もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

タグ:もりつち

ゲームカタログ2024秋


作品とお値段

自作ゲーム通販のお知らせです。
通販の対象は以下の通りです。(送料及び料金の一部が変更になっています)
作品の詳細はこちらを参照してください。

 「海空戦!南太平洋1942第2版」 10,000円+送料(打抜きカウンター付きです)
  雑誌「海空戦」No.1   1,200円+送料
  雑誌「海空戦」No.2   4,000円+送料(「海空戦!南太平洋1942」の追加ルール、シナリオ集です)
    「海空戦 No.2」は完売しました
 「欧州海域戦」  5,000円+送料
 「ソロモン夜襲戦DX」 5,000円+送料
  雑誌「水上戦」No.1   1,200円+送料
 「決戦、アバオアクーDX」 4,400円+送料
 「植民惑星の解放」 5,000円+送料
 「PFBシリーズ」     3,200円+送料
 (電子データのみの場合は 1,500円)

送料については商品の数に関係なく一律600円です

例:「海空戦!南太平洋1942第2版」「ソロモン夜襲戦」を注文する場合、料金は以下の通りです。

 10,000円 + 5,000円 + 600円 = 15,600円

通販の申込方法

この記事にコメントを書いてください(非公開扱いにします)
タイトルは「通販申込み希望」としてください。
その際、連絡先となるメールアドレスをあわせて教えて下さい。
こちらから折り返しご連絡致します。

よろしくお願いします。


BoC02


欧州海域戦 「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
挑戦するのは「カラブリア沖海戦」。イタリア側では「プンタ・ステロ沖海戦」と呼ばれる戦いだ。
今回、VASSALを使ったテストプレイを試みる。

前回まで --> こちら

Turn00a



1Turn

IT_CL1aこのシナリオは英伊両艦隊が砲戦を開始時点で始まる。接触したのはお互いの巡洋艦戦隊で、英側が第7巡洋艦戦隊、伊側が第4,8戦隊だ。両軍とも軽巡4隻からなる。
距離14Hex(21km)で6インチ砲にとっては最大射程に近い距離であったが、イタリア巡洋艦が腕の冴えを見せた。6インチ砲8門装備の軽巡「アルベルト・ディ・ジュッサーノ」が、英巡洋艦で最有力の大型軽巡「リバプール」(6インチ砲12門装備)に2発の6インチ砲弾を立て続けに命中させたのである。大落角で飛来した6インチ砲弾のうちの1発はこともあろうに「リバプール」の機関室で炸裂。「リバプール」の速度は一気に10ktに低下してしまう。

Turn01a


2Turn

CW_CL52a英艦隊は厳しい決断に迫られた。速度の低下したリバプールを列外に逃がすが、それとも列内に留めるかである。英艦隊は「ネルソンタッチ」を選択する。すなわち「リバプール」は列内に留め、第7巡洋艦戦隊は全体の速度を15ktにまで低下させたのである。速度の低下した「リバプール」が集中砲火に晒される危険はあるが、6インチ砲12門搭載の有力艦を戦力外とするのを嫌っての決断だ。

果せるかな・・・。

距離21kmで両軍の巡洋艦同士が砲火を交わしたが、今度はお互いに命中弾がなかった。速度の低下した「リバプール」も緊急回避によって「ジュッサーノ」の夾叉を躱し、一応危機を脱した形となった。

Turn02a


3Turn

IT_CL11a英戦艦「ウォースパイト」が戦場に姿を現した。距離13Hex(約20km)から主砲による射撃を開始する。狙われたのは、先に「リバプール」に深手を負わせた軽巡「アルベルト・ディ・ジュッサーノ」。狙いが逸れて「ジュサーノ」のやや離れた海面に巨大な水柱を上げた。
このTurn、英側も最初の命中弾を得ていた。軽巡「ネプチューン」の放った6インチ砲弾1発が、イタリア軽巡「アルベルコ・ダ・バルビアーノ」に命中したのである。「バルビアーノ」の損傷は軽微である。対するイタリア軍も、6インチ砲10門装備の大型軽巡「ルイージ。ディ・アブルッチ」が英軽巡「オライオン」に命中弾1発を与えていた。

Turn03a

4Turn

CW_BB7a再び「ウォースパイト」の主砲が吠えた。巨大な15インチ徹甲弾が軽巡「アルベルト・ディ・ジュッサーノ」に吸い込まれていく。2発が「ジュッサーノ」に命中した。「ジュッサーノ」の速度は20ktまで低下し、列外に離れていく。また「ジュッサーノ」に続行する「アルベルコ・ダ・バルビアーノ」にも軽巡「ネプチューン」の放った6インチ砲弾が再び命中した。「バルビアーノ」の4番砲塔が破壊され、使用不能となる。

イタリア軍も2隻の戦艦が戦列に姿を見せた。前巻「コンテ・ディ・カブール」は13インチ砲10門で軽巡「ネプチューン」を狙う。「カブール」は初弾から「ネプチューン」に夾叉弾を得て、2発が命中した。15インチ砲弾に比べると威力に落ちる13インチ砲弾であったが、それでも2発の命中弾は「ネプチューン」に無視できない損害を与えた。

Turn04a


5Turn

イタリア第4,8戦隊の巡洋艦4隻は随伴駆逐艦と共に一斉に左へ回頭する。さらに「アルベルコ・ダ・バルビアーノ」は煙幕を展張し、敵から姿を隠す。「ウォースパイト」は目標を戦艦「コンテ・ディ・カブール」に変更し。距離14Hex(21km)から15インチ砲を放った。「ウォースパイト」は腕の冴えを見せて1発が「カブール」に命中する。

Turn05a


6Turn

CW_BB10aイタリア戦艦2隻は左へ変針し、煙幕を展開しながら英戦艦の砲火を回避する。後ろから追いかける「ウォースパイト」は「コンテ・ディ・カブール」に対してなおも砲火を送るが、煙幕に阻まれて命中弾はない。その頃、後方から追いすがってきた英戦艦「マラーヤ」が距離14Hexにイタリア戦艦を捉えた。轟然と火を噴く15インチ砲。狙われたのはイタリア戦艦「ジュリオ・チェーザレ」。1発が「チェーザレ」の上部甲板に命中し、小規模な火災を起こさせた。

Turn06a


7Turn

IT_CL7a機関部に被弾し、速度低下を起こしていた「リバプール」が復旧した。速度も25ktまで回復し、戦列に復帰する。
イタリア艦隊は巡洋艦隊が右へ変針し、英艦隊の左斜め前を圧迫するような布陣に展開する。また2隻の伊戦艦は単縦陣を維持したまま、サルヴォーチェージングを行って英戦艦の射弾を回避する。そこへ目がけて英戦艦「ウォースパイト」と「マラーヤ」、そして英第7巡洋艦戦隊の軽巡4隻が砲火を浴びせるが、わずかに「ネプチューン」が伊軽巡「モンテクッコリ」に対して夾叉弾を与えたのみであった。
イタリア側も戦艦2隻、そして新たに戦場に姿を現した第7戦隊の軽巡4隻が射撃を行うが、夾叉弾、命中弾ともになかった。

Turn07a


つづく

欧州海域戦 ソロモン夜襲戦 海空戦南太平洋1942 Atlantic Sentinels
大西洋、地中海の戦い イギリス海軍の護衛空母 Struggle For the Middle Sea The Gaeman Fleet At War, 1939-1945

BoC01


欧州海域戦 「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
[CW_BB7a.png] 今回挑戦するのは「カラブリア沖海戦」。イタリア側では「プンタ・ステロ沖海戦」と呼ばれる戦いだ。シナリオの序文からこの戦いの背景を見てみよう。

1940年6月10日、イタリアは英仏両国に宣戦を布告した。ドイツ軍によるフランスへの侵攻とその成功に乗じる形での宣戦布告である。
英海軍はマルタ島から出発する船団を護衛すべく、アレキサンドリアから地中海艦隊が出撃。マルタ島へ向かう。英地中海艦隊の出撃を察知したイタリア海軍も、北アフリカへ向かう味方船団を守るために戦艦2隻を含む約50隻の大艦隊を出撃させた。
7月9日1515。英伊両艦隊が接触した。巡洋艦同士の砲撃戦が始まり、やがて両軍の戦艦が戦闘に加入してきた。地中海を廻る海戦の中では最大規模の戦いであるカラブリア沖海戦の幕が開いたのである。


とまあこんな感じの戦いである。Wikipediaによれば、参加兵力は英艦隊が25+2隻、伊艦隊が31+3隻となっている。しかしWikipediaには、特にイタリア側の参加艦艇について合計49隻分の艦名が記載されている。その他にもこの戦いは戦闘序列からして悩ましいのだが、良い資料が見つかった。Vincent O'Hara氏の書いた 「Struggle For the Middle Sea」 だ。この本はWW2地中海における個々の海戦を手際よくまとめている。個々の海戦での戦闘序列に加えて各艦の損傷状況が整理されて紹介されており、非常にありがたい。

SftMS



もう1冊紹介すると、Marcus Faulkner氏の 「War at Sea - A Naval Atlas 1939-1945」 も参考になった。これはWW2における東西の海戦についてその動きを地図上で示した内容だが、文章だけではなかなか理解できない両軍の位置関係を平面的に理解するのに大変役立った。

200419_WaratSea


IT_BB1a この戦いの特徴としては、お互い非常に大規模な艦隊同士が激突しながら、戦果・損害が双方とも極めて小さかったことが挙げられる。これはお互いに接近戦を避けて約20km前後の長距離砲戦に終始したことと、特にイタリア側が僅かな損害を受けただけですぐに逃げ出す癖があったからである。これを再現するため、本シナリオでは勝利条件でイタリア側を厳しくし、比較的軽い損害を受けただけでもイタリア側が士気阻喪して撤退してしまうことにした。これによりイタリア側が士気阻喪を避けるために消極的な戦いをするよう仕向ける狙いである。

もう1つ。お互い大兵力を持ちながらもダラダラとした感じの海戦が続いたこともこの戦いの特徴である。そこで両軍の布陣をお互い縦深配置とし、序盤は巡洋艦同士の交戦になるようにした。さらに両軍とも序盤の指揮値を少なめに設定し、Turnが進むにつれて徐々に指揮値が増えていくようにした。

なお本シナリオでは、いわゆる「イタリア海軍は練度が低い」的なルールは適用していない。イタリア海軍の練度については、確かにいくつかの戦いで「ヘボい」面を見せることもあるが、地中海の戦い全般を通じて言えば練度が低いという明確な事象は少ない。むしろ、(例えばシルテ湾海戦やパンテレリア沖海戦のように)英海軍よりも練度的には高いと思わせる場面も少なくない。従って魚雷命中モードをやや低めに設定したことを除けば、イタリア海軍は平均的な技量を持っていると評価している。

前置きはこれぐらいにして、では早速始めてみよう。


テスト状況

IT_CL12a序盤、伊艦隊は4つのグループに分かれている。英艦隊に近い順に第4,8戦隊(軽巡4隻)、第7戦隊(軽巡4隻)、第5戦隊(戦艦2隻)、第1,3戦隊(重巡6隻)だ。それぞれには駆逐艦4隻からなる駆逐隊が各1個随伴している。
第4,8戦隊に所属するのは、ジュサーノ級軽巡2隻とアブルッチ級軽巡2隻。前者は基準排水量約5,000トンの中型軽巡洋艦で、後者は同9,600トンの大型軽巡だ。6インチを8門、10門装備し、火力は優秀だが、装甲防御にやや難がある。
第7戦隊はモンテクッコリ級軽巡2隻とダオスタ級軽巡2隻。基準排水量はそれぞれ7,500トン、8,700トン。武装はジュサーノ級とほぼ同じだが、防御力ではジュサーノ級よりも優れている。
第5戦隊に所属する戦艦2隻は、いずれもコンテ・ディ・カブール級の戦艦。伊海軍では最も古い戦艦で、就役は1914~15年である。就役当時は速度21ktの弩級戦艦であったが、1930年代に実施した大改装によって最大速度28ktの高速戦艦に生まれ変わった。主砲口径も就役当時の30.5cmから、32cmに拡張された。しかし砲力と装甲では、今回登場する英戦艦(特に「ウォースパイト」)に比べると、劣っている点は否めない。
第1,3戦隊は、伊海軍が誇る重巡群6隻で、ザラ級4隻を主力とし、トレント級、ボルツァーノ級が各1隻という構成である。主砲20cm砲8門装備は共通しているが、装甲と速度でクラス毎に微妙な違いがある。

対する英艦隊は3つのグループに分かれている。
一番敵に近い位置にいるのが軽巡4隻からなる第7巡洋艦戦隊である。リアンダー級軽巡が3隻、タウン級軽巡が1隻だ。前者は基準排水量7,300トン、6インチ砲8門装備の中型軽巡、後者は約1万トン、6インチ砲12門装備だ。リアンダー級はイタリア側軽巡とほぼ拮抗する性能を有しており、タウン級はそれを凌駕している。

第2グループは、戦艦「ウォースパイト」と駆逐艦4隻からなるグループである。「ウォースパイト」は強力な38cm砲8門を装備した有力な戦艦で、本シナリオでは両軍通じて最強艦といえる。本艦の主砲は本シナリオに登場する伊戦艦の主装甲を全ての距離で容易に貫通するだろう。また本艦の強力な装甲防御は、伊戦艦の32cm砲に対して十分な防御力を発揮するはずだ。

第3グループは、戦艦「マラーヤ」「ロイヤル・ザブリン」と10隻の駆逐艦からなる部隊である。この2隻の戦艦は、「ウォースパイト」と比べるとやや装甲が薄く、そのため伊戦艦の32cm砲に対してもやや不安がある。また「ロイヤル・ザブリン」は速度も遅いため、高速を誇る伊戦艦に対して有効な砲撃戦を実施し得るのか、という点に不安が残る。

Turn00a


つづく

欧州海域戦 ソロモン夜襲戦 海空戦南太平洋1942 Atlantic Sentinels
大西洋、地中海の戦い イギリス海軍の護衛空母 Struggle For the Middle Sea The Gaeman Fleet At War, 1939-1945

↑このページのトップヘ