もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 小説

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半沢直樹3

半沢直樹3-ロスジェネの逆襲

池井戸潤 講談社文庫

半沢直樹3
今回は、半沢が東京中央銀行から子会社の証券会社に出向している状況から物語が始まる。彼のもとに舞い込んだのは、大手IT企業による企業買収案件。しかし親会社である銀行本体がこの案件を横取りしようと画策し、半沢は再び理不尽な権力と対峙することとなる。
今回は半沢と共に戦うのがロスジェネ世代と呼ばれる若手社員たちが活躍する。バブル崩壊後の就職氷河期に社会に出た世代は、ロスジェネ世代と呼ばれ、組織の中で冷遇されることが多い。作中では、半沢の部下である森山がロスジェネ世代の象徴的存在として描かれ、彼の成長や葛藤が物語に深みを与えている。
半沢直樹シリーズは、現代社会における世代間の問題や組織の理不尽さを鋭く描いた作品でもある。読後には、理不尽な状況に立ち向かう勇気をもらえると同時に、現代社会の働き方や組織の在り方について考えさせられる。本作は、半沢直樹シリーズのファンはもちろん、企業社会の現実に興味を持つ人々にも強くおすすめできる作品である

お奨め度★★★


半沢直樹1 半沢直樹2 半沢直樹3 空飛ぶタイヤ
俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下) 下町ロケット(1) 下町ロケット(2)

241213_半沢直樹2

半沢直樹2

池井戸潤 講談社文庫

半沢直樹2
第2巻では有名な黒崎検察官と大和田常務が登場する。TVを見ていなかった私も、片岡愛之助演じる黒崎検察官と香川照之演じる大和田常務は知っていた。ストーリーはホテルへの融資を巡る銀行内の不正問題で、例によって半沢直樹を追い落とそうとする黒崎や大和田に対し、半沢が返り討ちにする様が心地よい。ただ半沢の反撃が有効過ぎて、ちょっと敵が可愛そうな気がする。オチがわかってしまうのも難点かな?。もう少し半沢が苦しむような展開も見てみたい気がする。

お奨め度★★★


半沢直樹1 半沢直樹2 下町ロケット(1) 下町ロケット(2)
陸王 空飛ぶタイヤ 俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下)

4
241203_半沢直樹1

半沢直樹1

池井戸潤 講談社文庫

半沢直樹1
TVドラマが大ヒットしたのが10年以上も前だというのが信じられない。かくいう私はTVドラマの方は見ていなかったし、あまりに有名な小説なので、これまであえて手を出さなかったが、一連の池井戸潤小説がいずれも面白かったので、ついに「本丸」に手を出した。
読んで(聴いて)みると確かに面白い。これまで読んだ池井戸小説では、主人公が周囲に「虐められ」ながらも耐えに耐え、最後に大逆転というパターンが多かった。しかし本作では主人公の性格がかなり「強気」に設定されており、「虐め」を仕掛けてくる相手を次々と返り討ちにしている。しかも「虐められ」シーンよりも「虐め」シーンの方が多い。主人公の立場も社長ではなくただの平課長。つまり組織の歯車に過ぎない。そんな主人公が、会社の「クソ上司」を完膚なきまでに叩きのめす。このような展開が、実生活で「クソ上司」に反感を募らせている一般読者にウケたのは想像に難くない。かくいう私も会社員時代の事を思い出し、大いに留飲を下げたものである。
池井戸小説の中でも傑作と思えるシリーズで、早く続きを読んでみたい作品だ。

お奨め度★★★★


半沢直樹1 半沢直樹2 下町ロケット(1) 下町ロケット(2)
陸王 空飛ぶタイヤ 俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下)

4
241121_不毛地帯3

不毛地帯3

山崎豊子 新潮文庫

不毛地帯3
第3巻では自動車業界の統廃合がテーマとなっている。戦後急成長を遂げた日本の自動車業界と、日本進出を睨む米国ビックスリー。フィクションなので会社名こそ架空の名前になっているが、社名などから実際の会社名にオーバーラップさせるのは容易。さらに主人公の身辺にも波乱が巻き起こってくる。怒涛の第3巻といった感じだ。ちなみに本書を読んでいると、どうしても唐沢寿明、小雪、のイメージが重なってしまう。里井副社長役の岸部一徳さんは名演技だったなぁ・・・。

お奨め度★★★★


不毛地帯1 不毛地帯2 不毛地帯3 白い巨塔1
沈まぬ太陽1 二つの祖国1 海軍乙事件 関東大震災

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241129_落日

落日

湊かなえ ハルキ文庫

落日
湊かなえという作家の名前を知ったのは登山雑誌だったと思う。確か趣味が登山という小説家ということで紹介されていた。それ以来氏の著書を読んだことはなかったが、Amazon Audibleで紹介に上がっていたので聞いてみた。本書には2人の主人公が登場する。1人は長谷部香、新進気鋭の女性映画監督。もう1人が甲斐千尋。映像作品の脚本家で、年齢は香より少しだけ下という設定。2人とも30前後の設定だったと思う。ストーリーは、15年前に起こった一家殺人事件を軸に進められる。引きこもりの高校生が妹を殺害し、さらに自宅に放火して両親を殺害したというのが事件の概要だ。2人の女性は過去の事件を追う中で、中高生の複雑な心理描写、大人たちの歪んだ愛情表現などが生々しく描かれている。そして次第に明らかになっていく事件の概要と共に、登場人物が複雑に絡み合ってきて、ラストにつながってくる。
とまあ、こんな感じの本。
読んでいてそこそこ面白く、またドロドロした心理描写は興味深かった。

お奨め度★★★


落日 火車 10年後、君に仕事はあるのか? たかが殺人じゃないか

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