昼食後 バスに乗って松江しんじ湖温泉駅に移動。午後は一畑電鉄(通称「バタ電」)に乗って旅をした。以下、その流れを時系列的に記す。
松江から出雲大社前
松江発1431の出雲大社行きは丸みを帯びた車体が特徴的で特急列車のような風格がある。車内もボックス席が多く占める観光列車のような仕様で、これはラッキーであった。発車してすぐに左手に宍道湖が見える。右側に見える山々も美しい。備中瓦の家々、水の張った田んぼ等、日本的な景観を堪能できる。
発車して30分弱で一畑口駅に到着。だいたい中間地点になるが、ここは平面スイッチバック方式の駅。平面スイッチバックといえば、秋田新幹線の大曲駅、西武鉄道の飯能駅などがあって決して珍しい訳ではないが、こんなだだっ広い場所でスイッチバックの必要があるのかやや疑問。ちなみに映画「レイルウェイズ」で、ラストシーンを撮ったのがこの駅であった。
その後列車は雲州平田、川跡等を過ぎて出雲大社前駅には1531に到着。松江しんじ湖温泉駅からの所要時間は丁度1時間であった。
出雲大社前から伊野灘
出雲大社前駅には引退した旧式電車のデハニ52系が保存されている。映画「レイルウェイズ」でも重要な役どころを演じた車両だ。車内は映画撮影時の状態がほぼ保存されているので、映画のファンにとっては有難い。出雲大社駅からは1545発の特急電鉄出雲市行きに乗る。電鉄出雲市に行く予定はなかったが、途中の川跡で途中下車し、駅と列車の写真を撮りたかったからだ。
特急なので川跡まではノンストップ。川跡で降りて次の松江しんじ湖温泉行きを待つ。
川跡からはさっきの特急型車両で松江方面へ。先ほど紹介した一畑口の1つ先の伊野灘駅で下車する。
伊野灘から雲州平田へ
伊野灘駅も「レイルウェイズ」での重要なロケ地だ。中井貴一演じる主人公が娘役の本仮屋ユイカと一緒に降りた駅が伊野灘駅。ここで主人公は娘から「人の話を聞くときに時計を見るな」となじられる。また主人公が電車の運転手になることを決意したのもこの駅だ。さらに言えば駅からすぐ近くのガード下は、主人公が幼馴染と再会した場所でもある。伊野灘駅での滞在時間は僅か7分で、すぐに下り列車に乗って次の目的地である雲州平田駅に向かう。
雲州平田から松江しんじ湖温泉へ
雲州平田駅は一畑電車の本社と車両基地がある場所だ。ここも「レイルウェイズ」でのロケ地。運転中の不祥事により退職を決意した主人公を、乗客が辞めないように嘆願する場面だ。また「レイルウェイズ」では車両基地を舞台としていくつも名シーンが生まれている。雲州平田からは松江方面行きの列車に乗り、松江しんじ湖温泉駅に着いたのは1800丁度。夕方の松江市内は強い風が吹いていた。
つづく
ただ、がむしゃらに生きてきた。気がつくと、多くのものを失っていた。だから、私は決意した。自分らしさを取り戻し、私らしく生きるために。一流企業に勤める49歳の筒井肇は、家庭を顧みず、忙しく仕事に追われる日々を送っていた。会社での立場は確立するが、妻や娘の心は離れるばかり。そんなある日、故郷の島根で一人暮らしをしている母が倒れたとの連絡が入る。追い打ちをかけるように、同期の親友の事故死の知らせが・・。それをきっかけに仕事一筋の人生に疑問を抱き始めた肇。「俺は、こんな人生を送りたかったのか・・・」
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