『DAK the Desert II』(以下、本作)は、WW2北アフリカ戦線を扱う作戦級SLGで、旧GJ51号に収録されていた『DAK the Desert』の改訂第2版にである。テーマは1941年3月から1942年12月にかけての北アフリカ戦役。エルヴィン・ロンメル率いるドイツ・アフリカ軍団とイギリス第8軍の攻防をキャンペーン形式で再現する。
戦域はエル・アゲイラからエル・アラメインまでの広大な砂漠地帯で、補給線の維持と機動戦が戦局を左右した歴史的背景をゲームシステムの中に組み込んでいる。
本作の特徴は、プレイヤーが自軍の部隊編成を自由に構築できる点もある。師団司令部、戦車、砲兵、歩兵、トラック、補給物資といった要素を組み合わせ、戦車中心の打撃部隊や砲兵支援を重視した部隊など、戦略に応じた編成が可能になっている。
また、補給物資を後方から前線へトラックで輸送する兵站管理も重視されていて、北アフリカ戦の本質である t,「補給線の脆弱さ」と「兵站の巧拙が戦局を決める」という要素が強調されている。
行動回数を決定する「コマンド数」も本作の重要な仕組みで、各ターンに得られるコマンド数によって移動や攻撃の回数が規定される。ドイツ軍はコマンド数で優位に立つよう調整されていて、史実の機動力の差が反映されている。いわゆるロンメル効果といえよう。
なお、今回発売された新版ではこのコマンド数の決定方法が旧版と変更になっている。旧版ではコマンド数をダイスで決定する方式だったが、新版ではチット引き方式へと変更されている。
今回、本作をソロプレイでプレイしてみた。
SetUp
本作のセットアップは固定されていて、プレイヤーが悩む部分はない。しかし増援はプレイヤーが自由に選択する方式のため、序盤から悩むことになる。41年3月
ゲーム開始である。このゲームは、他の多くの北アフリカ戦ゲーム同様、エルヴィン・ロンメルが北アフリカに降り立った1941年3月から開始される。その時ロンメルと同時に北アフリカに上陸したDAK(ドイツ・アフリカ軍団)の第5軽装甲師団(後の第21装甲師団)とイタリア軍アリエテ戦車師団、トレント自動車化師団がエル・アゲイラから前進を開始する。Agedabiaに布陣していた英第2戦車師団は集中攻撃を受けてほぼ壊滅。ベンガジを守るオーストラリア第9歩兵師団は何とかトブルクまで後退した。ドイツ・イタリア軍はトブルク近郊まで進出する。イギリス軍は第7機甲師団がエジプトのアレキサンドリアから出撃し、リビア国境付近のハルファヤ峠に布陣する。
41年4月
両軍ともトブルク周辺に集結しつつある。兵力は枢軸軍がやや上回っているが、英連邦軍は陣地に籠っていて、枢軸側の補給物資も完全ではないので、両軍は対峙したままである。41年5月
ドイツ軍第15装甲師団がアフリカに登場した。2個装甲師団を揃えた枢軸軍は、ハルファヤ峠に集中攻撃を加える。ハルファヤ峠には英連邦軍2個師団が守っていたが、補給物資がなかったために波状攻撃に耐えられなかった。大損害を被った英連邦軍はハルファヤ峠を放棄し、エジプト領内に後退していった。41年8月
ドイツ軍第90軽師団がアフリカに登場した。ドイツ軍3個師団がトブルク要塞に総攻撃を加える。トブルクを守るオーストラリア第9歩兵師団は善戦したが、衆寡敵せず、遂にトブルクが陥落した。41年9月
トブルクを失った英軍はエジプト領内に後退していく。ドイツ軍は英軍を追ってエジプト領内に進入。Mersa Matruhで英第7戦車師団を捕捉した。ドイツ軍2個装甲師団の集中攻撃を受けた英第7戦車師団は、成すすべもなく壊滅する。41年10月
新たにアフリカに到着したドイツ軍第164歩兵師団。ドイツ軍4個師団が遂にエルアラメインの英軍陣地に猛攻を加えた。英軍は必死に抵抗して防衛ラインを死守する。41年11月
英第2戦車師団がエルアラメインの線から出撃。戦線後方のイタリア・トレント師団が守る補給陣地を攻撃した。トレント師団は大損害を被ったが、何とか陣地を死守した。ドイツ軍は直ちに反応し、第15装甲師団と第164歩兵師団で英第2戦車師団を攻撃し、これに大損害を与えた。42年1月
年が明けてイギリス軍は戦車3個師団で反撃を試みる。ドイツ軍の第15装甲師団を戦車3個師団で攻撃。優秀なドイツ軍相手であったが、さすがに3倍の兵力なら英軍有利で、ドイツ第15装甲師団は大損害を被り、事実上戦闘力を失う。ドイツ軍は第21装甲師団と第90軽歩兵師団で反撃を実施。英軍はこの反撃で戦車2個師団を失うという大損害を被った。
42年2月
イギリス軍は大規模な反撃を実施した。補給物資が不足していたドイツ軍は、一時Mersa Matruhまで後退を余儀なくされた。しかし補給状態を回復したドイツ軍が反撃を開始。英戦車師団に大損害を与えた。42年4月
ドイツ軍第15装甲師団が復活した。2個装甲師団で英軍に対して反撃を行う。しかしニュージーランド第2歩兵師団の思わぬ善戦により、ドイツ2個装甲師団は思わぬ損害を被ってしまう。42年5月
ドイツ軍の反撃で英軍2個師団が壊滅してしまう。しかしドイツ軍も攻撃継続の力なし。42年6月
英軍が再び3個師団を投入してエルアラメイン前面のドイツ軍に攻撃を仕掛ける。しかしドイツ軍の反撃によって3個師団が大損害を被り撃退されてしまう。42年9月
ドイツ軍4個師団が戦力を回復したので、エルアラメインに対して猛攻を開始する。エルアラメイン前面に展開していた英軍2個師団を撃破し、遂にエルアラメインの陣地戦に総攻撃を加える。エルアラメインを守る南アフリカ第1、第2歩兵師団は半数近い兵力を失いながらも陣地線を守り続けた。42年11月
再び補給を得たドイツ軍はエルアラメインに対して猛攻を加える。しかしエルアラメインを守る英軍も守りは固く。遂にドイツ軍はこれを突破できなかった。結果
結局、ドイツ軍の攻勢はここで力がつきた。エルアラメインを突破できなかったドイツ軍のアフリカ戦は最終的には敗北に終わり、ゲーム的には英連邦軍の勝利に終わった。感想
序盤にトブルクが陥落したため、やや単調な展開となってしまった。今回は後半のドイツ軍による攻めが雑だったのでエルアラメインを抜けなかった。しかし、もしドイツ軍が十分に補給を蓄積し、用意周到に攻撃していれば、エルアラメインを落とすことは必ずしも不可能ではなかったと思う。そういった意味でこのゲーム、ドイツ側にとっても十分勝機があると思う。とはいえ、英連邦が陣地線の守りに徹しドイツ軍の消耗を強いた場合、ドイツ軍の勝利は厳しいようにも思う。そういった意味では、このゲーム、やや英連邦軍が有利なのではないかと思う。






















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