もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 作戦級ゲーム

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アメリカ南北戦争を代表する会戦「ゲティスバーグの戦い」を題材にしたウォーゲーム 『Roads to Gettysburg II: Lee Strikes North』(MMP)シナリオ5「Battle of Gettysburg」をプレイしました。 本作はGCACW(Great Campaigns of the American Civil War)シリーズの代表作で、旅団~師団規模の部隊と作戦行動を扱う作戦級ウォーゲームです。 今回はシナリオ5として、1863年7月1日~3日の歴史的な戦いを再現。南軍リー将軍の決断と北軍ミード将軍の対応、戦場の推移をボード上で追体験します。 🎲 プレイ内容 ・初期配置と両軍の状況 ・第1日目の激突 ・第2日目の攻防 ・第3日目の決戦(ピケット突撃が再現されるか?) 📌 この動画の見どころ ・作戦級ゲームならではの広がりある戦場展開 ・指揮官の行動選択がもたらす戦局の変化 ・歴史的なゲティスバーグを机上でシミュレートする迫力 🔔 チャンネル登録・高評価いただけると励みになります!




ブルー&グレー
南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦 南北戦争記 戦争指揮官リンカーン 南北戦争-49の作戦図で読む詳細戦記


マレー電撃戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第5号) 「マレー電撃戦」(以下、本作)は、第二次世界大戦初期における日本陸軍の南方作戦の一環、マレー半島進攻をテーマとした作戦級ウォーゲームである。もともとは1984年に当時のエポック社から発売された作品であり、高い評価を得た。

本作はそのオリジナルを元に、国際通信社が展開するJapan Wargame Classics(JWC)シリーズの第5弾として再設計・再編集された復刻版である。

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舞台は1941年12月から1942年2月にかけてのマレー半島全域。日本軍プレイヤーはタイからコタバル、クアンタン、クアラルンプールを経て、最終的にマレー半島南端のジョホールバルへの突入を目指す。一方、連合軍プレイヤーは英印軍・豪軍を統率し、日本軍の進撃を食い止め、ジョホールバルを死守することが求められる。

ゲームはHexマップを採用し、地形や道路、河川が戦術に大きな影響を与える構造となっている。1Hexは実際の15kmに相当する。ユニットは歩兵、捜索部隊、戦車、航空支援などで構成されており、史実に即した戦力構成が再現されている。1ユニットの規模は中隊~連隊で、歩兵は大隊規模が基本となっている。日本軍の快速進撃と航空優勢は本作における重要な要素であり、これを活かした包囲や浸透が勝利の鍵となる。一方、連合軍は物量こそあるものの、士気や戦術柔軟性で劣り、防衛線の構築と戦力の逐次投入に頭を悩ませることになる。

1Turnは実際の4日間を示し、合計で16ターンとなっている。プレイ時間はメーカー公称値で6時間となっている。Turn構成は日本軍、連合軍のプレイヤーTurnを交互に繰り返す所謂「I Go You Go」システムで、日本軍は移動、戦闘の後、2回目の戦闘と戦車突破フェイズがある。連合軍は移動、戦闘の繰り返しだが、ユニットの戦力差が大きいので連合軍側から攻撃を加えることは困難だろう。

ゲームシステムを特徴づけているのは、日本軍と連合軍の質的相違である。この違いというのは、単にユニットの強弱だけではない。一番大きいのはZOCの扱いと移動方法である。
連合軍ユニットは、原則として道路や鉄道を経由せずに平地以外のHexに進入することはできない。また連合軍ユニットのZOCは、道路・鉄道の通らない平地以外のHexにZOCが及ばない。つまり日本軍歩兵は、連合軍のZOCに妨害されることなく荒地や森林地帯を通過して英軍を包囲・奇襲できる。
また日本軍戦車の突破能力も本作の大きな特徴である。太平洋戦争における日本戦車といえば、連合軍戦車と比して火力と装甲に劣る場合が多く、殆どの戦場で「動く棺桶」に等しい存在であった。そんな中、マレー戦では連合軍側の戦車戦力や対戦車戦力が劣っていたことから日本戦車隊にとって太平洋戦争で殆ど唯一と言って良い勝利の舞台であった。本作では史実における日本戦車隊の活躍を再現するため戦車突破ルールが用意されており、特に戦果拡大場面で絶大な威力を発揮する。

戦車隊突破の図


戦闘システムは士気を重視した独特のものになっている。日本軍ユニットは、ユニット毎に士気レベルを持っていて、戦闘や強行軍などによって士気レベルが低下し、休息によって士気レベルが回復する。一方、連合軍ユニットは戦闘発生時に士気を示すチットを引いて士気レベルを決定する。戦闘の際には、攻撃側と防御側の士気の差によってダイスを振る欄が決まり、攻撃側と防御側で低下する士気レベルを決める。戦闘に参加するユニット全て(又は3ユニット)の士気レベルが0以下になった時点で強制後退となる。殆どの戦闘では連合軍ユニットが士気崩壊して後退することになるが、連合軍が善戦すると日本軍ユニットも大きな士気レベル低下を要求されることになる。さらに連合軍の士気レベルは、インド、英本国、オーストラリアの3者によって違っていて、最強のオーストラリア旅団がスタックして守っていた場合、日本軍も苦戦することがある。

全般的に不利を強いられる連合軍にとって、ちょっとした気持ちの支えになるのがイベントカードの存在である。イベントカードには連合軍の増援部隊や日本軍内の不和など、連合軍に有利な内容が記載されている。

勝利条件は、日本軍が制限ターン数以内に重要都市(ジョホールバル、クアラルンプール、クワンタン)を占領できるかどうか、また連合軍がそれを阻止し続けられるかどうかにある。ゲームは時間との戦いであり、日本軍は一刻の猶予もなく進撃を続けねばならない。反面、連合軍には遅滞戦術や地形を活かした拠点防御が求められ、両者のプレイスタイルは対照的となっている。

JWC版では、マップとカウンターがフルカラーで刷新され、視認性と操作性が向上。ルールも再整理されており、初めて遊ぶプレイヤーでもスムーズにゲームに入ることが可能だ。古典的名作を現代の基準で蘇らせた好例であり、日本陸軍の電撃作戦をテーマとしたウォーゲームとしては貴重な一本である。

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実際にプレイしてみた

今回、JWC版でプレイしてみた。2回プレイしたが、1回目はルールミスが多くてやり直し、2回目は7Turn途中までプレイした。2回目のプレイの概要を期しておく。筆者は連合軍を担当した。

第1Turnのクライマックスは、宅美支隊によるコタバル上陸作戦である。このコタバル上陸作戦は史実同様日本軍は苦戦を強いられることになる。今回のプレイでもコタバル上陸には成功したものの、宅美支隊の士気レベルは半分以下に低下しており、しばらくは休息を余儀なくされる。

第2Turnはジットララインの戦いが焦点となる。セットアップの制約によって密集隊形を余儀なくされる英インド第15旅団の5ユニットは、日本軍第5師団の猛攻を受け、後退を余儀なくされる。そこへ日本戦車隊が蹂躙攻撃を仕掛けたため、第15旅団は1人残らず皆殺しとなってしまう。あわあわ

その後はユニットを道路沿いに3個並べる通称「カーペット防御」で日本軍の突破を防ぎつつ時間稼ぎをする。しかしカーペット防御を過信して戦車突破を許してしまい、第6Turnにベラク川の大橋梁を無傷で日本軍に奪われたのは大失敗であった。ギリギリまで時間稼ぎに固執するのではなく、適宜ベラク川の南岸に後退して橋を落としてしまうのが正解だったと思う。

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一方東海岸では、宅美支隊がようやく進撃を再開したものの、その進撃は遅々として進まず、日本軍は焦っていた。そこで第7Turnに日本軍は第18師団第55聯隊がクワンタン強襲上陸を実施した。しかしクワンタンには強力な陣地が構築されており、さらに士気の高いオーストラリア兵が守っていたので日本軍の上陸は失敗。2個大隊の日本軍歩兵は海岸で「水清く屍」となって果てた。

ここで戦闘システムのルールミスが発覚したので、一旦ゲーム終了とした。

感想

基本システムはそれほど難しくはないが、戦闘システムがかなり特殊なので注意が必要である。筆者も戦闘システムを「無限繰り返し可能」と誤解していた。実際には1ユニットは1回のフェイズで1度しか攻撃できないため、相手が3ユニットスタックして守っているHexを攻撃して1度でも攻撃に失敗した場合には、他の攻撃で複数ユニットを撃破する必要が出てくる。

道路とZOCの扱いにも注意が必要である。特に連合軍は、その扱いを間違えると、いつの間にか背後を切られて補給切れでお陀仏ということになってしまう。今回のプレイでも前線に突出し過ぎていたインド兵3ユニットがいつの間にか退路を断たれてしまい、壊滅の憂き目を見てしまった。

他には陣地の使い方で、陣地はバラシて配置してもあまり意味がなく、逆に日本兵の「食料庫」になってしまう。だから陣地は重要拠点に集中配備するのが良策と思う。

とまあ色々書いたが、このゲーム、初めてプレイすると連合軍がサンドバックのようになってしまうが、プレイしてみると「こうやったら何とかなりそう」とか「ここは間違えたから次は注意しよう」的な教訓が出てくるのが面白い。1度のプレイでは十分に魅力を引き出せないが、繰り返しプレイすることで面白さが見えてくる作品だと思う。そういった意味では、もっとプレイする機会を多くしたい作品と言える。

1つ苦言を述べると、B1サイズのマップが大き過ぎること。通常のA1サイズマップならギリギリ「コタツの上」に広げられる大きさなのでソロプレイが可能だが、B1サイズならコタツからはみ出してしまう。さらに場所を取って何とかマップを広げても、ソフトマップの「駒はね」問題で駒が跳ね回ってしまう。今回は何本もの鉄製定規を敷いて、マグネットで固定する方法を採用したが、完全に跳ね回りを抑えることができなかった。なんとかA1サイズのマップにしてほしいと思うのは筆者だけ?
(VASSALモジュールを作るしかないか・・・)



マレー電撃戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第5号) Game Journal 69-南方作戦1941
南方進攻航空戦1941-1942 悪魔的作戦参謀 辻政信 日本軍用機航空戦全史【1】-開戦前夜の荒鷲達 帝国陸軍の最後-1進攻篇

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今回は、MMPのOperational Combat Series(OCS)の中でも比較的プレイし易いと言われている『OCS Korea - The Forgotton War』を紹介します。1950年~1953年の朝鮮戦争を舞台に、国連軍と共産軍の死闘を作戦級レベルでシミュレートする名作ウォーゲームです。

本動画では、以下のポイントに沿ってゲームを徹底解説します:

・OCS Koreaとは何か? 
・OCSのシステム紹介 
・OCS Koreaの特徴とコンポーネント紹介
・実際のプレイ例 
・他のOCS作品との違いと魅力

戦線の構築、補給線の維持、航空支援、増援のタイミング――  
作戦級の醍醐味が詰まった本作は、ウォーゲーマーなら一度は体験したい名作です。

・OCSに興味がある方、朝鮮戦争に関心がある方、そして本格派ウォーゲームを探している方は必見!

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海空戦南太平洋1942 ソロモン夜襲戦 欧州海域戦
Game Journal 88-激闘ロンメル・マッカーサー
若き将軍の朝鮮戦争 図解:朝鮮戦争 T-34-85 vs M26 Pershing: Korea 1950 (Duel Book 32) AD Skyraider Units of the Korean War (Combat Aircraft Book 114)


コマンドマガジン Vol.177『ヴュルツブルク』 コマンドマガジン177号の付録ゲーム「ヴュルツブルク」は、1977年に米国SPI社が出版した「Modern Battles」という作品に含まれている1作である。Modern Battlesは、1970年代における史実の戦いや仮想戦を扱った4つの独立したゲームを含んだ作品であり、各ゲームは共通のルールを持っているので、ルールの習熟が比較的容易であるという特徴を持っている。

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ゲームシステムの基本は、いわゆるNAW(Napoleon at War)システム。強ZOCでスタック禁止、戦闘は戦力差のMust Attack。戦闘結果以外で敵ZOCからの離脱は禁止である。砲兵部隊も含んでおり、砲兵の弾幕射撃によって攻撃義務を満たすこともできる。基本システムに関していれば現代戦らしいルールは殆ど見当たらず、ナポレオン時代のシステムをそのまま現代戦に持ち込んだ感じだ。

「ヴュルツブルク」は、1970年代後半にソ連を盟主とする東側陣営が西ドイツに進攻した場合のヴュルツブルク周辺での戦いをテーマとしている。ヴュルツブルク周辺といえば、精鋭の誉れ高い米第7軍団(湾岸戦争で多国籍軍機甲部隊の中核となった部隊)が駐留しており、最近再販されたCompass GamesのAir & Armorでも主戦場となっている場所だ。

「ヴュルツブルク」(以下、本作)は、Modern Battlesの基本システムを踏襲しつつ、ヘリコプターや河川の横断、戦術核兵器等のルールが追加されている。中でも戦術核兵器のルールは選択ルールながらも本作の一大特徴をなしている。そこで本作における戦術核兵器の扱いについて、少し説明したい。
本作では、戦術核兵器は弾頭威力によって区別された1発の核弾頭を表している。核弾頭には5kt、20kt、50ktの3種類があり、それ以外に100kt、200ktのものがあるがゲームには登場しない(これらは戦術核兵器ではなく戦域核兵器の範疇に属するものである)。余談だが、広島に投下されたリトルボーイが約16kt、長崎に投下されたファットマンが約21ktの弾頭威力を持っていたとされている。
核弾頭の威力に応じて危害半径が設定されていて、当然ながら大型核弾頭の方が危害半径が大きい。そう考えると大型核弾頭の方が使えそうに思えるが、そうはいかない。まず大型核弾頭の場合、敵だけではなく味方にも被害を及ぼす可能性がある。米軍の場合、味方に被害が及ぶような核攻撃は一切禁止されているし、ソ連軍の場合でも米軍よりは緩いものの味方の損害を度外視して核兵器をバラまくことはルールで禁止されている。だから敵味方が近接している地域での核攻撃は案外難しい。米軍はそのことを見越してか、威力の小さい5ktクラスの核弾頭を多数保有している、実際にプレイしてみると確かに5kt弾の方が50kt弾よりも遥かに使いやすい。その一方でソ連軍は大威力の50kt弾を数多く保有しているが、その大威力は当のソ連軍ですら持て余し気味だったことがわかる。

核兵器を使用する際には、使用する1Turn前に目標Hexと使用する弾頭をプロットしておく。そして然るべき手順で核攻撃を実施する訳だが、その時、上記に示した「友軍被ばく」の制限に抵触してしまうと、攻撃は中止となる。ちなみに1Turnに使用できる核弾頭数は、米ソそれぞれ最大3発まで。また使用可能な核弾頭の総数は、米軍が20発、ソ連軍が10発である。

この「核弾頭の攻撃目標を1Turn前にプロットする」という部分は、「ゲーム的」と感じる部分である。核攻撃についてある程度の事前計画が必要なことはわかるが、砲兵射撃は適宜実施できるのに核兵器だけが「妙にドンクサイ」というのはやはり不自然だ。まあ戦術核兵器は実戦で使用したことがない兵器なので何とも言えない部分だが、「狙った所に敵がいなかった」というのはあまり考えにくい。まあ核兵器は威力が大きいので扱い方を間違えるとゲームを崩してしまう危険性があるので、実際の効果とゲーム上でのバランスを勘案した結果が上記のルールだと個人的には考えている。

余談だが、ゲーム上では最大30発の戦術核弾頭がヴュルツブルク周辺で炸裂する可能性がある。さらに西ドイツ全土でも同様の惨劇が繰り広げられることになるのだろう。そうなったら西ドイツ全体が人の住めない場所になっていただろうことは想像に難くない。否、ドイツだけではなくその周辺諸国も人の住めないノーマンズランドになっていたかもしれない・・・・。


話を戻すと、本作には計4本のシナリオが含まれている。それぞれが米ソ対決の様々な場面を描いていて、一番に短いシナリオ1「前進と接触」は、米ソ両軍による典型的な遭遇戦を扱っている。このシナリオの勝敗はヴュルツブルク市の支配だけど、核によって破壊されたヴュルツブルク市の支配にどれほどの意味があるのか疑問に思えるのは筆者だけではないだろう。
シナリオ2「ヴュルツブルク包囲戦」は、ヴュルツブルクに陣地を構築する米軍部隊をソ連軍が強襲し、これを撃退するシナリオである。ゲーム終了時点でヴュルツブルクの一角を米軍部隊が占めていて、さらに補給線がつながっていれば米軍が勝利する。
シナリオ3「グラムシャツの森」は、弱体な米軍部隊を追いかけてせん滅を図るソ連軍に対し、増援に現れた米軍部隊が反撃を行うというシナリオ。両軍とも激しく攻撃を行うという派手目のシナリオである。
シナリオ4「メインリバー・ライン」は、米軍が反撃するシナリオである。

シナリオ1「前進と接触」

最初にプレイしたのが、シナリオ1「前進と接触」である。このシナリオは典型的な遭遇戦で、米ソ両軍がヴュルツブルク市街地の確保を目指して戦うシチュエーションだ。今回は核兵器ルールは使わず、筆者は米軍を担当した。

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結果は米軍の勝利に終わった。米軍は砲兵ユニット数で勝り、そのために攻撃・防御時に有利である。攻撃時は砲兵による「犠牲攻撃」が可能で、防御時にはここ一番に砲兵火力を集中して攻撃を頓挫させることができる。このシナリオで普通にプレイすれば、米軍の優位は動かないと思う。

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シナリオ3「グラムシャツの森」

続いてシナリオ3「グラムシャツの森」をプレイしてみた。このシナリオは序盤に圧倒的なソ連軍が米軍を押しまくり、後半に米軍に大量の増援が登場してきて反撃するというシナリオである。今回も筆者は米軍が担当した。そして今回は核兵器のルールを採用してみた。

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序盤、米軍の配置ミスで両翼の2ユニットを包囲攻撃で失ってしまう。この時点で萎えそうになったが、増援が来るので頑張ろうと思いなおす。米軍の強みは敵に倍する核攻撃力なので、結構無慈悲に核攻撃を見舞ったが、思ったほど効果が上がらない。このゲーム、核攻撃が直撃してもユニットそのものが蒸発することは殆どなく(爆心地にいても消滅する確率は1/3)、大抵の場合は混乱してZOC損失、移動・攻撃禁止になる( エラッタも参照 のこと)。核攻撃が最も威力を発揮するのが自身が攻撃を開始する直前。敵ユニットの足を止めてZOCを消すと、そのユニットを包囲して容易に殲滅できるようになる。本作で核攻撃の位置づけは、敵を殲滅する主要な手段ではなく、通常戦闘を有利に進めるための「強力な補助的手段」と位置づけされていることが理解できる。

序盤、兵力に勝るソ連軍が米軍を押しまくり、米軍は数少ないユニットを使って必死に戦線を張るという展開。中盤以降に米軍の増援部隊が登場してくると米軍の前線が安定してき、米軍による反撃が始まるという展開になった。

今回は第5Turnまでは米軍が押されていたが、第6~7Turnに反撃を実施。特に第7Turnにソ連軍左翼に猛攻撃を加えて3ユニットを包囲殲滅。これでソ連側戦線左翼が崩壊し、今回も米軍の勝利で終了した。

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感想

核の有無でゲーム展開がかなり違う感じがする。核なしではナポレオンゲームみたいに戦線を張って殴り合いという展開だが、核ありでプレイすると核攻撃を避けるために散開した部隊同士の機動戦になる。どちらの場合もゲームとしては面白いが、核ありの方が変化に富んでいて面白いと感じた。

全般的には、現代戦を扱った作品の中ではプレイアビリティが高くゲームとしても面白い佳作だと思う。何やかんや言っても核兵器を使うという背徳感が魅力だ。他のシナリオも面白そうなので、是非機会を見つけてプレイしてみたい。

[M60戦車]

コマンドマガジン Vol.177『ヴュルツブルク』 コマンドマガジン Vol.180『ゴラン』
The Art of Maneuver: Maneuver Warfare Theory and Airland Battle M1 Abrams vs T-72 Ural: Operation Desert Storm 1991 (Duel Book 18) Bradley vs BMP: Desert Storm 1991 (Duel Book 75) 幻の東部戦線


金門島上陸作戦(以下、本作)は、1949年10月に金門島で行われた古寧頭戦役を再現するSLGだ。当時、連戦連勝であった共産中国軍は大陸全土を制圧し、台湾に逃れた中華民国政府を追って台湾占領を画策していた。

台湾占領の前に福建省沿岸に位置する金門島と馬租島の占領を企図した人民解放軍は、1949年10月25日に金門島に対する上陸作戦を敢行した。必勝を期していた人民解放軍は第1波上陸部隊として約1万の兵員を金門島に送り込んだが、上陸した途端に中華民国軍の猛烈な反撃を受けることになる。この戦いでは、中華民国軍が持っていた米国製M5スチュワート軽戦車が大活躍し、後に「金門の熊」と呼ばれることになった。
戦いは3日間続いたが、包囲されて後続を断たれた共産軍は民国軍に降伏し、金門島上陸作戦は失敗に終わった。

このゲームは古寧頭戦役のうち、人民解放軍が金門島に上陸した10月25日から3~4日間の戦いを再現している。
1Turnは実際の1日に相当し、1Hexは約750メートル、1ユニットは大隊で、戦車部隊は中隊単位となっている。ゲームシステムは共産側と民国軍が交互の作戦フェイズを繰り返し、両軍が連続してパスするまで繰り返すというもの。作戦フェイズには、スタックまたは師団単位でユニットを活性化し、活性化したユニットは移動・戦闘を実施できる。活性化が完了したユニットは裏返し(使用済み)になり、以後活性化できなくなる上に戦闘力が低下する。

他には海上輸送や兵站、砲兵支援や航空作戦に関するルールも含まれている。当然ながら「金門の熊」に関するルールも含まれている。

今回、本作をソロプレイで試してみた。

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SetUp

共産軍はゲーム開始時点で作戦オプションマーカーを3枚ランダムに引く。作戦オプションマーカーは合計6枚用意されていて、そのうち3枚はカスだが、残り3枚は何らかの益のあるマーカーだ。共産軍は、作戦オプションマーカーのうち1枚だけをゲーム中に使用できる。

今回共産軍が引いたのは、カスが2枚で「舟艇追加」が1枚。これは戦闘中に消耗した共産軍の海上輸送ポイントを強化できるオプションだ。

1Turn

共産軍の第1波は合計3個連隊11ユニット。海岸線の東から第82師団244連隊、第84師団251連隊、そして第85師団の253連隊である。

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古寧頭付近で共産軍と民国軍の激戦が戦われる。民国軍は海岸を守っていた第210師団が半数を失い、反撃を行った第13師団が包囲下に陥り壊滅した。しかし上陸した共産軍も大損害を被り、上陸した11ユニット中7ユニットを失う。

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2Turn

民国軍が島の西部に兵力を集中しているのを見た共産軍は、第2波上陸部隊の一部を島の東側に上陸させた。第82師団の残存部隊が東側に上陸し、民国軍の補給基地がある中蘭(1608)と後沙(1409)に侵攻する。同方面を守る民国軍は弱体な第18師団で、強力な共産軍の攻撃に抗し得ず後退する。しかし後方に控えていた第11師団が反撃を実施し、中蘭を奪回した。

島の西部では民国軍の反撃が激しくなる。戦車の支援を受けた民国軍最強の第118師団が海岸地帯の共産軍を猛撃し、古寧頭より東側の海岸地帯は概ね掃討した。

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3Turn

西海岸に上陸した共産軍第85師団が林暦(0507)へ進出した。民国軍は第118師団と戦車部隊を動員して共産軍第85師団を撃破せんとするが、彼らも共産軍の精鋭部隊。最後まで林暦(0507)を守り切った。

一方、島の東側では共産軍第82師団の残存部隊が激しい抵抗を続けている。民国軍は第11師団、第18師団、第118師団、そして第201師団まで投入して共産軍の排除を試み、ようやくそのすべてを排除した。

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結果

共産軍が獲得したVPは合計0で、結果は「引き分け」であった。
上陸した共産軍は降伏したが、民国軍も大きな損害を被ったのである。

感想

ルールはシンプルで面白い。戦いの大きな流れとしては共産側が民国側に押される展開だが、個々のユニットでは共産側の方が強力なので、局所的には共産側も反撃が可能になる。全体の状況を判断しつつ如何にして主導権を保持するかがポイントになる。プレイ時間も1~2時間程度と手軽なので、万人にお奨めできる好ゲームだ。

この命、義に捧ぐ 汝、ふたつの故国に殉ず

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