10月下旬、奥日光を訪れた。紅葉の盛りはやや過ぎていたが、山の空気は澄み渡り、秋の名残を楽しむには十分だった。
朝の中禅寺湖畔は冷え込みが強く、吐く息が白い。湖面の向こうには男体山が大きくそびえ、陽が当たるにつれて山肌の色がゆっくりと変わっていく。
まずは華厳の滝に行ってみる。中禅寺湖のバスターミナルから徒歩5分。見晴台から見た華厳の滝は凄まじい迫力を感じた。
湖畔の道を歩くと、黄や赤に色づいた木々が朝の光を受けて輝いていた。枝越しに見える湖面は穏やかで、波の音もほとんど聞こえない。西六番園地のあたりでは、赤いモミジが一際鮮やかで、晩秋の静けさの中に小さな彩りを添えていた。
森の道を抜け、戦場ヶ原方面へ向かう。道沿いの木々はすでに葉を落とし始め、地面は落ち葉で覆われている。陽射しは強いが、風は冷たく、標高の高さを感じる。やがて周囲の植生が変わり、広葉樹からカラマツ林へと移り変わっていく。
戦場ヶ原に入ると、視界が一気に開けた。金色に色づいたカラマツとススキが風に揺れ、その向こうに男体山や太郎山の稜線がくっきりと浮かび上がる。空は雲ひとつなく、透き通るような青さだった。湿原の中を貫く木道を歩いていると、足元から冷たい空気が立ち上り、晩秋というより初冬の気配すら感じる。
途中、立ち止まってあたりを見渡すと、どこまでも静かで、人の声もほとんど聞こえない。日差しはまだ暖かく、風が止むとほんのりとした陽気が戻ってくる。 こうして奥日光の短い秋は、確かにそこにあった。色を失いつつある木々も、冷たい風も、どこか穏やかで、心を静かにしてくれる。
今回は中禅寺湖から戦場ヶ原まで約10kmを4時間弱で歩いた。紅葉は十分に綺麗で、特に戦場ヶ原のカラマツの紅葉は素晴らしかった。バスが混むのがちょっときつかったが、紅葉の美しさが見事だったので、是非来年も来てみたい。




























