もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 小説

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下町ロケット(2)

池井戸潤 講談社文庫

下町ロケット(2)
大田区の町工場、佃製作所と佃製作所に関わる人々の姿を描いた小説。その第2弾は医療機器開発がテーマとなる。前作でも活躍した佃製作所の面々や今回新たに登場する人物たちが新しい医療機器開発を巡って交錯する。前作とは異なる医療機器という分野に切り込んだ筆者の筆力は相変わらず冴えわたる。読後の爽快感も前作同様。ただ、前作に比べると、いわゆる「悪玉」がちょっと救われない書き方だったかも。

お奨め度★★★

下町ロケット(1) 下町ロケット(2) 空飛ぶタイヤ 半沢直樹1

不毛地帯

不毛地帯1

山崎豊子 新潮文庫

不毛地帯1 何度か映像化された山崎豊子原作長編小説の第1巻。今回はAmazon Audibleで読んで(聴いて)みた。本作のテーマは高度経済成長期におけるビジネス戦争だが、第1巻では主人公が終戦直後にシベリアに抑留されて過酷な抑留生活を送る姿が克明に描かれている。敗戦という過酷な現実、国際協定を無視した悪辣なソ連側の扱い、さらには共産化による恐怖など、シベリア抑留の状況を「まるでそこにいたかのように」詳細に記している。筆者の筆力に感服する。本書はあくまでも小説なので現実とは異なる部分が当然あるのだが、小説とは思えないほどリアリティに満ちた作品であった。 続編を読む(聴く)のが楽しみである。

お奨め度★★★★

不毛地帯1 白い巨塔1 沈まぬ太陽1 二つの祖国1

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陸王

池井戸潤

陸王
最近Amazon Audibleでハマっているのが池井戸潤作品。日々の散歩や旅行先でのドライブの友に欠かせない存在となっている。この陸王も期待に違わない素晴らしい内容だった。
今回の主人公は埼玉県行田市にある足袋メーカーの社長である。服飾文化の変化により足袋業界全体が斜陽産業となり、主人公の会社も右肩下がりの状況が続いている。そんな中、主人公は取引先銀行の奨めもあって新事業を企画する。それはランニングシューズの開発だった。主人公たちはライバル企業や実業団のランナーたち、新技術開発など、様々な困難に遭遇しながらも、それを乗り越えていく。この困難との遭遇とそれを乗り越えていく過程は、これまで読んできた池井戸作品と共通する部分で、興味深く読め(聴け)た。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、とにかく一度読み(聴き)始めたら、最後まで読み(聴き)たくなる面白さだ。

お奨め度★★★★


陸王 空飛ぶタイヤ 半沢直樹1 下町ロケット(1)

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下町ロケット(1)

池井戸潤 講談社文庫

下町ロケット(1)
町の中小企業が宇宙開発に乗り出す、というお話。とはいえ荒唐無稽な話ではなく、いかにも現実にありそうな話としている所が面白い。特許や部品開発、製品テストや生産管理など、製造業を知る者にとってはシンパシーを感じる内容であった。某重工の「意地悪さ」はやや誇張されている面もあるが、現実も似たようなものかな?

お奨め度★★★


下町ロケット(1) 半沢直樹 俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下)

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空飛ぶタイヤ

池井戸潤 講談社文庫

空飛ぶタイヤ
面白い。とにかく面白い。テーマは2004年に実際に起こった三菱ふそうによるリコール隠しをテーマとした社会派小説だが、単なる社会派小説の枠を超えて、エンターテインメントとしても一級品だ。逆にストーリーが面白すぎるだけに、現実の話とはある程度線を引いて理解した方が良いかもしれない。なお、評者は会社員時代に品質保証を担当していたので、他人事とは思えない部分があった。
「俺たちの箱根駅伝」に比べるとやや勧善懲悪がハッキリしていて、その分読後感の爽快感では「箱根駅伝」の方が良かったかも・・・。

お奨め度★★★★


空飛ぶタイヤ 俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下) 半沢直樹

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