイルによる攻撃で初戦果を挙げたMiller小隊である。MiG-23の後方から接近したファントムは、MiG-23を格闘戦に持ち込み、AIM-9Lサイドワインダーの攻撃で生き残った最後のMiG-23を撃墜した。米軍の損害は皆無である。

SEAD任務を担うカナダ空軍のCF-18ホーネット隊が、対空火器を制圧するために目標に突っ込んでいく。隠れていたSA-13赤外線対空ミサイルが発射されたが、ホーネット隊(Banks隊)はフレアを撒きつつ回避する(まるで「トップガン・マーベリック」の1シーンを見るよう。

別のホーネット隊は引き続いて突入する。ホーネット隊(Jasper隊)は先にミサイルを発射したSA-13部隊を対地ロケット弾で攻撃する。赤外線誘導の地対空ミサイル部隊は、スタンドオフジャマーや自己防衛用電子装置の妨害を受けないので、意外な強敵なのだ。ロケット弾の直撃を受けてSA-13部隊が壊滅したが、まだどこに敵の地対空ミサイル部隊が隠れているかはわからない。


しかし別のホーネット隊はそうはいかなかった。3番目に突入したDack隊は激しい対空砲火の中を目標に突進。隠れていたSA-13赤外線誘導ミサイルの伏撃は辛くも回避。しかし対空弾幕を躱しきれず、1機が被弾して撃墜されてしまう(パイロットは脱出して捕虜になる)。残った1機が対空陣地にロケット弾攻撃を浴びせるも、ロケット弾は目標を逸れた。






