「ソロモン夜襲戦」(以下、本作)は、艦対艦の水上戦闘を扱った自作のシミュレーション・ウォーゲームです。テーマは太平洋戦争の日米海戦で、ソロモン海戦やレイテ沖海戦等を舞台とした史実シナリオ、仮想シナリオなど、計16本のシナリオが用意されています。
1ユニットは個々の艦艇1隻を表し、1Hexが1500メートル、1Turnが5分間に相当します。
今回、本作のシナリオ4「第8艦隊突入す」のプレイ状況を動画にしました。このシナリオは史実の第1次ソロモン海戦をテーマとしたシナリオです。史実では日本側の圧倒的勝利に終わった海戦ですが、果たして日本海軍は史実を上回る勝利を収めることができるのでしょうか。
お楽しみください。
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「ソロモン夜襲戦」は自作の水上戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->こちらを参照して下さい。
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米軍の強みは、艦載機の数、艦爆の性能、艦隊の対空砲火である。一方で戦闘機の航続距離や雷撃機の性能で劣っている。従ってその強みを生かすためには空母の周囲を強力な対空直衛艦でガッチリ固め、可能な限り接近戦で戦う。そして日本軍をプレイした際に利用した囮戦法は米軍では使わない。あくまでも正攻法での勝利を目指す。


夜明けとともに索敵機が発進していく。そして早くも「敵発見」の報告が続々と飛び込んできた。敵の発見位置と味方空母との距離は4~7Hex(120~210海里)。結構幅のある数値だが、いずれにしても攻撃可能距離である。先手必勝。2隻の空母からはそれぞれF4Fワイルドキャット1ユニット(8機)、SBDドーントレス3ユニット(27機)からなる攻撃隊が発進していった。さらに第2波攻撃隊も各空母艦上で準備する。


27機のドーントレスが空母「翔鶴」に向けて急降下する。「翔鶴」は攻撃直前に飛行甲板上の攻撃隊を発進させた後だったので誘爆の危険はない。爆弾2発が「翔鶴」に命中。「翔鶴」は飛行甲板の一部が破壊され、火災を起こしたが、間もなく火災は消し止めらた。「翔鶴」の飛行甲板も応急修理が完了し、航空機運用能力の一部を回復した。米軍の損害は、ワイルドキャット3機、ドーントレス3機の計6機である。零戦は2機を失った。
日本側の攻撃隊もようやく米艦隊上空に到達した。零戦2ユニット、艦爆2ユニット、艦攻2ユニットの計6ユニット54機の攻撃隊である。上空援護中のワイルドキャット32機が迎撃に向かう。戦闘機の迎撃、さらには艦隊の猛烈な対空砲火によって艦攻隊は半数を失い、残りも有効な雷撃を実施できずに撤退した。

日本軍の第2波攻撃隊は、戦闘機の護衛を伴わない艦爆4ユニット、艦攻2ユニットの計6ユニット54機である。艦攻隊は魚雷ではなく800kg爆弾を抱いた水平爆撃であった。その意図は、大編隊で攻撃によってグラマンの防衛ラインを飽和させようとしたものだったが、それならば雷爆同時攻撃の方が有効ではないかと思うのは筆者だけだろうか?。

何はともあれ、日本側攻撃隊に対してワイルドキャット32機が迎撃。艦爆隊の3/4を撃退した。米戦闘機の防衛ラインを突破した日本機は「エンタープライズ」に対して果敢な攻撃を実施した。艦爆の投じた250kg爆弾1発、艦攻の投じた800kg爆弾1発が命中。「エンタープライズ」の飛行甲板は大きく破壊され、航空機運用能力は完全に失われた。
先のTurn、ほぼ攻撃兵力を全力投入したので、すぐに再攻撃を仕掛けるのは難しい状況となった。さらに「エンタープライズ」が航空機運用能力を失ったので、艦載機の全てを収容できず、仕方がないからSBDドーントレスを優先的に「ホーネット」に収容したが、それでも着艦出来ずに海に不時着する機体が続出した。

例によって最終Turnである。小癪な日本艦隊が突っ込んできているが、速力が衰えない限り日本艦隊に捕捉される危険性はまずないだろう。こちらの動きを読み切って水上部隊を移動させて来ることがあれば、それはそれで脱帽である。

索敵機が北上する日本空母艦隊を発見した。距離は「ホーネット」の北北西8Hex(240海里)。護衛戦闘機の随伴は困難だが、このチャンスを逃す手はない。SBDドーントレス艦爆3ユニット27機が日本空母を求めて北の空へ向かって飛び立っていく。



さあ米軍による攻撃である。SBDドーントレス27機が日本艦隊上空に姿を現した。日本側のCAP機による迎撃は失敗に終わり、ドーントレス隊は無傷のまま日本空母艦隊上空に到達する。対空砲火が激しく打ち上げられ、一部の機体は被弾して撃墜された。しかし殆どの機体が爆弾投下に成功。「瑞鶴」には1000ポンド爆弾4発以上が命中し、数時間後同艦は沈没する。さらにこれまで航空機運用能力を残していた「翔鶴」にも爆弾2発が命中。飛行甲板を完全に破壊されて航空機運用能力を失った。












このシナリオ日米の空母部隊同士が対決するという仮想戦シナリオである。時期的には南太平洋海戦頃を想定しており、日本側が「翔鶴」「瑞鶴」、米軍側には「エンタープライズ」「ホーネット」が登場する。

第2波攻撃隊の兵力不足が気になる所で、できれば第2波も零戦2ユニット、攻撃隊4ユニット程度で編制したかった。もし零戦x2、艦攻1を搭載した軽空母1隻が加わっていれば、攻撃隊の編制もCAP隊の編制も遥かに楽だったのに・・・。このゲームをプレイしていると、つづく「龍驤」や「瑞鳳」といった小型空母の有難さが分かってくる。
当初の予定に従い、エリアEの外縁部付近に布陣した。そして索敵機を放つ。


このシナリオは僅か3Turnのショートシナリオなので、このTurnが早くも最終Turnになる。我が空母部隊はさらに南下し、サンタクルーズ諸島の北北東約200海里まで接近した。ここからなら敵艦隊がサンタクルーズ諸島付近に位置していても、艦隊機による攻撃は十分可能である。戦機は熟したのだ。




日本軍は駆逐艦1隻が中破、航空機5ステップを失う。米軍は艦船の損害はなし。航空機は4ステップを失う。得点差は僅差であったが、シナリオの勝利者は米軍であった。
