もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

タグ:軍事

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戦闘機年鑑2019-2020

以前は毎年購入していた戦闘機年鑑だが、近年は殆ど買わなくなっていた。理由は「毎年殆ど内容が変わらないから」だが、先日久しぶりに購入してみた。前回購入したのが2007-2008版なので、丁度12年ぶりである。内容を見ると、12年間で殆ど変化がないことに驚く。F-117やMiG-17、19、25等が消えていて、新たにYa-141、J-20、H-8/20等が増えていた。他に目立つ所では、イラン、トルコ等の新型機である。これ1冊自体は資料性の高いものだが、毎年購入する必要があるかは微妙な所。次に買うのはまた12年後かなぁ・・・・。

お奨め度★★★

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米中もし戦わば 戦争の地政学

ピーター・ナヴァロ 赤根洋子訳 文藝春秋

本書は米中戦争について書かれた著作であるが、所謂架空戦史ではない。本書は現在(執筆当時はの米中関係に焦点を当てて米中戦争の可能性とその顛末について述べている。本書によれば、米中戦争の可能性は決して低いものではなく、あらゆる所で戦争の可能性で潜んでいるとのこと。そして米中戦争は最悪の場合、核戦争の可能性もあり、そうではなくても長くて辛い戦いになることは間違いないという。本書は米中戦争の危険性とその原因について分析し、どのようにすれば戦争を避け、そして平和を維持できるかについて、現実的な視点から述べた著作である。米中戦争なんて起こって欲しいと思っている人は殆どいないとは思うが、WW1もWW2も、多くの人々が戦争を望まない状況で起こった戦争である。米中戦争は決して絵空事ではない。戦争を避けるという意味からも、現実の米中関係や中国と他の周辺諸国との関係を知ることは重要だと思う。

お奨め度★★★★

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武人の本懐 FROM THE SEA 東日本大震災における海上自衛隊の活動記録

高嶋博視 講談社

サブタイトル通り東日本大震災における海上自衛隊の活動記録である。筆者は震災当時横須賀地方総監で震災における海自作戦行動の指揮を執った人物である。旧海軍風にいえば横須賀鎮守府長官といったところだろうか。
本書は日記風のスタイルで書かれており、震災当時における海自の行動を筆者の視点で描いている。海自の活動といっても陸自のそれに比べるとやや地味だが、本書を読めば海自が目に見えない所で重要な役割を果たしていることがわかる。救援物資の輸送、生存者救助、行方不明者捜索、そして原発事故対応等。本書を読めば、海上自衛隊にとっては初めての本格的な実戦となった東日本大震災における活動の一端に触れることができる。
値段の割に文字数が少ないので1~2時間程度で読み終わるのが少し寂しいが、万人にお奨めしたい作品である。

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日本の兵器が世界を救う-武器輸出より武器援助を!

兵頭二十八 徳間書店

「日本の兵器が世界を救う」とこれだけ読めば本書は日本の武器輸出を奨励しているようにも読み取れる。しかしそうではない。サブタイトル「武器輸出より武器援助を」とある通り、武器輸出を奨励しているものではない。本書は最初にインドへの戦闘機輸出の実態について触れ、インドへ新型戦闘機を輸出しようとしたアメリカ、ロシア、フランス、中共などがインドの思惑に振り回される様が描かれている。これを以て筆者は、「日本人は武器を商売とすべきではない」としている。では日本の武器を海外でどのように利用していくかは本書を読んで頂くとして、それ以外で面白いのは現在航空戦に関する筆者の見解である。筆者によれば、F-22/F-35に代表される第5世代戦闘機は必ずしも最適の武器システムではなく、言わんや中共のステルスもどきJ-20/J-31等はF/A-18Eスーパーホーネットなどの第4世代戦闘機の敵ではないとしている。そのあたりの筆者の筆致も冴えまくり、本書の魅力の1つとなっている。

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軍事のリアル

冨澤暉 新潮社

元自衛官が書いた自衛隊や軍事問題について記した小論集である。最初はちょっと読み辛いと感じたが、後半は面白かった。特に北朝鮮問題について「危機は確実に近付いている」とか「北朝鮮が核攻撃をする一番適当な目標が日本である」とするあたり、さすがにプロの自衛官だと思った。本書を読むと日本の危機管理の甘さや政治家達の当事者意識のなさに慄然たる思いがするが、そう言った意味からは現安部首相はさすがと言わざるを得ない。相変わらず馬鹿な野党が些細な事で攻めているが、いい加減、本質論で自民党と対峙できる野党が出てきて欲しいものである。そうでなければ、自民党がまた馬鹿になるだけなのだから。
本書で興味深いと思ったのは、「20世紀前半、20世紀後半、21世紀前半の中で一番平和な時代はどれか」という設問。歴史を知る我々は「20世紀前半がもっと平和から遠く、21世紀前半が一番平和である」という答えをすぐに出せるだろう。しかし現在の若者は逆の答えをする者が一番多いらしい。つまり21世紀が一番平和から程遠く、20世紀前半が一番平和だという認識だ。もちろん今後の未来の動向では「21世紀前半がもっともキナ臭かった時代」になるかもしれないが、2018年4月の時点では少なくとも違う。この答えを見ても現在の日本人がいかに軍事や安全保障に疎く、平和を語るに相応しくない存在だと言わざるをえない。

お奨め度★★★★

軍事のリアル(新潮新書)

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