ATTACK ON PEARL HARBOR
Bret Kinzey A Detail & Scale Publication
タイトル通り真珠湾攻撃を扱った書籍である。本書の特徴は完全にデジタル媒体による出版のみの販売形態になっていること。そのためにカラーイラストや写真が豊富に入った計400ページ以上の大作ながら、日本円で2000円以下と廉価である。本書の特徴は真珠湾攻撃について現在判明している範囲で最も詳細に扱った著作の1つという点だ。その描写は主に戦闘場面に集中しているが、日本側の準備行動や米側の対応、攻撃後の米側の復旧活動にも一定量のページ数を割いている。
本書の売りは141ページから始まる日本軍の攻撃場面で、雷撃、爆撃、機銃掃射の実相とそれによって生じた被害が延々200ページに渡って記載されている。とはいっても写真の類が多いので、読む所はそれほどないのだが・・・。
米側から見た真珠湾攻撃の実態を知るためには格好の著作といえよう。本書とモリソン戦史。日本側は戦史叢書と森史郎氏の作品を揃えて置けば、真珠湾攻撃について現在判明していることは一通り理解できると思う。
お奨め度★★★★