もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

タグ:ウォーゲーム

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毎回リストアップするのが面倒なので、「やりたいゲームリスト」を作成しました。
なお私が保有していないゲームは【未保有】というマークをつけています。
またプレイ経験のないゲームは【未体験】マークをつけています。
未体験ではないけど、練度不十分なゲームは【初心者】マークをつけています
また【供養】と書かれているゲームについては、意味はご想像におまかせします。

注:以下はあくまでも目安なので、実際の対戦時には調整させて頂く場合もあります。
注:以下の内容は適宜変更される可能性があります(最終更新:2023/05/17)

1.熱烈希望

今、一番やりたいのはこれ

もりつち「海空戦!南太平洋1942」
もりつち「ソロモン夜襲戦」
もりつち「欧州海域戦」
もりつち「決戦、アバオアクー」
CompassGames「The Third World War - Designer Signature Edition」
CompassGames「Blue Water Navy」
GMT「Red Storm - Baltic Approaches」
GMT「Red Storm」
GMT「Operation Dauntless」
GMT「Empire of the Sun」(2nd)
GMT「Twilight Struggle」
GMT「MBT」シリーズ
GMT「Panzer」シリーズ
GMT「Stalingrad'42」
GJ別冊「信長最大の危機」
VG「3rd Fleet」
VG「5th Fleet」
VG「7th Fleet」
VG「Hell's Highway」
GDW「Air Superiority」(シリーズゲーム含む)
CoA「The Speed of Heat」
CoA「Whistling Deatg」(WW2超精密空戦ゲーム)
Game Journal「激闘関ヶ原」

7th Fleet

Panzer


誰の対戦でも受ける(でもボロ負けしたらゴメンナサイ)

AH「Russian Front」
AH「Napoleon at Bay」
AH「Submarine」
AH「GCACW - Here Come the Rebele」
AH「Squard Leader」
AH「Cross of Iron」(未所有)
GMT「North Africa'41」
GMT「France'40」
GMT「Holland'44」
GMT「Down Town」
GMT「Elusive Victory」
GMT「Ardenness'44」(2nd)
GMT「Zero!」
GMT「Wild Blue Yonder」
GMT「For the People」
GMT「Labyrinsh」
GMT「Paths of Glory」
GMT「Next War Taiwan」【未体験】
GMT「Next War Poland」
SSG/HJ「Pacific Fleet」
CompassGames「Saipan - The Bloody Rock」【未保有】
CompassGames「Guam - Return to Glory」【未保有】
CompassGames「Dooms Day Prohect」
CompassGames「The Little Land – The Battle for Novorossiysk」【未保有】
CompassGames「Blue Water Navy」
CompassGames「The War for the Union」
CompassGames「NATO -Designer Signature Edition」
CMJ別冊「太平洋戦記」
CMJ別冊「インペリウム」
CMJ別冊「独ソ戦2」
CMJ別冊「No Retreat!」
CMJ別冊「大西洋戦争(Vicory at Sea)」
CMJ別冊「Legend Begins」
CMJ#92「Red Dragon Rising」
CMJ#90「ソロモンズ・キャンペーン」【未体験】
CMJ#78「天下強奪」
CMJ#48「Decision in France」
WGJ#13「最後のサムライ - 西南戦争」
GJ別冊「大東亜戦争」
GJ#83「ノルマンディ強襲」
GJ#81「米中激突・現代海戦台湾海峡編」
GJ#74「日中韓・現代海戦三国志」
GJ#76「独眼竜政宗」
GJ#75「SS装甲師団長」
GJ#73「沖縄の落日」
GJ#68「西国の雄」
GJ#43「ドイツ装甲師団長2」
GJ#41「ワーテルローの落日」
GJ#40「日本海決戦1905」
GJ#36「真田軍記」
GJ#35「激闘グデーリアン装甲軍」
GJ#29「激突!バルジ突破作戦」
GJ#4「激闘!マンシュタイン軍集団」
GJ#2「戦略級関ヶ原」
Hexasim「Liberty Roads」
MMP「BCS ARRACOURT」
MMP「BCS Last Blitzkrieg」【未保有】
MMP「BCS Baptism by Fire」【未保有】
MMP「TCS - Race for Bastogne」【未保有】
MMP「ASL」
MMP「Shifting Sands」
【今回追加】VUCA「Red Strike」
LPS AtO#29 Buffalo Wings
DG S&T#283 Fail Safe【未体験】
LNL「World at War」
New England Simulation「The Jaws of Victory」
天下布武「砂漠の嵐作戦」
Matrix Games「Carriers at War」
もりつち「PFB」(APBAライクな野球ゲーム)

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2.熱烈希望

ただし技量等の問題で対戦可否については調整させて下さい

GMT「Next War Korea」
GMT「Conquest and Consequence」【未体験】【未保有】
GMT「Dark Summer」【未体験】【未保有】
LPS AtO#14 Chennault's First Fight【未体験】
LPS AtO#17 Imperial Sunset【未体験】
SSG/EP「関ヶ原1600」【初心者】
Columbia「Rommel in the Desert」【未体験】
Draco「Normandy - The Beginning of the End」
AH「War and Peace」
AH「Frederick the Great」【未保有】
VG「Korean War」
SPI「Mech War 2」

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3.希望

AP「Midway」
AP「Strike South」
AP「Arctic Convoy」
AP「Eastern Fleet」
GMT「Saerno'43」【未保有】
GMT「Normandy'44」(2nd)
GMT「Caucasus Campaign」
GMT「Triumph and Tragedy」
GMT「The US Civil War」
GMT「Barbarossa to Berlin」【未体験】
CMJ別冊「死闘!北方軍集団」【未体験】
CMJ別冊「装甲擲弾兵/東部戦線」
CMJ別冊「アイアンボトムサウンド3」
CMJ別冊「No Retreat2」【未体験】
CMJ#133「グレネード作戦」
CMJ#132「マンシュタインの切り札」
CMJ#124「シ号作戦」
CMJ#110「尖閣ショウダウン」
CMJ#99「The Iron Dream」【未体験】
CMJ#97「Battle for Korsun」【初心者】
CMJ#94「ビルマ電撃戦」【初心者】【供養】
CMJ#88「アリューシャン・キャンペーン」【初心者】【供養】
CMJ#87「バルバロッサ」【未体験】
CMJ#85「レッドタイフーン」
CMJ#82「Second Front Now」
CMJ#82「張鼓峰1938」【未体験】
CMJ#81「パットン第3軍」
CMJ#76「ヴェルキエ・リーキ」【初心者】
CMJ#72「第1次世界大戦」
CMJ#65「シナイ半島73」【未体験】
CMJ#58「Korea95」【未体験】
CMJ#56「Turning the Table」【未体験】
CMJ#5「Victory at Normandy」【未保有】【初心者】
GJ別冊「幸村外伝」
GJ#88「激闘!ロンメル&マッカーサー」
GJ#87「新信長風雲録」
GJ#86「戦略級三国志英雄伝説」
GJ#84「応仁の天下」
GJ#80「長元記:長宗我部元親奮戦記」
GJ#72「九州三国志」
GJ#71「幸村外伝 Episode-0」
GJ#70「第3帝国の盛衰」
GJ#63「クルスク南方戦線」
GJ#60「本土決戦1945」
GJ#56「江戸幕府の黄昏」
GJ#55「関東制圧」
GJ#53「激闘!スモレンスク電撃戦」
GJ#52「信玄上洛」
GJ#50「フリードリヒ最大の危機」
GJ#47「激闘!スターリングラード電撃戦」
GJ#46「謙信上洛」
GJ#42「マンシュタイン最後の戦い」
GJ#38「賤ヶ岳戦役」
GJ#31「文禄朝鮮の役」
GJ#28「諸国民戦争1813」
GJ#28「春秋戦国」【供養】
GJ#16「ビルマの落日」
GJ#13「ドイッチュラント・ウィンターゲルト」
GJ#13「ロンメルアフリカ軍団」
GJ#12「壬申の乱」【未体験】
GJ#10「旅順口強襲」
GJ#9「激闘!キエフ奪回作戦」
旧GJ#63「太平記」
Hexasim「Victory Roads」
MMP「OCS-Korea」
MMP「OCS-Sicily 2」
DG S&T#263「Cold War Battles 2」【未体験】
L2D「Breakout Normadny」【初心者】
LPS Ato A2008 Operation Cartwheel
VaG「Hannibal:Roma vs Carthage」【未体験】
SA「Gettysburg 1863」【未体験】
SA「Sakahalin 1945」【未体験】
SSG/EP「朝鮮戦争」【初心者】
TDF「ラコックの陰謀」
AH「Flight Leader」
AH「PanzerLeader」【未保有】
AH「Victory in the Pacific」【未保有】
PeriodGames「国防軍の夜2」【未体験】

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4.対戦可能、ただしメインディッシュにはしたくない

DVG「Down in Flames」
CMJ_WGHB「田原坂」
CMJ_CTS「零戦!海軍航空隊の戦い」
CMJ_CTS「南太平洋海戦」
CMJ_CTS「F-16 ファイティングファルコン」
CMJ_CTS「Tanks+」
GMT「Battle for Moscow」(C3i Nr.25)
CMJ#119「皇帝ナポレオン」
CMJ#119「国内戦役1814」
CMJ#114「珊瑚海キャンペーン」
CMJ#111「常徳殲滅作戦」
CMJ#102 ドイツ本土決戦/日本本土決戦
【今回追加】GJ#89「フランス革命」
GJ#32「関ヶ原大作戦」
GJ#26「秀吉頂上決戦」
GJ#22「レイテ湾強襲」
GJ#16「硫黄島」
WGJ#6「箱館湾海戦」【供養】
WGJ#8「志士の時代」
WGJ#15「八王子城攻城戦」
WGJ#16「会津、戊辰戦争」【供養】
bonsai「The Rise of Blitzkrieg」
bonsai「大東亜共栄圏」

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5.いつかやりたいなぁ・・・(今すぐは無理だけど)

MMP「The Devil's Cauldron」【未保有】
MMP「Where Eagles Dare」【初心者】
SPI「The Next War」【未体験】
SPI「NATO Division Commander」【未体験】
DG「War in the Pacific」【未体験】
DG「Advanced Pacific Theaterof Operations」【未体験】
CoA「Command at Sea」【未体験】
CoA「Harpoon」【未体験】【未保有】
CoA「Persian Incursion」【未体験】
GMT「A World at War」【未体験】
同人「英国海軍」【未体験】

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NO RETREAT!(ノー・リトリート!日本語版)第2版
価格:8,200円(税込、送料無料) (2023/11/14時点)


表紙


「No Retreat!」(以下、本作)はWW2における独ソ戦をキャンペーンレベルで描いたシミュレーションゲームだ。独ソ戦のキャンペーンとしては、The Russian Campagin(以下、ロシキャン)が有名だが、本作の1Turnは2ヶ月でロシキャンと同じ。1Hexは約100km、1ユニットは枢軸陣営が軍規模(8~12万人)、赤軍側は方面軍規模(13~21万人)になっている。いずれもロシキャンよりも一回り大きい。

今回、本作のキャンペーンシナリオを対人戦で試してみた。

前回までの展開は -->こちら

14Turn(43年7-8月)

RU_2Baltic6-4盤面のソ連軍は殆ど増強状態となり、ソ連軍の攻撃力は開戦時とは見違えるほど強化されてきた。しかしソ連軍の進撃は今一つ振るわない。ドンバス前面で反撃してきたドイツ軍によってスターリノが奪回されてしまう。これに焦ったソ連軍は、ペレコープ地峡前面で反撃に転じた。難攻不落のペレコープ地峡に隙が生まれた。これが後に大きな禍根を残すことになる。

写真13


15Turn(43年9-10月)

RU_Sevpol3ドイツ軍はペレコープ地峡に再び攻撃を加える。最強の第2装甲軍(7-6)を注ぎ込んでペレコープ地峡を一撃で突破。セヴァストポリに迫る。ロシア軍はセヴァストポリの要塞を強化して守りを固める。これで一安心、の筈だったが・・・。

写真14
写真15

16Turn(43年11-12月)

忘れていたが第13Turnからソ連軍のフリー改編が1ユニットから2ユニットに増えていた。2ユニットほど損したことになるが、まあ仕方がない。現実の社会でもこういった損はよくある話。小さな損をいつまでも悔やんでいては、本質が見えなくなるのも現実世界と同じだ。

ドイツ軍がセヴァストポリ要塞に対して激しく攻撃するも、セヴァストポリの守備隊が奮戦してドイツ軍の攻撃を跳ね返している。このまま要塞守備隊が頑張ってくれれば、クリミア半島の入口をソ連側が支配してセヴァストポリの安全は確保されるだろう。

写真16


17Turn(44年1-2月)

「えーっと、地上補給戦が通じない場合、回復はできないですね」

相手プレイヤーの一言に一瞬何のことか理解できなかった。畳みかけるように

「セヴァストポリの地上補給戦が切れてますよね」

と言われてようやく気が付いた。セヴァストポリは海上補給が通じるので補給切れになることはない。だから「難攻不落」と思っていたが、ルールをよく読むと地上補給線が切れているではないか。それでわざわざケルチ地峡(現在のクリミア大橋がある所)側にドイツ軍が進出してきたのか・・・。これまで楽勝ムードだったロシア軍は、一瞬にして窮地に立たされることとなった。
ロシア軍にとって苦境を脱する方法は2つしかない。1つはセヴァストポリが陥落する前にセヴァストポリへの地上補給線を回復すること。もう1つはセヴァストポリが陥落する前にレニングラードを奪回すること。後者については幸い勝利判定がTurnの開始時なので、セヴァストポリの陥落とレニングラードが同じTurnなら、首の皮一枚でソ連側が助かることになる。

ちなみにこのTurnからソ連軍のステップ数が2ステップに増える。これでようやくドイツ軍と互角に近い状態で戦うことが可能となる。ドイツ軍の前線は薄くなってきて、いよいよスチームローラー発動。こんな状態でセヴァストポリを取られて負けてしまうなんて、耐えられない・・・。

写真17


18Turn(44年3-4月)

GE_4Pz4-6セヴァストポリの守備隊が遂に壊滅した。しかし戦闘結果がEXだったので、ドイツ軍は戦闘後前進できていない。ソ連軍はセヴァストポリを奪回すべく、ケルチ地峡側からはソ連最強の第5親衛戦車軍(8-4)が攻撃を実施。さらにクリミア半島入口付近では、ドニエプロペトロフスクを占領したソ連軍がさらに西へ進んでオデッサに向かう。あと一歩でクリミア半島を完全包囲できるのだが、果たしてそれまでゲームが続くかどうか・・・。

レニングラード方面でもソ連側の第1戦車軍(6-4)がレニングラード前面を守るドイツ第4装甲軍を攻撃する。第4装甲軍はステップロスしており戦力は低下していたが、それでもソ連軍の攻撃を跳ね返した。

写真18


19Turn(44年5-6月)

セヴァストポリが遂に陥落した。戦略的にみてこの時期セヴァストポリが陥落することに何の意味があるのか、とも思えるが、ゲーム的には重大事件である。ソ連軍がサドンデス負けを避けるためには、何としてもレニングラードを奪回しなければならない。

レニングラード前面を守るドイツ第4装甲軍(4-6)に対してソ連軍はカウンターブローを仕掛ける。しかしソ連軍の攻撃は不発に終わって攻撃失敗。この段階でレニングラード陥落は不可能となった。最終Turnまであと3Turnであったが、この時点でドイツ軍によるサドンデス勝利が決まった。

写真19


感想

プレイ時間は休憩時間を除くと7時間弱である。結構時間がかかったが、白熱した戦いであった。ただ勝敗だけを見ると、正直な所悔いの残る1戦であった。ペレコープ地峡で変な色気を出さなければ、セヴァストポリが落ちることもなく、兵力で優位に立つロシア軍で弱体化したドイツ軍を圧倒できる筈であった。つくづく余計なことをしなければ良かったと思う。
あと、序盤のレニングラード陥落も失敗だったが、これは経験不足なので仕方がないと思う。次回のプレイでは、同じ失敗を繰り返さないようにしたいとは思う。ただ、今回のプレイでの真の敗因がレニングラード早期陥落にあったことは間違いない。

ゲーム自体の感想についてだが、シンプルなゲームだが戦い方にある程度定石やツボのようなものがあり、それがわからないと経験者相手に初心者が勝利するのはほぼ不可能だと思えた。ただしゲームとしては面白いので、勝敗に拘らず「胸を借りる」つもりでプレイすれば、十分に面白い作品ではないだろうか。今回の私のように仮にゲーム上では敗れたとしても、
「あそこでこうしておけばよかった」とか
「そんなルールがあるなら気を付けよう」とか
思えたのなら、次の対戦では同じ失敗をすまい、と思えて、次回の対戦意欲が湧くと思う。

Card18

気になる点は、カードの取り扱い。カードプレイの占める割合が多く、カードの使い方次第で戦局を動かせること。例えば今回問題になった「列車砲」。私自身もやられたことがあるのだが、このゲーム、要塞の効果が大きく普通の攻撃では陥落させることが難しい。「列車砲」カードを使えば要塞を陥落させるのは容易だが、ソ連軍がこのカードを抱え込んでしまうと、ドイツ軍は要塞に対して苦慮することになる。他にもカードを捨てさせるカード、相手のカードを無効化するカードなどを使いこなす必要がある。しかしカードプレイのテクニックを考えると、果たしてこのような工夫が「いったい何のしみゅれーしょん何ですか?」と思えてくる。本作が一部で「ゲーム的過ぎる」と批判されるのは、カードプレイへの過度な偏重にあると思う。

ゲームとしてのバランスについては評価が難しい。今回、私のポカミスがなければ勝てたようにも思えるのだが、ドイツ側にもまだまだ秘策のようなものがあるのなら、ロシア側が有利とはいえないかもしれない。ただ、今回のプレイの印象では、ロシア側はミスをしなければ有利に戦えるのではないかと思えた。





表紙


「No Retreat!」(以下、本作)はWW2における独ソ戦をキャンペーンレベルで描いたシミュレーションゲームだ。独ソ戦のキャンペーンとしては、The Russian Campagin(以下、ロシキャン)が有名だが、本作の1Turnは2ヶ月でロシキャンと同じ。1Hexは約100km、1ユニットは枢軸陣営が軍規模(8~12万人)、赤軍側は方面軍規模(13~21万人)になっている。いずれもロシキャンよりも一回り大きい。

今回、本作のキャンペーンシナリオを対人戦で試してみた。

前回までの展開は -->こちら

7Turn(42年5-6月)

RU_Sevpol3ロシア平原は再び夏になった。機動力を回復したドイツ軍は、ウクライナの大地を疾走する。
ドイツ軍の一部は要域セヴァストポリを攻撃すべく、ペレコープを守るソ連軍要塞守備隊に対して攻撃を行う。大兵力を集めて総攻撃を仕掛けるドイツ軍であったが、実は要塞部隊は通常攻撃では絶対に死なない。それを打ち破る唯一の方法は「列車砲」カードを利用することだが、それを見越したソ連側は「列車砲」カードを手元にキープしたまま手放さない。これでセヴァストポリを守り切れば、サドンデス負けはない筈だ。そう思っていた。

ところがである。ドイツ軍は別の方法を仕掛けてきた。ペレコープ地峡前面でカウンターブローを仕掛けてきたのだ。さしもの要塞部隊であってもカウンターブローに対しては打って出ざるを得ない。当初「要塞部隊はカウンターブローを仕掛けられても反撃不要」と思っていたのでちょっと面食らったが、ルールを読むと確かに要塞部隊もカウンターブローを強いられる場合があるとのこと。これによってペレコープ前面を守る要塞部隊はステップロスを強いられてしまい、セヴァストポリの守りは風前の灯火となった。ヤバイ。

ここで本作ぺの勝利条件について説明したい。本作の勝利は基本的にはVPの大小によって決まる。ただしこれとは別にサドンデスの勝利条件があり、5ヶ所ある重要拠点のうち3ヶ所をドイツ軍が支配した時点でドイツ軍がサドンデス勝利する。重要拠点はケーニヒスベルク、レニングラード、モスクワ、スターリングラード、そしてセヴァストポリである。ケーニヒスベルクはドイツ領内だし、レニングラードは既に陥落済。残り3ヶ所のうち1ヶ所でもドイツ軍が落とせばドイツ軍がサドンデス勝利する。セヴァストポリが全ロシアの運命を握っている。

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8Turn(42年7-8月)

ロシアの真夏である。セヴァストポリは風前の灯火かとも思えたが、何故かドイツ軍はペレコープに対する追撃を行わず、ロストフ方面へ向けて攻勢を仕掛けてきた。これによってセヴァストポリ陥落の危機は一時的に避けることができたが、ドイツ軍はウクライナを東委に突進。ドンバス手前まで前進してきた。
さらに北方では要域ツーラをドイツ軍が占領し、モスクワにもドイツ軍は肉薄する。

写真07


9Turn(42年9-10月)

ペレコープ地峡のソ連軍は再び要塞部隊にパワーアップした。これによってセヴァストポリは再び難攻不落の要塞となる。

写真08


10Turn(42年11-12月)

RU_5GdTk8-42年目の冬が来た。ロシア名物冬季反攻である。昨年よりもパワーアップしたソ連軍部隊が猛烈な反撃を行う。
カリーニンをソ連軍が奪回。
ウクライナ平原ではソ連第1打撃軍とこれまたソ連最強の第5親衛戦車軍がドイツ軍防衛線に突進する。ドイツ軍も兵力を集中して迎え撃つが、ソ連軍はそれを撃退してドニエプル川河畔まで進出してきた。しかしソ連軍の戦線は伸び切っており、そこに隙が生まれる。

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11Turn(43年1-2月)

GE_2Pz7-6ドイツ軍はハリコフ周辺で反撃に転じてきた。史実での第3次ハリコフ戦の再現だ。調子にのって突出してきたソ連軍の第1打撃軍、第5親衛戦車軍はドイツ軍の包囲攻撃を受けてしまう。3個軍は包囲下で壊滅し、さしものソ連軍もその損害の大きさに唖然としてしまう。

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12Turn(43年3-4月)

Card09

春である。泥濘である。
このTurnが「潮目の変更」になる。この段階でドイツ軍が達成したVPが合計され、それがソ連軍が達成すべき勝利条件になる。つまり「潮目の変更」の段階でドイツ軍が大きなVPを達成していればソ連軍が勝利するために必要なVPのボーダーラインが跳ね上がり、逆に達成VPが小さければソ連軍のボーダーラインが低くなる。これは戦争初期にドイツ軍が東方へ進撃させるための動機付けとなる。
今回ドイツ軍が達成したVPは計9VP。ソ連軍が現時点で獲得したVPが計7VPである。つまりソ連軍はあと3VP稼ぐだけで勝利ラインをクリアする。この時点でほぼ勝利を確信したソ連軍なのであった。

もう1点。このTurnを境として「列車砲」カードが使えなくなる。これによってセヴァストポリが陥落する可能性がさらに小さくなり、ソ連軍としては「もう勝った」気分になっていた。

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13Turn(43年5-6月)

3年目の夏がきた。ソ連軍はツーラとカリーニンを奪回した。これでソ連軍の獲得したVPは9VPになり。ボーダーラインを達成した。これで負けはなくなったと感じたソ連軍であった。

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つづく





表紙


「No Retreat!」(以下、本作)はWW2における独ソ戦をキャンペーンレベルで描いたシミュレーションゲームだ。独ソ戦のキャンペーンとしては、The Russian Campagin(以下、ロシキャン)が有名だが、本作の1Turnは2ヶ月でロシキャンと同じ。1Hexは約100km、1ユニットは枢軸陣営が軍規模(8~12万人)、赤軍側は方面軍規模(13~21万人)になっている。いずれもロシキャンよりも一回り大きい。

システムは基本的には移動・戦闘を繰り返すタイプ。ただしカウンターブローといって敵側のプレイヤーターンに反撃できる仕組みがある。またイベントカードを使う所も特徴的で、イベントカードは兵站や軍需資源をも表しており、イベントカードを消費することで部隊を再建したり鉄道輸送できたりする。

今回、本作のキャンペーンシナリオを対人戦で試してみた。

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1Turn(41年6月)

GE_2Pz7-6第1Turnの攻撃パターンはほぼ決まっている。特別ルールで枢軸軍は決まった目標しか攻撃できないからだ。包囲攻撃を受けて2ユニット(WestとSouthWest)が壊滅。1ユニットが後退を強いられた。そしてリガとミンスクが陥落し、VP2点を献上した。
ソ連軍Turnに壊滅したユニットをカード2枚支払って復活させた。ソ連軍は極端な後退は行わず、南方戦線はオデッサからプリピャチ湿地東端まで戦線を引き(キエフは放棄)、北方戦線は森林地帯を使って防御ラインを強いた。

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結果論になるが、この時、北方で下がり過ぎたことが後から思えば失敗であった。側面迂回を恐れてペイプシ湖(L.Peipus)の後方まで撤退したが、冷静に移動力を計算すると、ペイプシ湖の南に隣接した森林地帯に布陣してレニングラードへの地積を確保するのが定石だと思う(ただし「参謀本部」カードで移動力を増やした場合に備えて、ペイプシ湖北側も押さえておく必要はある)。こうしておけば、レニングラードの要塞化が間に合うので、ドイツ側もレニングラード攻略に苦慮することになっただろう。
このあたりは経験の差が出たと言わざるを得ない。


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2Turn(41年7-8月)

RU_West4-3前Turnの配置ミスによる影響が出てしまった。ドイツ軍は北方におけるソ連側の消極的防御を突いてレニングラードまであと2Hexと迫った。レニングラードの危機を感じたソ連軍は、慌ててレニングラード前面に歩兵部隊で防衛線を敷いたが、ドイツ軍もソ連軍の弱点を見逃す訳もなくカウンターブローを仕掛けてソ連軍防衛線を撃破。レニングラードへの道が開けてしまう。

中央ではスモレンスクが陥落したが、次のTurnが泥濘なのでモスクワが落ちる心配は取りあえずなし。南方ではキエフが陥落。オデッサにも枢軸連合が迫ったが、こちらはソ連側の守備隊が奮戦してオデッサを死守した。

3Turn(41年9-10月)

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このTurnは泥濘である。泥濘のTurnは戦闘後前進が1Hexに制限されるので、ドイツ軍の電撃戦が封じられる。しかしレニングラードは一歩守りが間に合わず、ドイツ軍がレニングラードに接敵し、3-1攻撃を実施。「ハインツ・グデリアン」カードで戦闘結果を強制的にDRにしてレニングラードが陥落した。ちょっと悔しい。
南方でもオデッサが陥落してしまう。

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4Turn(41年11-12月)

GE_3Pz6-6このTurnは降雪である。ドイツ軍の攻撃は左へ1シフト。ドイツ軍は3ヶ所で攻撃を実施し、モスクワ北方の要域カリーニンが陥落。南方ではドニエプロペトロフスクが陥落する。
ソ連軍は冬季反攻を実施。カリーニンへ前進してきたドイツ第3装甲軍(6-6)を攻撃した。最初の年の冬季Turnはソ連側の攻撃に右1シフトのボーナスがつく。その甲斐もあり、ドイツ第3装甲軍をステップロスさせた。ドイツ軍に与えた最初の損害である。

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5Turn(42年1-2月)

Card24

年が変わって1942年。今年の冬は特に寒い(枢軸軍の攻撃は左2シフト)。この機会にソ連軍は「ヒトラーの攻撃命令」カードを使ってドイツ軍に対して計3ヶ所の強制攻撃を強いた。さらにソ連軍は南方戦線で反撃を実施。ハリコフ北方を守るドイツ軍歩兵軍を撃破し、ハリコフのドイツ軍スタックを包囲した。

写真04


6Turn(42年3-4月)

RU_1Bye8-2春の目覚め。長かった冬が終わり、春を迎えたロシアの大地は泥に沈んだ。両軍とも泥濘の中をドロドロになりながら戦う。ハリコフ周辺では包囲されていたドイツ軍は包囲輪を解放するために反撃を実施した。さすがに個々の戦闘ではドイツ軍は強力で、ハリコフの包囲輪が解放されてしまう。

このTurnからソ連軍は1ユニットをフリーで戦力強化できるようになる。早速ソ連軍最強の第1打撃軍(ショックアーミー)(8-2)を編制し、モスクワ北方での反撃作戦に投入した。ドイツ軍と相打ちでショックアーミー初陣で昇天。まあ復活可能だから良いだけどね。

写真05


つづく





NATO表紙


CompassGamesの「NATO: The Cold War Goes Hot - Designer Signature Edition 」(以下、本作)は、2021年に米国CompassGames社から発売されたSLGである。テーマは冷戦時代に欧州正面で想定されていた東西両陣営の直接軍事対決。設定年代は1983年と1988年の2種類があり、後者の方がNATOにとって有利である。

写真01


本作は、元々1983年に米国Victory Games社から発売されていた「NATO: The Next War in Europe」(以下、旧作)を元に、同じデザイナーが約40年の時を経て再び出版した作品である。1Turnは実際の1日、1Hexは15マイルで、1ユニットは連隊、旅団、師団規模になっている。1Turnのスケールは旧作が2日だったので、その半分になっている。その他のスケールは旧作との違いはないが、旧作は1ユニット=1個師団であったNATO側が、1ユニット=1個旅団となり、NATO側の駒数が大幅に増えた。

写真02


基本的な進め方は旧作と変わりはなく、移動、戦闘を繰り返す方式である。予備移動といって予備指定したユニットが移動力の半分までを使って戦闘終了後に移動できるルールが追加になったぐらい。また航空攻撃のルールも旧作から大きくは変わっていない。

旧作から大きく変化したのは、まず化学兵器である。旧作では単なるコラムシフトに過ぎなかった化学兵器が(それでも上手く使えば相当な打撃が期待できるが・・・)、新作では目標Hex内の敵ユニットを直接攻撃できるようになった。これはNATO側の後衛地隊を攻撃して対応移動を妨害する際に威力を発揮する。さらに化学兵器にはある程度の持続性があり、化学兵器が散布されたヘクスでは敵味方問わずその移動を妨害する。だからWP側が散布した化学兵器のため、WP側自身がその前進を阻まれるような事態も起こり得る。また化学兵器の中には持続性の強いものもあり、例えば強持続性化学兵器をデンマークへの橋梁地域に散布すると、デンマークの島嶼部とユトランド半島との間の連絡を阻害することができる。序に言うとNATO軍の中でも米軍は化学戦能力があり、米軍が化学兵器でWP側を攻撃することも可能である。

写真03_ガスマスク


話は少し戻るが、移動、戦闘システムについて、今回加わった概念に対応移動がある。これは攻撃目標に隣接するユニットが戦闘時に攻撃目標ヘクスにはせ参じて防御戦闘に参加すること。これはNATO側にとって防御の切り札となり得るルールで、逆にWP側はNATO側の反応移動を阻むため、航空攻撃や毒ガス攻撃を全縦深に叩き込むことになる。このあたりの展開は現代戦っぽさが出ていて興味深い。

今回は練習も兼ねて「戦略奇襲シナリオ1988年版」をプレイした。私の担当はNATO側である。第3Turnの途中までプレイして、現時点でのVPはWP側の6VP。勝利条件上、WP側は30VP以上獲得する必要があるので、現時点ではNATO側の圧勝である。ただしゲームは第14Turnまで続き、WP側がライン川を渡河した時点でWP側が勝利する。さらに第3Turn終了時点でNATO側は10個師団近い兵力を失い、それはNATO軍全戦力の1/4~1/3に対する。このままのペースで消耗を続ければ早晩NATO軍はジリ貧になるのは目に見えている。NATO軍としてはどこかで反撃を加えてWP側の進撃をストップさせなければならないが、さて。

写真04

プレイしての感想だが、旧作よりも格段に良くなっていると感じた。旧作ではNATO側に打つ手がなく、NATO側は一方的に磨り潰されるしかなかった。しかし本作ではNATO側のユニット数が増えたために防御や反撃の機会も増え、ゲームとしての幅が広がったと思う。また旧作では負けそうな側が禁断の核攻撃を行って戦局の一発逆転も可能だったが、新作では核兵器の使用は事実上抑制され、先制使用は困難になった(それでも状況を変え得るゲームチェンジャーとしての利用は不可能ではない)。ゲームとしてみた場合、核兵器使用でゲームが崩壊する可能性が減ったのは良かったと思う。

核砲撃


気になったのはプレイ時間。今回は約7時間のプレイだったが、2.5Turnしか進まなかった。このペースでは、全14Turnのキャンペーンシナリオを完遂するには1週間近くのプレイ時間が必要となる。まあ序盤はプレイ時間がかかるのも事実だし、中盤以降はペースアップが期待できるとは思うが・・・。

今回は練習戦で、近々再戦の予定があり、今から再戦が待ち遠しい今日この頃である。

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