日本の鉄道には聖地と呼ばれる場所がある。その1つが鹿児島県南西端に位置する枕崎駅。今一つが北海道最北端の稚内駅である。これらはJR線のそれぞれ南と北の終端点であり、全ての鉄路はこれらの駅と繋がっている(勿論例外もある)。
今回、この2つの聖地を青春18切符を使って乗り通してみた。
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稚内~名寄
昨日、念願の聖地乗り通しを達成した私。やればできるもんだな。改めて感慨を噛みしめる。とはいえ、まだまだ旅は終わっていない。「家に着くまでが遠足だ」
の格言?通り、無事に帰宅するという重大な任務が残っている。
昨日、鹿との衝突という思わぬトラブルで大幅遅延を経験したので、安全策を取って今朝早めに出発することも考えた。しかしネットで調べると、今日の宗谷本線は一応通常通り運転しているらしい。これなら何とかなりそうだ。という訳で、今朝はホテルで少しノンビリすることにした。
0930頃に宿を出発。昨晩は地吹雪が吹いていた。今朝の天気はそれほどでもないが、広い場所に出るとやはり吹雪いている。町の中に入った方が風が弱まるので、海から離れて町の方に行く。そして稚内駅に到着した。
稚内駅はそれほど大きな駅ではないが、駅構内に座る場所が沢山あって過ごしやすい。また駅に隣接した建物には映画館もあるので、ちょっとした時間つぶしができそうである。昨日は閉まっていた駅前のコンビニで、ビール、ポテチ、お握りを買う。
稚内発1028の名寄行きはキハ54系。名寄以北では主力となっているディーゼルカーだ。昨日乗ったものと同じだが、座席配置が異なるため、昨日の車両とは違う車両らしい。乗客は数名なので、各自思い思いに席を取る。
列車は定刻に発車。雪に煙る稚内市内を後にする。南稚内を過ぎるとサロベツ原野の景観が広がる。今の所は定刻通りの運転だが、ネットを調べると特急列車などでは遅れが出ているらしい。
宗谷本線では重要地点となる幌延には定刻の1130頃に到着。ここで約15分の長時間停車がある。本来ならばここで稚内行き特急「宗谷」との行き違いがあるのだが、特急「宗谷」が遅れているので、ここでは行き違いを取らない。
さらに列車は南下し、1230頃に天塩中川に到着する。このあたりに来ると周囲はかなり晴れてきた。ここで遅れていた特急「宗谷」と接続を取る。
ここまでは遅れが約10分程度と順調で、この分では予定通り旭川に行けそうだ。ところが佐久という駅に着いた所で雲行きが怪しくなった。先行して除雪作業を行っている除雪車が遅れていて、線路が開かないらしい。除雪車が音威子府駅に入るまでは佐久駅で停車しなければならないとのこと。ジリジリと時間だけが過ぎていく。遅延もどんどん増えてきて、名寄駅での接続が取れるかどうか不安になった。
結局約40分の遅延で佐久駅を出発した。この分では名寄で接続を取ってくれるかどうか微妙な所である。接続が取れないと、旭川駅で空港行きバスに乗れるかどうかが怪しくなる。もっと急いでくれと気持ちは焦るが、そういう時に限って線路に鹿が飛び出してきて列車のスピードが出せない。まあ焦っても仕方がないので、腹を括って乗り続ける。
音威子府には丁度40分遅れで到着。音威子府で運転手が交代。音威子府から先は比較的快調に飛ばしていく。
結局名寄には35分遅れで到着した。幸い名寄駅では次に乗車予定の快速「なよろ6号」が待っていてくれた。
名寄~旭川
快速「なよろ6号」は約10分遅れで名寄駅を発車する。新型H100系の1両編成だが、座席数が少ないので、立っている客も少なくない。私は幸い座れたが・・・。旭川には定刻よりも15分ぐらい遅れて1610頃に到着した。旭川~美瑛
旭川から旭川空港にはバスが出ているのだが、バスの時間まで1時間半ほど時間がある。さらに美瑛からもバスが出ていて、こちらに乗ると若干だが料金が安い。時刻表を調べると、1630発の富良野行きに乗って美瑛で降りれば、美瑛発1744の空港方面行きバスに乗れそうだ。そこで富良野線の列車に乗りこんでみた。30分ほどで美瑛に到着。美瑛駅前は真っ暗だった。ライトアップが美しい。
美瑛駅~旭川空港
美瑛駅から旭川空港行きバスが出ているが、バス停が駅の反対側にあるのでわかりにくい。まあ駅の待合室にデカデカと看板が出ているので、間違える人も少ないとは思うが。最近は美瑛にも外国人が多いので、外国人が間違えないようにという配慮もあるのだろう。美瑛駅の出入り口を出て、左手に進み、跨線橋を渡って駅の反対側に出る。駅の反対側がバスターミナルになっていて、そこにバスが入ってくる仕組みだ。1744発のバスは、5分程遅れて1750頃に美瑛駅前に到着した。
旭川空港~羽田空港
バスは定刻よりも少し遅れて旭川空港に到着した。空港に着ければ、後は安心だ。定刻1940発のAirDo便に乗って羽田空港に向かう。飛行機を待つ間、空港のフードコートでラーメンを食べる。旭川で結構有名な「梅光軒」のラーメンだが、これが思いの外旨かった。今度、旭川駅前の「梅光軒」でも食べてみようかな。[写真105]
1940発AirDoの羽田空港行は5分遅れで出発。羽田空港にはやはり5分遅れて到着した。これによって足掛け10日に及ぶ「青春18切符」の旅は終わった。